中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年03月06日 (金)
若田部 昌澄 参考人 湯元 健治 参考人 小峰 隆夫 参考人
本日は、先週に引き続き、デフレ脱却調査会において、参考人の先生方へ質問する機会を頂きました。
先生方への質問とご回答は以下の通りとなります。
1、若田部昌澄参考人(早稲田大学政治経済学術院教授)
≪質問≫
日米の金融政策の方向性の差から、今後さらに円安に進んでいく可能性が高い。円安のデメリットも言われているが、全体としてはプラスというご意見なのか。
≪回答≫
○日本は、30年前のプラザ合意以降円高基調が続いている。その結果起きたのがデフレである。それを是正するために一定程度円安方向に傾くのは自然なことである。
○内閣府が示している日本経済の短期日本経済マクロ計量モデルでも10%の円安によって実質経済成長率が1年で0.08%、2年目以降で0.4%伸びるとされている。3年3か月で50%の円安なので、この効果が少しずつ出ている。
○景気が良くなると輸入が増えるので、貿易収支が少なくなるのは自然なことである。この程度の円安はメリットが大きく、全体としてはプラスである
○もっとも、これ以上円安が進んだ場合には多少議論が必要であるが、単純に経常収支・貿易収支が赤字になるわけではなく、バランスが良い形で回復すると期待している
2、湯元健治参考人(株式会社日本総合研究所副理事長)
≪質問≫
財政再建の道筋について、国民負担を上げていくという考え方なのか。それとも、経済成長を重視していく考え方なのか。
≪回答≫
○プライマリーバランスの赤字は、2000年代前半の景気がいい時は減少したものの、リーマンショックを受けて大幅に悪化した後、景気回復とともに少しずつ縮小している。そのため、経済成長と財政健全化は整合性があると言え、経済成長が損なわれると、いかに歳出削減や増税を行ったとしても赤字は減らないと考える。
○もっとも、経済成長が持続すれば順調に赤字が減るというわけでもない。内閣府の試算では、名目成長率が3.4%という高い数字を前提にしても、2020年のプライマリーバランスは9兆4000億円の赤字と試算されている。
○つまり、財政再建を実現するうえで、経済成長が大前提だが、経済成長だけでは難しい。そのため、財政健全化のルールを作るべきである。
○具体的には、スウェーデンの財政健全化が参考になる。すなわち、①経済成長率を上回る社会保障の伸びについては、伸び率に応じて税率が上がっていくような仕組みを作り、②社会保障以外の歳出についても名目成長率以下に歳出を制限する。この2つのルールを作ることで財政健全化の方向に進む。
3、小峰隆夫参考人(法政大学大学院政策創造研究科教授)
≪質問≫
政府の示す経済成長戦略のメニューにおいて、足りないものは何か。
≪回答≫
○政府が出している成長戦略には、ほとんどあらゆるものが入っているため、項目として付け加えるものはない。問題は、「何を重点としているか」「どういう考え方でやっていくか」ということである。
○ひとつは、雇用の流動化である。なるべく発展分野に優れた人材が流動的に集まり、衰退分野から人が離れていくような流れを作ることが望ましい。
○つぎに、企業の活動の場を大きくして、ある程度のリスクを取りながら成長分野に進出できるような環境を整えることである。たとえば、お金はかかるものの質の高い「ビジネスクラス」を作ることで民間の活力が生かしやすくなる。
○最後に、人の居住地選択を容易にして移動をしやすくすることが有効である。老後は農業をやりたいという人に対して、農地の所有を可能とするなど居住の流動化を促進することが必要である。
現状に及第点をつけつつも、常に課題を意識するという姿勢は御三方に共通していました。先生方のご指摘を今後の委員会質疑に活かしてまいります。
2015年03月06日 (金)
2015年02月27日 (金)
参議院 財政金融委員会において、黒田東彦日本銀行総裁へ、物価安定目標を中心に質問させて頂きました。
【物価安定目標の早期達成】
政府の側から、「2年で2%の物価安定目標」について、柔軟に考えるように示唆する意見が散見されるようになりました。
そこで、黒田総裁へ「できるだけ早期に2%の物価安定目標を目指す、というプライオリティに変わりはないのか」を尋ねました。
黒田総裁からは、
「プライオリティは全く変わらない。」
「政府との共同宣言で示した『日本銀行は自らの判断と責任において2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現する』というスタンスに変わりはない。」
とのご答弁を頂きました。
【オーバー・シュートのリスク】
足許でゼロ近辺まで低下した物価上昇率が1年程度で2%に達するとすれば、市場の感覚では「急上昇」ということになります。
そこで、2%を突き抜けて、3~4%にまで及ぶオーバー・シュートのリスクに対する黒田総裁の認識を尋ねました。
黒田総裁からは、
「2%で安定的に持続することを目指している。」
「どんどん上がっていくことを容認するつもりはない。上振れリスクが認められた場合は、必要に応じて躊躇なく調整を図る。」
「消費税増税の前後であっても、日銀は、日銀の判断として、躊躇なく調整を図る。」
とのご答弁を頂きました。
【出口戦略】
これまで日銀は「サプライズ」と言われるほど市場に先行してきましたが、一旦後手に回ってしまうとかえって市場が暴れることが懸念されます。
黒田総裁自身も、かつて「2015年度中に出口戦略について議論する」と仰っていました。
そこで、出口戦略の着手について尋ねました。
黒田総裁からは
「出口戦略は、出口に差し掛かった段階で当然議論しなければならない。ただし、米国の例をみても極めて慎重に行う必要がある。」
「出口戦略云々については内部的には議論を行っているが、政策委員会として何かを決めるのは時期尚早と考えている。」
とのご答弁を頂きました。
2015年02月26日 (木)
2015年02月26日 (木)
2015年02月26日 (木)
2015年02月26日 (木)
2015年02月26日 (木)
早川英男 参考人 菅野雅明 参考人 岩田一政 参考人
本日は、「国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会」において、参考人の先生方に昨年の日本銀行の量的緩和(QQE2)について、お尋ねさせて頂きました。
今後の日本経済のために更なる金融緩和を主張される方がいらっしゃる一方で、追加緩和の弊害を主張される方も少なくありません。
更なる金融緩和の是非を考えるに当たって、昨年10月末に行われた日本銀行の量的緩和(QQE2)の評価が問題となります。
そこで、QQE2の評価について各参考人のご見解を伺いました。
各参考人のご意見は以下の通りとなります。
1、早川英男参考人(株式会社富士通総研経済研究所エグゼクティブ・フェロー)
・一昨年のQQE1はやってみる価値のある実験であり、また成果もあった。しかし、その経験に学ぶなら、QQE2の時点では望ましくなかったと考える。
・ただし、原油安などの幸運があって、日本にとってチャンスとなる1年を迎えている。そのチャンスを生かしてほしい。
・経済が順調に動くのであれば、新たな追加緩和は必要ないと考える。
2、菅野雅明参考人(JPモルガン証券株式会社チーフエコノミスト)
・答えはまだ出ていないと考える。
・QQE2を行うことで日銀は時間を余計に買えることになった。それをどう評価するかの問題だと考える。
・歳出削減が進まず、成長戦略も打ち出せないのであれば、日銀が買った時間を浪費するだけになり、寧ろコストになると思う。
3、岩田一政参考人(公益社団法人日本経済研究センター代表理事・理事長)
・仮に10月末に日本銀行が何もしなかった場合何が起きたかを考える必要がある。
・マーケットの参加者に、「日本銀行は、口では『2年で2%』といっているが、物価の上昇率が1%を割り込み、ゼロに近づいてきても何も行動をとらない中央銀行」という意識が広ってしまうと、デフレ脱却まで難しくなる。
・デフレ脱却が難しくなるというコストを考えると、QQE2はやった方が良かったと考える。
参考人の先生方は、三者三様のご意見を示されました。先生のご見解を今後の委員会質疑に活かしてまいります。
2015年02月20日 (金)
2015年02月18日 (水)