中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2012年04月27日 (金)


本日の参議院本会議で、民主・自民・公明3党の議員立法により衆議院から送付されてきた郵政再国有化法案の採決が行われ、みんなの党の反対にもかかわらず賛成多数で可決成立しました。衆議院では反対3名、棄権1名の造反議員を出した自民党も、参議院では全員が賛成票を投じました。
小泉内閣の時に、衆議院の解散・総選挙まで行って国民の信を問うた郵政改革が、「政策」よりも「政局」を優先し、3党間により水面下で話が進められ、国会での審議は衆議院5時間、参議院6時間、国民への説明もきちんと行われていないということでは国民の政治不信がますます増長してしまうこととなり、みんなの党が独自に提出した「郵政民営化推進法案」の発議者としても、大変歯がゆい思いでいっぱいです。
採決に先立ち、みんなの党を代表して反対討論を行いました。みんなの党が主張する「正論」に対して、自民党の議員からも「その通りだ」という応援の声もかかりました。党議拘束で賛成票を投じた議員の中にも、みんなの党の主張に共感する議員がたくさんいるということではないのでしょうか。であるならば、採決の際に意思表示をして頂きたかったと思い、大変残念です。
以下全文を記載させて頂きます。私の思いを5分間にまとめあげたものです。
法律は成立してしまいましたが、これからもゆうちょ銀行、かんぽ生命の速やかな株式売却についてしっかりと注視し、委員会等で追及していきたいと思っています。 動画はこちら
【「郵政民営化改革法案」(衆議院提出)に対する反対討論 全文】
中西健治です。本法案に対して反対の立場から討論をさせて頂きます。
みんなの党は、独自に「郵政民営化推進法案」を国会に提出し、本法案と並行して審議が行われたところでありますが、残念ながら他党の賛同を得られなかったことは、大変遺憾であります。
今回議題となっている法律案には多くの問題点があり、以下反対の理由を申し上げます。
まず、小泉内閣の時には衆参両院で約200時間も審議された郵政改革が、今回は衆参それぞれでわずか5時間と6時間のみ。国民への説明もまったく不十分であり、3党で合意すれば国会の審議は形式的で良いというのでは、国会軽視も甚だしいと言わざるをえません。
第2に、日本郵政グループの現在の経営状況の悪化は、企業の経営経験の乏しい官僚の天下りに経営を委ねていることに大きな原因があるにもかかわらず、そうしたことへの反省は何も行わないまま、郵政民営化を後退させるという判断は大きな誤りであるということです。ゆうパックとペリカン便の統合における混乱や、非正規社員を正社員にした直後に、雇い止めや新卒採用の凍結を行うといった経営の迷走。現経営陣に対して何の責任も問わず、しかも今後の天下り人事の規制も法律で明文化しておらず、企業価値の向上は見込めません。
第3に、郵便局で金融サービスを提供することは大いに結構ですが、そうであれば、ゆうちょ銀行やかんぽ生命を特別扱いするのでなく、他の地域金融機関や保険会社も平等に参入させて利用者の選択肢を広げるべきであり、金融2社を系列下に留めておく合理的な理由はありません。金融2社の株式を売却し始めた途端、株主からは郵便局への委託手数料の適正化が求められるのは必定であり、だからこそ郵便局は他の金融機関も含めて委託先を増やしていかなければなりません。
第4に、ゆうちょ銀行の過大な金利リスクについてです。ゆうちょ銀行の国債保有額は他の全民間銀行の保有額総額よりも更に大きく、金利1%の上昇で4兆円以上もの含み損が発生しかねないという、金利上昇に対して極めて脆弱な資産構造となっています。金利が上昇すれば、国債利払い費の増加で国家財政には大きな負担増となるわけですが、その上、政府によるゆうちょ銀行株式の実質的な保有が続いている間は、預金保険機構の枠組みを超えて、政府が公的資金注入の形で税金を投入することが容易に想定されます。
ゆうちょ銀行の抱えるリスクを国から遮断するためにも、そして何よりも、売却収入を復興財源として確保するためには、期限を区切って、企業体質を効率化し、企業価値を高めた上で、速やかに全株を売却すべきです。そうした道筋があってはじめて、資産運用やリスク管理を適切に行うための金融のプロフェッショナルの採用も可能となります。
にもかかわらず、本法案では金融2社の株式について、「できる限り早期に全部の処分を目指す」としていますが、株式の1/2を売却すれば新規業務が認可制から届出制に移行できることから、それ以上の株式売却を日本郵政が自主的に進めるインセンティブがなく、株式の全部処分は絵に描いた餅であります。加えて「暗黙の政府保証つき」と国民が感じる金融2社が民業を圧迫する恐れが今以上に大きくなることが大いに危惧される法案となっています。
最後に、TPP交渉に与える影響です。アメリカの議会が金融2社の政府保有について異を唱えている中、「守るべき国益」にこの金融2社が含まれているのか、予算委員会で野田総理に問いただしても明確な答弁は得られませんでした。ただでさえ、何を守ることができるのか交渉が難航しかねない中で、交渉を自ら難しくしてしまう、そしてそれへの備えについて全く心許ない現政権に、日本のかじ取りに対する戦略や戦術を見出すことはできません。
前回の「政権交代」選挙への国民の失望が大きい中、今度は、前々回の「郵政選挙」で圧倒的な国民の支持を受けた郵政民営化を、消費税増税のどさくさに紛れてそそくさと後退させてしまう。こうした国民不在のやり方を国民はしっかりと見ているということを申しあげ、反対討論とさせて頂きます。
動画はこちら
2012年04月25日 (水)


昨日行われた総務委員会で、みんなの党が提出した「郵政民営化推進法案」が、民主・自民・公明3党から共同提出され、衆議院で可決され参議院に送付されてきた「郵政民営化改革法」(郵政民営化再国有化法)と並行して審議されました。
法案提出者として、初めて答弁席に着席して質問に答え、貴重な経験を得ることができました。
ちょうどこの総務委員会と同じ時刻に、財務金融委員会ではAIJ投資顧問による年金資産運用問題に関する件について証人喚問が行われてしまいましたので、そちらは桜内議員に差し替えでお願いしましたが、自分の専門分野に係る証人喚問だっただけに、大変残念でした。
総務委員会では、みんなの党の提出した法案の趣旨に従って、民営化で目指すべきゴールおよび金融2社の株式売却についての現実性について答弁をさせて頂きました。 動画はこちら
まず、民営化で目指すべきゴールについて、
○みんなの党の法案では、平成16年に閣議決定された「郵政民営化の基本方針」で明示されている「市場原理の下で自立すること」をそのまま継承しており、郵便事業、郵便局事業については政府の関与が残る中にあっても、できるだけ政府の関与を排していく、自立していくということが最終形であること
○郵便事業は効率性を重視し、郵便局事業は効率性の上に、グループ内の商品サービスのみではなく、グループ外のものも取り扱うといった収益源の多様化を図ることにより自立を図ることが必要、そして金融2社は期限を定めて全株式を売却することにより完全に自立するということを目指すべき
○そのためにも「経営力」が大事であり、この2年間の経営を見てみると経営力、ガバナンスが弱っていると考えており、そこを改めていかなければならないと考えていること
を説明しました。衆議院法案では「この自立」という考えを法律上抜いており、問題があると考えています。
次に、金融2社の株式売却の実現性について
○まず価格は市場が決めるものであるが、今売れるかどうかについては、この2年半の間で郵政グループの企業価値が毀損してしまっており、難しいと考えていること
○その第1の理由は、2009年、民主党への政権交代により株式売却凍結法が成立してしまったことにより、この2年半、売却のための準備が完全にストップしてしまい機会損失が大きいこと
○第2の理由は、天下り経営者によって、有効な手立てが行われてこなかったこと。ゆうパックとペリカン便の統合の際の混乱や、非正規社員を正社員にした後に人員を減らしたり新規採用を取りやめたりといった、戦略なき迷走等により、企業価値は大きく損なわれていること。
○だからこそ、企業価値を高めていくことが必要であり、天下り官僚による経営ではなく、企業経営経験者に経営を委ねることが必要であり、みんなの党提出の法案には天下りを規制するための条文をしっかりと盛り込んでいること、そしてしっかりと株式売却の期限を明示し、そこに向けて合理化等に取り組むことが重要であること
について答弁の中で説明しました。
今後参議院の総務委員会での採決を経て、本会議で採決が行われることとなります。衆議院ではみんなの党、共産党、自民党の造反議員3名(加えて1名が棄権)のみが反対でしたので、参議院でも可決してしまうと思われますが、最後までみんなの党の主張する「正論」をしっかりと主張して参ります。
動画はこちら
2012年04月19日 (木)

郵政民営化法改正案が参議院で審議入りしました。民主・自民・公明3党提出の法案はゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式売却を期限の定めのない努力目標としており、民営化は大きく後退する内容となっています。
みんなの党は株式の完全売却を義務付ける法案を提出し、本日の総務委員会において、提出者である私から趣旨説明を行いました。
昨日の2閣僚に対する問責決議案提出後、自民党が委員会の審議をボイコットしており、本日の委員会は時間が不規則となりました。昼過ぎには趣旨説明をすべく待機していたのですが、委員会の時間がずれて、途中、園遊会の時間と重なった2時間あまりの中断を経て、やっと午後3時半から再開されました。これまで何度も指摘していますが、国会運営の効率化を図っていかなければなりません。
以下、法案の趣旨説明の全文です。
【郵政民営化の確実な推進のための日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律を廃止する等の法律案趣旨説明 全文】
ただいま議題となりました「郵政民営化の確実な推進のための日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律を廃止する等の法律案」につきまして、みんなの党を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
郵政民営化については、政権交代によって大きく方向性が変わり、逆戻りというような状況となっていました。民間にできるものは民間に委ね、国民生活にとってどうしても必要なサービスについては効率化を十分に図った上で国費を充てて運営を維持すべきであり、国際的に類を見ない規模に肥大化し、かつ、非常に大きな金利リスクを抱えている郵便貯金銀行及び郵便保険会社のいわゆる金融二社の株式を保有し、その手数料や配当収入で郵便事業・郵便局事業の赤字を補てんするという構造を続けることは、民業を圧迫し、金融市場をゆがめるだけであり、決して進むべき道ではありません。政権交代後、金融二社の株式売却を凍結する法律が成立してしまい、また今回衆議院から提出されている法案では、株式の全株売却を、期限を定めない「努力目標」へと大きく後退させています。簡易な貯蓄・保険、送金、決済といった国民にとって必要な銀行や保険のサービスを維持するには、それぞれの地元の地方銀行や保険会社などの金融機関と提携すればよく、巨大な金利リスクを抱えた銀行や保険会社を子会社として有する論理的な理由はありません。金融二社の株式は期限を定めて完全売却を行うべきであり、あわせて、郵政グループの経営の効率化を図るために、経営を官僚出身の天下りに委ねるのではなく、企業の経営能力を有するものこそがその任にあたるべきであります。また、その株式が完全売却されるまでの間、金融二社と民間の同種事業者との対等の競争条件を確保すべきであります。
郵政民営化が遅々として進まず、その進捗が滞る事態に至っている、こうした状況に鑑み、郵政民営化を確実に推進するため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」を廃止することとしております。
第二に、政府は、郵政民営化について、平成二十一年十月二十日の閣議決定に基づく見直しの検討をせず、及び検討した結果に基づく措置を講じないこととしております。なお、当該閣議決定に基づき提出されていた「郵政改革法案」が先日撤回されるなど、この法律案の提出時に想定していた状況に相当の変化がございますので、この法律案に御賛同いただけるのであれば、必要な修正を行うこととさせていただきます。
第三に、政府及び日本郵政株式会社は、日本郵政等五社の取締役の選任に関する株主権の行使に当たって、内部の人材が登用される場合を除き民間企業において長期間の勤務経験と優れた実績を有することを重視することにより、自主性、創造性及び効率性の高い経営を行う資質及び能力を有する者が選任されるよう特に配慮することとしております。
第四に、郵便貯金銀行の預入限度額及び郵便保険会社の保険金額等の限度額を定める政令は、これらの会社の株式の処分が開始されるまでの間、郵政民営化法施行時の預入限度額及び保険金額等の限度額を超えない額となるよう定めることとしております。
第五に、郵政民営化法の規定は、①金融二社の新規事業及び子会社保有の認可に当たって郵政事業の今後の経営に重点を置いて考慮するものと解釈してはならないこと、並びに②金融二社の業務に関する検査及び監督について同種の事業者に対する検査及び監督とは異なる特別な配慮を認める趣旨のものと解釈してはならないこととしております。
以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
2012年04月16日 (月)


本日はH22年度決算に関する省庁別審議が行われ、「財務省、金融庁及び日本政策金融公庫の部」で質問をしました。
動画はこちら
冒頭、金融庁監督局に対して、増資情報を使った株勧誘でSMBC日興証券への処分勧告が行われるという日経朝刊の今朝の報道について、事実関係の確認を行いましたが、金融庁は、監視委から勧告を受け取っていないのでなんとも言えない、の一点張りでした。新聞社にはリークしておきながら国会では答弁しないという国会軽視の姿勢に呆れるとともに、証券会社の情報管理が厳しく問われている時に、自分たちは平気で情報を特定のマスコミに事前リークすることは、金融当局の行為として甚だしく不適切であるので、今後の国会審議のなかで問いただしていきます。
次に、外貨準備の運用について、安住財務大臣が3/13の記者会見で、650億元(約8450億円)の購入枠の許可を中国から受けたと発表した件に関し、外貨の通貨分散という点からは私自身は評価しつつも、「外為特会が保有する外貨資産に関する運用」のガイドラインにある「流動性」という文言はこの際見直すべきではないかと提言しました。市場規模がアジアでは日本を除けば中国国債は最大なので流動性が認められるという答弁でしたが、現在の発行残高が1.1兆ドル程度しかないことからその点については納得できません。ただし、安住大臣は「こうした取り組みにより流動性を促進させるという考えもある」と意見を表明しており、人民元の国際化を後押しする姿勢は評価しようと思います。
通貨分散を図ることの必要性は、財政金融委員会での議員になって初めての質問で提言をしたことですが、当時の野田財務大臣は、「流動性とか安定性というものを勘案しながら検討すべきものである」と否定的なニュアンスで発言をされたのですが、本日の安住財務大臣の発言で、私の提言がしっかりと財務大臣の引き継ぎで行われ、検討の結果、今回の判断に至ったとの趣旨の発言がなされました。自分自身の提言が具体的な政策実現に関わっていることを改めて認識するとともに、一層身の引き締まる思いでした。
また、政府が中国国債を購入するのを機に、本邦投資家が市場参加しやすくするように、中国政府に対して適格外国機関投資家(QIB)申請手続きの簡素化などを働きかけていくべきであると金融庁に質したところ、中塚副大臣より、具体的にそうした要望を中国に対して行ってきているところであるとの前向きな答弁も得ることができました。
今後、通貨分散の観点から、中国元のみならず、韓国ウオンなど他の通貨も保有していくかどうかについても議論や提言をしていきたいと思います。
続いて、金融機関に注入した公的資本の回収状況について金融庁に質問をしました。
H10年からH15年にかけて注入された12.4兆円の公的資金のうち1.5兆円が未回収となっていますが、含み損でさらに0.6兆円ほど損失が膨らんでいることが明らかになりました。私は優先株から普通株への転換がなされる前までにしっかりと資金を回収する必要性があると考えていますが、そうした転換期日を意識した金融庁の対応を求めたにもかかわらず、金融庁監督局長はまさに官僚答弁そのもので、一般論での答弁に終始しました。転換期日をあまり意識していないようでしたが、新生銀行の例でも明らかなように、普通株に転換してしまえば、政府は一般株主の一人になるわけです。議決権の割合以上にはなにも物を申すことができません。私自身は優先株である間が公的管理下に置かれているという認識を持っています。未返済の公的資金が優先株の形で1800億円近く残っているあおぞら銀行は、一般株主への配当を増額する方針のようですが、株主に還元する前に(55%はサーベラスというファンドです)国民の税金である公的資金の返済を金融庁は強く求めていくべきだと主張しました。あおぞら銀行の転換期日は本年10月に迫っており、金融庁としてしっかりと資金回収を行う必要があり、今後とも注視して参ります。
最後に朝霞公務員宿舎の建設中止に伴う違約金交渉の状況を財務副大臣に質しましたが、未だに交渉中で額が確定していないとのことでしたが、H24年度予算において、公務員宿舎建設経費は新規建替の凍結で71.5%、約20億円を減らしたものの、結局、当時財務大臣であった野田総理の判断ミスで違約金を相応支払うことになれば、そういった努力が吹っ飛んでしまうことにもなりかねず、うやむやにさせないためにも今後ともしっかりと追及していきたいと思っています。
動画はこちら
2012年04月06日 (金)


本日は平成24年度予算関連3案の締め括り総括質疑が行われ、私が質問に立ちました。 動画はこちら
各党の質疑の後、みんなの党としての反対討論を私が行い、採決が行われ、みんなの党、自民党、公明党等の反対により参議院予算委員会で予算案は否決されました。
その後の参議院本会議でも予算案は否決されましたが、与党が多数を占める衆議院では予算案は既に可決しているために、両院協議会が開かれ、平行線に終わったため、衆院本会議で横路議長が憲法の衆院優越の規定に基づいて衆院の議決が国会の議決となることを宣言し、H24年度予算は成立しました。
予算委員会では民主党・自民党・公明党が合意して提出した「郵政再国有化法案」に対する政府の見解を質そうと思いましたが、午前中の自民党への答弁で、自見郵政改革担当大臣がどういう立場で閣僚として出席をしているかについて不明瞭な答弁が続きましたので、そうした状態では自見大臣が答弁を行う質疑を行うべきではないとの判断から、原子力協定および外貨準備に関する質問を中心に行いました。
原子力協定については、みんなの党の反対にもかかわらず、先の臨時国会でロシア、ヨルダン、韓国、ベトナム4ケ国との原子力協定の承認が可決されてしまいましたが、臨時国会での採決後も、与野党の中から「拙速に過ぎた」との声が出ていたにもかかわらず、外務省は3月23日に、トルコと原子力協定交渉で実質合意に達したとの発表を行いました。
政府及び国会による事故調査が未だ続いており、また、我が国として原発にどう向き合うのかのエネルギー政策も決まっていないという中で交渉を進めるのはおかしいのではないかという観点から、玄葉外務大臣、細野原子力事故担当大臣、枝野経済産業大臣そして野田総理大臣に質問を行いました。
また外貨準備については、これまで外貨準備については規模があまりに大きいことについてこれまでも問題視して指摘してきたところであり、昨今の円安を踏まえた財務大臣の認識を質しました。
最後に、郵政グループの保有する金融2社の株式売却についてあいまいな表現となっている「郵政再国有化法案」に関連して、TPPとの関連を野田総理に質しました。
以下、質疑の概要およびH24年度予算3法案に対する反対討論全文です。 動画はこちら
【原子力協定】
みんなの党の反対にもかかわらず、先の臨時国会で成立したロシア、ヨルダン、韓国、ベトナム4ケ国との原子力協定承認は拙速に過ぎたと考えている。特にヨルダンは地震多発国であり、水の安定的な確保も不安視されているし、ロシアに至っては使用済み核燃料の再処理を意図したものである。臨時国会での採決後も、与野党の中から「拙速に過ぎた」との声が出ていたにもかかわらず、外務省は3月23日に、トルコと原子力協定交渉で実質合意に達したとの発表を行った。
○トルコは昨年も悲惨な大地震が起こった地震頻発国であるが、このことについて今般の合意にあたってはどのような議論が政府内で行われたのか。
(玄葉外務大臣)3.11の事故の教訓を共有すること自体に異議がある。相手国のエネルギー事情、日本への信頼、2国間の関係等を総合的に勘案して、個別に判断するということ。トルコの副首相からの強い要請を受けて、本当に原発に頼らないとだめなのか、日本の技術への期待が必要なのか等を何度も確認した上で合意をした。だからこそここまで合意が延びたということ。
○他の地中海諸国の懸念は考慮に入れたのか。
(玄葉外務大臣)そういう懸念については認識している、その上で総合的に判断した。
○政府及び国会による事故調査が未だ続いており、また、我が国として原発にどう向き合うのかのエネルギー政策も決まっていないという中で交渉を進めるのはおかしいのではないか。
(野田総理大臣)むやみに協力するわけではない。各国の事情、原子力政策、核不拡散に対する姿勢等を勘案しながら。わが国は中長期的には脱原発依存という方針であるが、原子力を柱においている国が現実的にある時に、国際的な原子力の安全向上に資するという観点からやっていることはご理解いただきたい。
○一体、政府の中で誰が、どのように、交渉を前に進めるか、それとも、ストップするか、の判断を行なっているのか。原発事故担当大臣である細野大臣は本件決定にどう関与しているのか。
(細野原子力事故担当大臣)決定権者ではないが、情報を各省から得た上で私も意見を申し上げ、そうした中で決まっていると考えている。判断権者ではなく、最終判断には加わっていない。
○判断権者は誰か。
(枝野経産大臣)最終的には外務大臣。前内閣において国内の原発依存脱却と、事故前から積み上げていた各国との協力関係について、当時の経産大臣、外務大臣、官房長官と相談して総理も含めて方針、方向性を定めて引き継いだ。
○昨年末の野田総理のインド訪問でも原子力協定に関する話題がなされているが、核拡散防止条約NPTにも加盟していないインドとは唯一の被爆国として、あり得ないのではないかと思うが、総理に確認したい。
(野田総理大臣)年末にシン首相と会談し、原子力協定についての意見交換をした。双方が満足のいく形で締結ができれば良いねということ。話をする前提として、インドの定める「核不拡散の約束と行動」がある。加えて会談の中で、NPT体制の維持・強化はインドの安全にも資するものであり、わが国はNPT未締結国には締結を求め続けるということを重視しているということを伝えていることはご理解頂きたい。
○原子力協定締結についても、原発再稼働の際のような明確な判断のフレームを作るべきではないか。
(野田総理大臣)判断権者は外務大臣であるが、原発は内外の関心持っているのは事実であり、政府の中で意思疎通を図ってやっていきたい。
○是非、判断権者を明確にして頂きたいと思う。
【外貨準備】
これまで外貨準備については規模があまりに大きいことについてこれまでも問題視して指摘してきたところであり、本日も財務大臣のその点の認識を伺いたい。
○財務大臣、為替が円安に振れたら外貨準備を減らしていくという努力は行うという考えを持っているか。
(安住財務大臣)なかなか、現時点ではオス大敵に減らしていくという政策はとっていない。積み重なっている。10年でみると変動が大きいので、慎重な対応が必要と思っている。
○この1ケ月で外貨準備のドルは売っていないということか。
(安住財務大臣)外貨準備残高は介入以降変わりがない。
○財政が厳しいわけだし、13兆円以上も使ったのだから、その部分でいえば利益が出ており、私は覆面で少しは益出しをしてもいいのではないかと思っている。円高への介入で外貨を購入するだけではどんどん準備金が積みあがっていくだけであり、問題ないと考えているのか。
(安住財務大臣)外貨準備から余剰なものは一般会計に繰り入れてきたから、国内の一般会計への一定の役割は果たしていると思っている。
○金利部分は良いが、外貨準備金そのものが積みあがっているということに問題意識を持っていただきたい。
現在の為替市場の動向に関して、円安となっている要因は何だと財務大臣は考えているのか。
(安住財務大臣)様々あると思うが、ヨーロッパがファイアーウォールを様々設けて安定感が出てきたのと、アメリカの経済指標が上向きだったのも大きな要因。内需は復興需要が見込めるという等、様々考えられる。
○貿易赤字も一因と考えているか。
(安住財務大臣)1月に32年ぶりに赤字となった。それを分析の一つに挙げる人は多い。
○米国財務省は年末に公表した半期ごとの国際経済為替政策報告書で、昨年日本が行った為替介入を名指しで明確に批判したが、これは極めて異例のことである。名指しで批判されたことについての財務大臣の認識を伺いたい。
(安住財務大臣)様々なレベルでアメリカとはやっているので、それはアメリカの認識であり、我々の政策に何ら影響を与えるものではない。
○2003年1月から2004年3月まで35兆円行われた為替介入の際は、2004年4月の報告書では、ずっと穏当な表現にとどまっており、日米間でこの問題について「actively engaged in discussions」となっているが、今回はそういう表現がまったく見受けられないが、本当に協議をしているのか。
(安住財務大臣)詳細は申し上げられないが、想像以上にコンタクトはとっているし、いろいろな場面でガイトナー長官とも話をしている。歴史的にはアメリカは厳しい雇用情勢もあり輸出に頼らざるを得ない部分もあるので様々な角度から政策を実行しているのだと思うが、過去と今の日米の思惑が違うのは確かであり、為替政策について意見が異なることはある。
【郵政改革】
民主、自民、公明の3党は30日、郵政民営化法改正案を衆院に共同提出したが、政府は取り下げたものの先日まで郵政改革法案を国会に提出していたので、これらに関連してゆうちょ銀行の状況を中心にお聞きしようとしていたが、自見大臣がどういう立場でそこに座っているのかわからないということであるので、今日は総理にお伺いする。
○TPP交渉では具体的にまだ何も言われていないとの答弁を繰り返しているが、金融2社を郵政グループから切り離せと迫られたらどうするのか。総理が言う「TPPに参加しても守るべき国益」にこの件は含まれているのか。
(野田総理大臣)具体的にそういう要望が来ているということはない。仮定の質問には答えられない。
○当然、腹を決めていなければならないと考えるが。
(野田総理大臣)WTOの国際約束を踏まえた対応を日本はしてきているということはしっかりと伝えていきたい。
○時間となった。あいまいな答弁なので、この件については今後も議論していきたい。
【「平成24年度一般会計予算」「平成24年度特別会計予算」ならびに「平成24年度政府関係機関予算」3案に対する反対討論(全文)】
中西けんじです。みんなの党は、「平成24年度一般会計予算」「平成24年度特別会計予算」ならびに「平成24年度政府関係機関予算」3案に対して反対の立場から討論をさせて頂きます。
わずか5年前の平成19年度には82兆円弱であった我が国の一般会計歳出額が、24年度予算では、復興国債、年金交付国債と合わせれば96兆円超となっており、民主党政権になって財政は、理念なきバラマキを継続し、歳出削減の努力を放棄し続けている結果、肥大化を続けています。
消費税増税と歳出削減・行政改革は「車の両輪である」「どちらも重要だ」と口では言っていても、増税だけはいつまでに何%をと具体的な数字を示す一方、肝心の歳出削減や行政改革については、いつまでにいくら削減するという具体的な数字もなく、今予算にも反映されていません。
国家公務員人件費削減は公約である2割削減からは程遠く、7.8%削減をわずか2年、国会議員歳費・定数削減も未だ実現できておらず、「身を切る改革」を断行するという信念も覚悟も感じられません。
みんなの党が提案している特別会計の剰余金等の有効活用についても聞く耳を持たず、財政再建への取り組みも不十分であります。
年金交付国債については、その償還財源として、消費税増税分を取り分けてしまうことは、一般国債の保有者からすれば償還財源が制限されることになるので、投資家保護、ならびに一般国債の信認の観点から問題をはらんでいるものであり、到底認められるものではなく、また政府が自ら掲げる中長期財政フレームを「実質的に」守っていないことは明らかであります。
増税の前に、まずはデフレを脱却し景気を本格的に回復させることを優先すべきであるにもかかわらず、野田総理は、8割を超える国民が求めている、増税前の歳出削減・行政改革については「政治生命をかける」とは決して言わずに、消費税増税には「政治生命をかける」として消費税増税のみに邁進するところに、国民はすでに野田内閣の基本姿勢を見透かしているわけであり、政府が増税の必要性を説明すればするほど世論調査では増税反対の割合が増えているという皮肉な結果となっているわけであります。
「改革なき増税こそがギリシャへの道である」ということを申し上げ、本案3案についての反対討論とさせて頂きます。
動画はこちら


2012年04月04日 (水)


昨日の財政金融委員会ではAIJ浅川社長などを参考人として質疑を行いました。
AIJ問題では、水増しによる虚偽の報告を行ったことによる金商法違反については本人も認めていますが、社長は一貫して「騙すつもりはなかった」として詐欺については否定をしました。
なお、私が行った質問に対する答弁について、本日の日本経済新聞朝刊で「ファンド間の損失転嫁か」として大きく取り上げられていますが、真相に近づいたのかもしれないと思っています。
今後、虚偽証言が罪に問われる「証人喚問」の形で再度国会に呼ぶことも検討されており、徹底して追求していく必要があります。
以下、質疑の概要です。 動画はこちら
【浅川AIJ代表取締役・西村アイティーエム証券代表取締役】
○AIJのHPを拝見したが、本当に情報の載っていないHPでびっくりした。この程度の情報開示しかしない会社に運用を任せる基金も問題だと思うが、一つ不思議に思ったことがあるので教えて欲しい。2010年度の事業報告書について、約79百万であるにもかかわらず、営業外収益が3億34百万円も計上されている。これはHSBCからの真正のNAVに基づく管理報酬(9年間で45億円)から、AIJが水増ししたNAVに基づくアイティーエム証券への報酬(9年間で27億円)を差っ引いたものが営業外収入で、募集手数料(9年間で9億2千万円)が営業収入ということか。
(AIJ浅川社長)そうだと思う。
○証券取引等監視委員会の公表資料によるとファンド受託銀行であるHSBCが作成した純資産額とAIJ作成純資産額は始めの1年を除いて、AIJ作成純資産額すなわち虚偽の数値がずっと大きくなっており、浅川参考人もこれは認めている。不思議なのは、西村参考人が「HSBCから報告されるNAVとAIJ投資顧問からいただくNAVが一致していたので、虚偽という認識は近々まで持っていなかった」と述べていることである。矛盾しているではないか。どちらが正しいのか。
(アイティーエム証券西村社長)新規募集の期間に載っていた基準価格とAIJの額は一致していた。募集していた際には正しい数値を使っていて、それ以外のファンドは違う数字になっていて、全体としては損をしていたということだと思う。
(浅川社長)新規募集のものについては真正のNAVでやっている、それ以外はそれにあわせるように水増しをしたということ。
○ということは、新規募集の際には水増しはしないで、それ以外は水増しをしたということか。
(浅川社長)当然そうしないと新しく発行できないからそういうこと。
○ここに大きな「騙す意図」が感じられるのでないかと思う。販売しようとするときだけ真正NAVを使って、お金を入れてもらったら水増ししたNAVを出してくるということなのだから、当然「騙す意図」があったのではないか。
(浅川社長)そういうことではない。「騙す意図」を持って新規募集したことはまったくない。
○では新規募集が終わったものや、新規募集していないものに水増しをしたというのはどう説明するのか。どういう区別を持っていたのか。
(浅川社長)新規募集は真正NAVで、それ以外は水増しということは事実であるが特定の意図を持ってということはない。募集は2009年初めまでであり、それ以降は募集をしていない。
○とてもではないが、今の説明で納得できるものではない。
グローバルファンドの投資家向け説明資料を見ると日経225オプションのショートボラティリティが投資戦略の中心だとしているが、2010年度の事業報告書を見ると、デリバティブ取引高総額57兆円のうち、株式先物・株式オプションは2兆2千億に過ぎず、ほとんどすべてにあたる55兆円が債券先物・オプションでの取引だったと記載されている。これは本当の数字なのか。説明資料とは異なり、実は債券ファンドだったということか。
(浅川社長)数字は本当だと思っている。金額ベースではそうなるが、枚数ベースでみると(そこまでの差はないものの)少し株よりも債権中心に運用していたのは事実。
○株式市場が低迷しているのは誰の目にも明らかなので、債券で運用したように見せかけているだけで、運用実態などなかったのではないか。
(浅川社長)57万枚の取引はしている。
○通常大きな金額での取引を繰り返せば市場に何らかの取引の痕跡が残るものだが、市場関係者の話を聞くと、AIJにはその痕跡が見られないという。このことをどのように説明するつもりか。
(浅川社長)どこの市場関係者かはわからないが、現実にシンガポールを通じて取引実態はある。日本の市場関係者が知らないだけ。売買契約は全部あると思う。
○取引は証券会社1社とやっていたと先ほど証言されたが、具体的にはどこか?
(浅川社長)シンガポールにあるウォング。ここはいろいろな証券会社に出せるというメリットがあり、国内の証券会社にはわかりにくかったのではないか。
○日本の証券会社であれば、顧客適合性原則から問題があるのではないかとの観点から聞いたが、そうしたことを避けるためにシンガポールでやっていたのではないかもしれない。
「顧客とともに栄える」「自己の利益より顧客の利益を先にす」という、あなたの出身証券会社の社是を覚えているか。
(浅川社長)当然覚えている。
○金融ビッグバン以来、金融業界は自由な環境の中で健全に成長すべく、努力してきた。その金融業界全体の長年にわたる努力をあなたは踏みにじったわけだが、そのことに対してどのように思うか。
(浅川社長)結果としてこういうことになって申し訳なく思っている。
○ここは国会の場なので今後の金融行政をどうするべきかという観点からすると、あなたは貴重な生き証人でもある。あなたのこの10年を振り返ったとき、金融庁はどうすればあなたの悪事を発見できたと思うか。
(浅川社長)私が言える立場ではない。
○金融行政が事後チェック中心のルールベースの監督体制にある中、あなたのようなことをする人間は今後も存在し続けると思うか。
(浅川社長)私は何とも言えない。他の投資顧問会社には申し訳なく思っている。
○衆議院財務金融委員会で運用報告書の改ざんについて、「だますということじゃなくて、水増ししたNAVを継続して、今の状態を維持したいということで言っているわけです。」と訳のわからないことを言っているが、しばらくばれないようにしていれば、いつか奇跡が起こって累損が全て消えると信じていたのか。
(浅川社長)そんな心の余裕はなく真摯に闘っていた。奇跡というかはわからないが、日々一生懸命にやっていた。
○バブル期に稼ぎまくった証券マンにあなたのような人が多いのは知っているが、未だに業界に生息しているのには驚いた。金融について何も学ばず勢いと口先だけで稼いできた人々には、この10年、15年の相場は難しかったのではないかと思う。
【石山東京年金経済研究所代表取締役】
○衆議院財務金融委員会で自分は被害者だと話しているが、今でもその考えは変わらないか。
(石山社長)その通り。何故ならば仕組みとしてリスクヘッジをしていると理解していたからである。
○あなたはコンサルタントとして仕事をしていたわけであるが、プロとしてのコンサルタントが被害者といっているわけであるが、一体何の仕事をしてきたのか。単に、社保庁出身だと言うだけでやってきたのではないのか。
(石山社長)58歳から年金基金の仕事をはじめたが、それから2年間一生懸命に勉強して運用戦略とかを研究した。
○先ほども自分で年金運用のプロではないと言っていた。ではあなたは一体何のプロなのか。あなたの顧客はプロとしてのあなたの話を聞く。そしてあなたは報酬をうける。何に対して報酬が払われていたのか。あなたは何のプロなのか。
(石山社長)各年金の運用決定委員会が検討をする際に議論できる資料を提供するという、意思決定のための支援。
○私は言葉の定義によるが、官僚出身者が関連会社にいくということが全て悪いとは思っていない。しかし、能力のない人間が、過去の職歴だけによって要職に就くことが問題だと思っている。社保庁出身者が厚年基金に多く天下り、あなたのようなコンサルがその周りを跋扈している状況は、最悪の天下りパターンだと思う。
【渡辺栃木県建設業厚生年金基金理事長】
○「詐欺以外何物でもない。当初から騙されていたと強く感じている」とお話しされたが、アイティーエム証券の勧誘のありかたについて、どのような問題を感じていたか。
(渡辺理事長)勧誘に来た時には改ざんをしているということは一切なく、運用はうまくいっているということで、3年間観察した。経済状況悪い中、AIJの運用がうまくいっていると見せかけられて、私どもが採用したということ。
○投資勧誘にあたって、「非常にうまくいくんだ」という断定的な勧誘手法がとられていたのか。
(渡辺理事長)そういう話だったから切り替えた。
○被害者である一方、企業年金加入者から見れば運用を委託しているのが渡辺参考人ということであるから、いわばプロとして運用を委託しているということとなる。ご自分は運用のプロだとお考えか。
(渡辺理事長)プロとは思っていない。
○年金基金の制度そのものを変えていかなければならないと私は強く思っており、こうしたことはあらためて委員会で取り上げていきたい。
動画はこちら


2012年03月29日 (木)
今日の委員会では、最後の2時間に総理大臣が出席したことから、2回質問に立ちました。
野田総理大臣には、これまでの予算委員会や財政金融委員会で岡田副総理や安住財務大臣に対して質問した、消費税増税のための条件および歳入庁の設置に関しての質問を行いました。
以下概要です。 動画(1)はこちら
【消費税増税の前提条件について】
これまで予算委員会や財政金融委員会で、政府が増税の根拠としている、改正所得税法の附則104条に規定されている「平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させる」という前提が達成されていると言えるのかという点について岡田副総理や安住大臣にはすでに質問をしているので、今日は総理大臣にしっかりとお答えいただきたい。
○法案を閣議決定する以上、現時点で経済は好転しているという理解ということで良いか。
(野田総理大臣)好転の解釈になるが、「改善していく過程にある」ということ。諸々の数値を総合的に勘案して判断することとなるが、先の月例経済報告でも「景気は緩やかに回復しつつある」とされている。
○前提条件が満たされているから法的措置を取るということか。もう一度確認する。
(野田総理大臣)そういうこと。
○平成19年度と比較して8%も名目GDPが落ち込んでいるのに「好転」というのであれば、2014年、2015年の判断の際も実際にはフリーパスになるのではないか。
(野田総理大臣)持ち直しつつあるということは間違いないと思っている。
○一昨日の本委員会で、「弾力条項」に数字を明記できない理由を問われ、安住財務大臣は、「デフレが長く続く中、バブル期を除いて、名目3%、実質2%の経済成長を達成したことはなく、高い目標である」「人口減少や需給ギャップという構造問題もあり、公共投資をしてきても達成できていない」との発言をされ、名目3%程度、実質2%程度の経済成長率の達成が困難だという認識を示した。政府自らが掲げた新成長戦略で書いてあるこの数値の達成を政府として実は達成困難であると考えているということか。総理の見解を伺いたい。
(野田総理大臣)昨年末の「日本再生の基本戦略」にもこの数字を書かせて頂いており、デフレ・円高を克服するために全力で成長戦略のための施策を行い、何としても達成すべき目標である。
○これまでにも私は「経済状況の好転」の判断基準を明らかにすることを求めてきており、名目GDPの絶対値でリーマンショック前に回復することが指標となるのではないかと提言してきているが、今回の消費増税法案附則18条に書き込まれるという「2011年度から20年度までの平均で名目3%程度、実質2%程度」という数値目標は、2014年、2015年時点では、増税の判断基準となりえないどころか、判断の裁量にすらならないのではないか。
(野田総理大臣)できるだけ早期に実現すべくあらゆる経済施策をやっていきたい。
(安住財務大臣)前回申し上げたのは事実関係。従って規制改革などの様々な施策をやりながら達成していきたい。
【歳入庁設置について】
○先日の本委員会で安住財務大臣に検討状況を伺った際に、メリット・デメリットをしっかりと見極めて、設置するかしないかを含めて考えるというスタンスで答弁がされたが、法案に書き込む以上、歳入庁を設置するということが前提になっているという理解で良いか、総理大臣にお伺いする。
(野田総理大臣)現在副総理の下で検討チームを立ち上げ、4月頃に中間報告を取りまとめることとなっている。納付率向上という信頼制の観点、行政効率化の観点、マイナンバー法や新年金制度等も踏まえた新制度への対応という観点から検討を行い、国民視点に立った徴収体制を構築するということで検討を行っていきたい。
○設置しないということもありえるということか。
(野田総理大臣)基本的には徴収体制を構築するということでの検討を行うということ。
○2007年に民主党が国会に提出した「歳入庁設置法案」では歳入庁は、財務省内ではなく内閣府の外局として設置するという考えであったが、その考えに変わりはないということで良いか。
(野田総理大臣)制度設計はこれから。かつてはご指摘の通りそういう考えであった。
○実施時期というタイムラインについてはどのように考えているか。当然2014年、2015年までにはと考えるが。
(野田総理大臣)それも含めて中間報告の中で見えてくると思う。みんなの党も法案を提出していることは承知しており、参考にさせて頂きたい。 動画(1)はこちら
総理への質問に先立ち、政府が金融円滑化法(モラトリアム法)の再延長に合わせて、企業再生支援機構による支援決定期限を延長しようという「企業再生支援機構法改正案」についての質疑も行いました。
企業再生支援機構はこれまでの2年間で23件しか支援実績がなく、しかも出資額で96%、融資額では98%がJAL再生で占められてきており、必ずしも中小企業の支援に役立っているとは思えません。機構が新規案件を受け付けるのではなく、むしろ各地域の中小企業再生支援協議会を強化しつつ、機構のスキルをそこに移していくことが真の中小企業支援につながるとの立場から、本法案についてもモラトリアム法案の再延長とあわせて反対の立場から質問を行いました。
その後に7本の法案の採決がなされ、みんなの党を代表して、金融円滑化再延長法案および再生機構法案改正案については反対討論を行った上で反対をしましたが、多数決でこの2法案を含む7本の法案はすべて可決成立し、明日の本会議で正式に可決されることとなりました。
特に反対をした2法案については、今後もその運用をしっかりとチェックしていきたいと思っております。
以下、質疑の概要です。 動画(2)はこちら
【企業再生支援機構法案】
○政府は、今年でモラトリアム法の延長を最後のものとし、企業再生によるエクジットを確実にするためとして、モラトリアム法の延長と併せて企業再生支援機構による支援決定期限延長を行おうとしているが、これは無理筋であると考える。機構のこれまでの支援案件数は23件にとどまっており、一方、モラトリアム法による貸し付け条件変更件数は昨年の9月までで229万件と、桁が5個程度多い。数を考えればまったく有効な施策といえないのではないか。
(自見金融担当大臣)モラトリアム法で実際に支援が必要な会社は5~6万社と想定しており、そうした会社にはコンサルティングを丁寧にやっていく。地域がまたがる、あるいは高度な専門性が必要なものについては機構の活用が必要と考えている。
○金融庁からは、この数に対処するためには各地域の中小企業再生支援協議会とも連携していくと言う説明があったが、各都道府県に設置された支援協議会の常駐専門家の総数は253名。一都道府県あたり、平均5名に過ぎない。支援協議会に十分な体制とスキルがあると到底言えないのではないか。
(宮川中小企業庁次長)支援協議会では設立以来の9年間で23923社の相談を受け、3114社の再生支援を行ってきておりノウハウの蓄積がなされてきている。253名に加えて地域の専門家との連携も進めてきているが、機能強化も必要であり、デューデリジェンスの簡素化による処理件数増加、人員の増加等について早急に具体策を取りまとめていきたいと考えている。
○再生支援協議会の活動実績を年度ごとに見ていくと平成21年度までは過去7年間ずっと3000件程度の相談件数だったものが、円滑化法が施行された平成22年度以降2000件以下と激減している。これをどうとらえているか。
(大串政務官)事実としてはそういうこと。今回が最終延長であり、エグジットしていく必要があるということを市場にしっかりと知ってもらい、支援協議会も含めてしっかりとエグジットして再生してもらうということが必要。件数が減っていることについては、円滑化法との関係もすべて排除することはできないと考えている。
○このことは、円滑化法があるかぎりは再生支援協議会に中小企業の相談が寄せられないということも意味しており、並び立つものではないと考えている。
○加えて、金融円滑化法のエクジットとして考えたとき、支援機構は新規案件など引き受けるべきではないと考えている。これまでの実績を考えても、今後の可能性を考えても、数千、数万の中小企業の相手をすることなど出来るはずが無い。政府の説明だと再生支援協議会に支援機構からスキルトランスファーを行い、再生支援協議会が全面に立ってこの桁外れに多い中小企業からの相談を受けるという絵を描いているようだが、それならば支援機構は新規案件の受け入れなどせず、再生支援協議会の支援に全力を尽くすべきではないか。ところで、企業再生支援機構自体が職員数は何名か。
(神田内閣府大臣官房審議官)146名。定員は202名であり増やす余地はある。予算措置も行っている。
○現在支援を行なっている対象先のフォローを考えれば、機構が新たな支援を引き受けるのではなく、支援協議会へのノウハウの移転を中心に考えるべきといったことも、よくよく考えていかなければならないと考えている。
○ところで、宮川中小企業庁次長は21日の衆議院財務金融委員会で、再生協議会と再生支援機構の連携強化のための調整を今後していくと発言しているが、これはこれからの話なのか。これまでどのような連携、あるいはスキルトランスファーが行われていたのか。
(宮川中小企業庁次長)これまでも一部の案件については守秘義務契約を締結したうえで情報を共有したりしてきているが、4件にとどまっており、十分ではないと思っている。今まで以上に密接に連携を図っていきたい。
○スキルトランスファーの受け手とされる企業再生支援協議会への国からの予算措置は平成23年度で42億円、来年度は47億円に微増するにすぎない。本当に真剣に取り組む気があるのか。今回の支援機構延長法案を見越した上での予算措置だったのか。つけ刃で急に絵を書いただけなのではないか。
(宮川中小企業庁次長)この予算の中で何とかやっていきたい。加えてデューデリジェンス簡素化で処理期間を短縮し取扱件数を増加させていくということもあわせてやっていきたい。予算措置については延長方針は昨年の年末に発表されてものであり、予算要求は夏であったので、通常の予算措置である。
○支援機構は、これまでの2年半で560ぐらい相談があった中でふるいをかけていくと最終的に22件になったということだ。今回の延長で23件程度の支援を行うことが支援機構の予算根拠になっているようだが、これから1年間の延長の中で、何百社からの相談を受けると想定しているのか。23件も本当に受けるつもりなのか。
(神田内閣府大臣官房審議官)相談件数には電話によるものも含まれており、また23件の中には昨年10月までに申請を受け付け、支援を決定したものも5社含まれている数字である。
○支援機構は官民共同の企業再生ファンドと考えられているが、ファンドというのは全体で上手く回ったかどうかを考えるものだ。政府保証付きで資金調達もしているわけだから、ちゃんと上手く回して貰わないといけないし、現場の方々はさぞ大きなプレッシャーを感じていることだろう。そうすると、出資額で96%、融資額で98%をしめるJALにおける成否が、ファンド全体の成績を決定づけるというのは明らかだ。中小企業向けの出資、融資でいくら頑張ったってJALでこけたら全部吹っ飛んでしまう。100社、200社に投資するとうたって立ち上げた再生ファンドが、結局22社にしか投資できませんでしたということになれば、民間のファンドであれば大問題になる。投資家一人一人に頭を下げて事情を説明するような問題だが、これについてはどう考えるか。
(神田内閣府大臣官房審議官)半分民間に出資してもらっている。中小企業再生センターという組織を機構の中に設け、案件発掘にも努めてきたところ。今後もセンターの機能強化を図っていきたい。
○衆院財務金融委員会で大串政務官が、支援機構の支援を受けた富士テクニカ宮津に関して「二社統合による受注価格競争を緩和する効果」と発言しているが、これはどういう意味か。独占禁止法の観点から、政府答弁としては如何なものか。
(大串政務官)公正な競争が市場にあることは重要であり、それが歪められることがあってはならない。本件について言えば利益率が低く、厳しい競争状況だったという中で、統合による効果としては一定程度あろうという趣旨で申し上げた。
○今行うべきは、支援機構のよる新規案件の受付ではなく、企業再生支援協議会を強化した上で、しっかりと機構のスキルを移管していくことであると申し上げて質問を終わる。 動画(2)はこちら
【「金融円滑化法再延長法案」「企業再生支援機構法改正法案」に対する反対討論】
動画(反対討論)はこちら
中西健治です。
私は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案」ならびに「株式会社企業再生支援機構法の一部を改正する法律案」に対して反対の立場から討論をさせて頂きます。
金融円滑化法は、金融機関の隠れ不良債権や産業活性化に真に資しているのかについて、かねてより問題点が指摘されているところから、昨年3月の法案延長の審議の際には、今後政策効果の判断をより的確に行うために、金融庁に対して、条件変更を繰り返し行なっている融資先の実情把握すべきことを指摘し、かつ金融庁もその必要性を認識していると答弁したにもかかわらず、二度三度条件変更をおこなった貸出先の数も、貸出総額も把握していないということが判明しました。またそれぞれの金融機関につき、円滑化法の求めに応じる形で条件変更を行った債権額や引当率についても実情が把握されておりません。そうした政府の不誠実な対応では、昨年の延長による政策効果は全く明らかではなく、多々指摘されている問題点につき、懸念を拭うことはできず、今回の再延長は到底認めるわけにはいきません。
企業再生支援機構法案についても、企業再生支援機構の体制やこれまでの支援実績を勘案すると、金融円滑化法が対象としている膨大な数の中小企業の支援を行うための出口戦略として有効に機能できるとは考えられません。支援機構は、新規案件の受け入れ期限の延長を行うのではなく、各都道府県の企業再生支援協議会へのスキルトランスファーにこそ全力を尽くすべきでありますが、その受け手である再生支援協議会の強化等の対応も何ら行われておらず、本法案の趣旨には全く賛同できるものではありません。
産業の新陳代謝を阻害し金融システムの健全性も損ないかねず、またそうした企業に雇用される人々の将来をも摘み取ってしまっている本法案には断固として反対である旨を申し上げ、私の反対討論とさせて頂きます。
動画(反対討論)はこちら
2012年03月28日 (水)

今日は午前と午後の2回、各々15分と20分質問に立ちました。
午前中はみんなの党が3/15に提出した歳入庁設置にかかわる質問を財務大臣に、午後は政府が提出している、中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)の再延長にかかわる質疑を行いました。
【歳入庁】 動画(午前)はこちら
みんなの党は3/15に「歳入庁設置法案」を提出した。ここにきてようやく政府も前向きに検討をされているようであり、今回の消費税増税法案の附則に「歳入庁創設の検討作業を進め、必要な措置を講ずる」のような文言を明記する方向で調整がされていると伺っている。
3/22にはみんなの党が全国会議員に呼びかけた勉強会には、民主、自民、社民、新党きづなの各党あわせて約100名の議員等が参加され、賛成意見が相次いだ。
最終的にどういう法案になるかはまだお答えいただけないと思うので、本日は、歳入庁創設にかかわる財務大臣の考え方を伺っていきたい。
○財務大臣として歳入庁創設には前向きであるということで良いか。
(安住財務大臣)メリット、デメリットを検討するためのデータは財務省としてもしっかりと出させて頂く。国税庁は長い間、高い専門性の蓄積を有しており、年金機構と融合するのがどうなのか、しっかりと議論をしていきたいと考えている。メリット、デメリットがまだわからないというのが正直なところ。国民にとってプラスになるのであればそれで良い。
○みんなの党の勉強会に民主党からも約70名ご出席いただいたが、そのことについての財務大臣としての感想をお伺いしたい。
(安住財務大臣)問題意識を持っているということだと思う。決して後ろ向きということではないが、徴税機能がガタガタになってもいけない。
○増税の前に、取るべきものはきちんと取るのが先であるという考えの表れだとは感じないのか。
(安住財務大臣)年金機構の職員をもう一度公務員にするという問題点もある。
○みんなの党は現在の国税庁の人員数からさほど増やす必要はないと考えている。
(安住財務大臣)今の国税庁の人員でやることは物理的に無理と考える。年金機構の全員をクビにするということには反対である。
○年金機構の徴収部門の話をしており、そんなに多い人数ではない。ところで、2007年に民主党が国会に提出した「歳入庁設置法案」では歳入庁は内閣府の外局として設置するという考えであったが、その考えに変わりはないか。
(安住財務大臣)政権与党として責任ある立場で現実的な対応をしていくということ。予断をもたずに考えていきたい。
○財務大臣は、財務省から国税庁を所管外にするのは嫌だなんていう量見の狭いことをお考えになっているということはないということで良いか。
(安住財務大臣)悪貨は良貨を駆逐するということもある。年金機構が発足してまだ3年も経っていない中で形を変えるのもいかがかということもある。
○タイムラインはいつぐらいを考えているのか。
(安住財務大臣)作業チームを立ち上げ、これから議論をしていく。
○消費税増税法案に書き込むのであれば、当然増税と平仄を合わせるべきではないのか。
(安住財務大臣)2014年に8%、2015年に10%と書いてあるわけであるから、それまでの間にということになる。
動画(午前)はこちら
【モラトリアム法案】 動画(午後)はこちら
政府は、中小企業金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法の延長と、企業再生支援機構の支援決定期限の延長を求めているが、これは大きな問題である。
自見大臣が衆院財務金融委員会で「率直に言えば、いろいろな業界、団体も意見が結構割れた」と述べていたように、国会で議論も深めずに、全会一致で通過するようなものでは決してないと考えている。
○まず金融庁による報告徴求、実態把握について伺いたい。昨年3月の法案延長の審議の際には、みんなの党は震災直後ということもあり延長に賛成をしたが、本委員会では私は「来年(延長の可否を)判断するときに、条件変更を二度三度と要請している融資先、そのうち実際に経営再建計画を策定した融資先等のデータを金融庁が把握する必要がある」と指摘したところ、当時の和田政務官が「問題意識を共有する」「何度か条件変更を申請される方々の実情をもっとしっかり把握する必要がある」と答弁された。にもかかわらず、質問主意書によってこの点を尋ねたところ、法定報告で求めていないために、二度三度条件変更をおこなった貸出先の数も、貸出総額も把握していないという答えが返ってきた。こんなことでいいのか。昨年の答弁はなんだったのか。
(中塚副大臣)実態把握は大事なことと考えている。すべての金融機関から報告を求めるということはコンサルティング機能に支障が出ると考えており、一部からヒヤリングをするということで、過度な負担がかからないようにしている。
○今回の延長において、最低限でも自社、関連企業を併せて何度目の延長なのか、個社を識別できる法務局の法人番号や金融機関の口座番号などを用いて報告を義務づけるべきではないか。まったく難しいことではないと思う。なぜしないのか理解できない。
(細溝監督局長)質問に答えず。
(中塚副大臣)ヒヤリングの結果、リスケの割合は把握している。取引形態も多種にわたることから重い負担となることをご理解いただきたい。
○官製の隠れ不良債権とはいわないまでも、金融庁は少なくとも貸付条件の変更に応じた債権残高やそれに対する引当割合がどの程度に上るのか把握しているべきである。その点質問主意書で尋ねたところ、それに対しても把握していないという返答が返ってきた。金融庁はこの1年間何をしてきたのか。本来金融庁は金融システムの安定性を守るのが仕事であり、中小企業の経営を心配するのは中小企業庁の仕事である。本業をほったらかしにしているのではないか。本来の責務を認識し、金融機関の実情把握をし、厳しい債権管理を求めるべきではないのか。
(細溝監督局長)不良債権は累計で約11.6兆円、そのうち引き当ては約8割を超えているという認識である。
○各行ごとのデータは持っていないではないか。
(細溝監督局長)オンサイトとオフサイト検査をうまく組み合わせながら把握に努めているところである。円滑化法だけで条件変更がされているということではないことをご理解いただきたい。より実態把握できるようにするということについては検討をしていきたい。
○モラトリアム法の延長に関しては、今回こそ「最終延長」という話になっているが、今回が本当に最後だということを、何らかの形で担保できるのか。
(自見金融担当大臣)昨年末の大臣談話でも今回が最後ということを明示しており、再度延長する事は考えていない。
○条件変更を行った企業が概ね30万か40万社あると細溝監督局長が話していた対象企業に対して、1年以内に何らかのエクジットを考えないといけないわけだが、金融庁の目算はどうなっているのか。自立する企業、支援機構が支援開始する企業、支援協議会が面倒を見る企業、倒産する企業など、どういう数字を思い描いているか。
(中塚副大臣)大半が自立できているとみている。要管理対象となるのは約5~6万社ぐらいと考えている。そうした企業は転業、事業譲渡、廃業等、いろいろなことを考えていかなければならないと認識している。
動画(午後)はこちら


2012年03月28日 (水)


今回の質問は50分という、これまでの最長の時間での質問となり、いつも少ない時間の中であわただしく質問をすることが多いだけに、じっくりと質問をすることができました。AIJ問題、年金交付国債新設に伴う一般国債債権者保護の問題、増税の前提条件である経済の好転、税制改正案、休眠口座など幅広い分野にわたって質問をしました。
以下概要です。 動画はこちら
【AIJ問題】
○前回の当委員会で、投資一任業を登録制に変更したことに関し、自見大臣は「唐突に投資顧問業が参入してきたという印象」と、ネガティブともとれる発言を行った。その後私が「間違いだったというニュアンスなのか?」と質しても、質問とは全く無関係な答弁をされ、はっきりとお答えにならなかった。まずは先日の大臣発言の真意を確認したい。
(自見金融担当大臣)答弁意味不明。
(大串政務官)今回の事案をしっかりと分析したうえで、登録制の問題も含めて予断なく考えていきたい。
○ずさんな運用の再発を防ぐために、資産を管理する信託銀行が警告を発する仕組みを導入するのは賛成だ。監査法人に対してはどうするのか。一部の監査法人は「駆け込み寺」と呼ばれているが、そうした状況があることを認識しているか。
(大串政務官)職責を果たしていない、適切な監査を行っていないということであれば問題であり、きちんと監督、調査を行っていきたい。
○年金、基金には投資顧問会社が設計運用する私募投信の他に、仕組み債のかたちで複雑な為替リンクノート、金価格リンク債、クレジットリンク債などが多数証券会社から持ち込まれて、良い顧客になっている、すなわち、食い物にされている、ということをよく耳にする。以前は宗教法人、学校法人などを顧客としていたが、年金にも手を広げ、コンプライアンスのゆるい一部の外資系では過剰な接待まで行われているらしい。そうした状況があることを認識しているか。
(細溝監督局長)監督指針に沿って法令順守状況を見守っている。仕組み債に関しては法令違反をしているという事例は現在のところない。
○行政処分が出てからでは遅いのではないか。
(細溝監督局長)顧客への保護体制を確保しているのかも検査のポイントにしている。
○温泉での接待は把握しているのか。
(細溝監督局長)個別のケースについてのコメントは差し控える。
○金融庁は厚労省と共同して、年金の運用の実態を調査するべきではないのか。
(自見金融担当大臣)ご意見もしっかりと踏まえて関係省庁と密接に連絡を取りながら再発防止に努めたい。
○共管とすべく、是非金融庁から申し入れを行うべきであると申し上げておく。
証券取引等監視委員会、財務局のマンパワー、金融行政の効率性、検査を受ける側の大きな事務負担を考えると、いわゆるオンサイト検査の数を大幅に増やすことは正しい処方箋だとは思えない。それよりも、投資顧問会社、および年金、基金に対する調査書徴求等のオフサイトモニタリングの質を高め、それらをリスク・ベースの判断に有効に使用していくのが正しい手法ではないか。
(細溝監督局長)オンサイトのみならずオフサイトについても非常に重要なことであると認識している。
○今回の事案を受けて、独立系の投資顧問会社との契約を打ち切るような動きが出ている。私は志高く運用アドバイスを行なっている独立系投資顧問会社を幾つも知っている。様々な運用手法、哲学をもった業者は、市場の健全な発展のために必要だと考えるが、こうした逆風をどのように考えているか。なにか手を打つ考えはあるのか。
(大串政務官)金融全体がシュリンクすることのないようにするためにも、今回の事件をしっかりと分析していくことが必要と考えている。
○検査結果の公表をできるだけ早く行うよう申し入れておく。
【ネガティブ・プレッジ】
○前回の3/16の予算委員会で私は「ネガティブプレッジ」、すなわち「担保提供制限条項」という社債市場で通常見られる条項をひいて、年金交付国債や復興債でその償還財源として、消費税・所得税増税分や政府保有株式の売却等の税外収入を取り分けてしまうことは、一般国債の保有者からすれば償還財源が制限されることになるので、投資家保護、ならびに一般国債の信認の観点から問題をはらんでいるところから、その認識をただしたところ、安住大臣は「中西ワールド」などと発言し、私がまるで特殊な別の世界の話をしているような発言をされたが、発言の趣旨を再度伺う。どういう意味か。
(安住財務大臣)プロの世界ということで申し上げた。社債と国債の徴税権を比較するには無理があると思う。政策の優先順位として財源を確保するということである。
○国と企業の違いはあるにせよ、投資家保護の精神は尊重されるべきではないのか。
(安住財務大臣)当然のこと。市場がどう見ているかは十分に意識しながらやっている。
○安住大臣の言葉を借りれば「新しいスキーム」と言うのなら、鉄板の説明ができるようになっていなければならない。消費税の社会福祉目的税化が根本の話であり、これは別途取り上げていきたい。
【消費税増税・経済の好転】 配布資料(日米名目GDPの比較)はこちら
次にやはり前回の予算委員会で取り上げた「経済の好転」についての認識を質したい。
附則104条が明記するところのこれまでの3年間と、政府が新しい法案で増税を実施しようとしている時期までの今後3年間、を分けて議論したい。
○私は前回予算委員会で名目GDPの推移のグラフをお見せして、改正所得税法の附則104条に規定されている「平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させる」という「法制上の措置を講ずる」前提が達成されていると言えるのか、岡田副総理大臣にお尋ねしたところ、「必ずしもリーマンショック以前の状態に戻らなくても戻る過程にあるということで十分」との表現で見解を表明されたことについて、その時は隣にいた安住財務大臣の見解をお聞きしなかったので、安住大臣の見解を伺いたい。
(安住財務大臣)岡田副総理と同じ認識。最後の平成22年度は上がり基調であったことから、前政権であってもやはりやったのではないかと思っている。
○このグラフを見て「戻る過程」と思うのか。
(安住財務大臣)落ち続けるということではないと思う。
○資料は日米の名目GDPの推移のグラフである。当事者本国のアメリカはまさにリーマンショックは一時的なものであり、明らかに経済状況は改善していると言えるが、これと比較して日本を見てみた場合、現時点ではとても経済状況が好転しているとは言えないのは明らかではないか。財務大臣の見解は。
(安住財務大臣)2011年は大震災もあり特殊な状況。今後の状況も見て判断していかなければならない。
○岡田副総理は予算委員会で私のグラフに確定した数字が発表されている2010年度までしか記載していなかったことをとらえて、「2011年度がどうなるかもみなければ」と発言されていたが、正直、大震災が発災し、日本経済に大打撃を与えたという認識すら持っていない副総理にびっくりした。政府としての景気の動向に関する認識があまりにうすいのではないか。予測では当然前年よりも落ち込んでいるわけであるが、財務大臣は2011年度のGDPは前年度よりも低くなるとの認識をお持ちか。
(安住財務大臣)大幅に上昇しているとみるのは難しいと思っている。まだ数字が出ていないが、2011年がトータルとして良くなったとは思っていない。
○2014年までにリーマンショック前に回復することが条件となるのではないか。
(安住財務大臣)デフレ脱却をして経済を好転させたいということであらゆる施策をやっていく。
○名目GDPの数値目標を何故設定しないのか。
(安住財務大臣)個別の指標を前提とするのではなく、諸要素を判断していく。政治判断となる。
○政治判断をするためのモノサシが必要であるということを申し上げておく。
【地球温暖化対策税】
○税収がエネルギー特会にいくことの理由として、先日の本会議にて枝野経済産業大臣から受益と負担の関係を明確にするためとの答弁があったが、財務大臣としては、一般論として特別会計を整理してできるだけ一般会計に寄せていきたいとの考えをお持ちではないのか。
(安住財務大臣)特別会計についてはピーク時には45あったのを今後17にしていこうとしているところ。今回の措置は決して肥大化につながるものではなく、消費者の目から見て別にした方が納得していただけるということで行っている。
【環境関連促進税】
○環境関連促進税では即時償却が認められることになるわけだが、一方で再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートする。このふたつの制度は、固定価格買取制度が再生可能エネルギー事業は当初は利益が出にくいことを前提としているのに対し、即時償却は利益の出ている会社、儲かっている会社が採用するもので、相矛盾している。これでは本業で大きく利益を出しているところが、税務上の損金を作るために再生可能エネルギーに投資を行うことが促進されかねない。私の頭にもすぐ思い浮かぶ企業がある。予算委員会では安住財務大臣は「事業規模の要件をきちんと設ける」「本気でやる人を対象とする」と発言したが、具体的にはどういう要件を設けるのか。
(安住財務大臣)H25年度末までの取得について、太陽光であれば10kw以上、風力であれば1万kw以上の発電設備を有し、総出力が一定である等の明確な基準を設ける。
○私は一定期間の運用後に、実態がどうなっているのかについて検証を行い、必要に応じて税制の見直しを行うことが必要であるとの認識であるが、財務大臣の認識はいかがか。
(安住財務大臣)この税制が別目的に使われるのは本意ではないので、しっかりと状況を見守っていく。
【自動車2税】
○今回の税制改正では取得税撤廃は見送り、重量税はわずかばかりの減税、0.5トンにつき900円、1.5トンだったら年額2700円にしかすぎない減税となった。政治的な妥協がなされたと理解しているが、何故抜本改革は先送りとなったのか。
(藤田財務副大臣)Co2削減を促すことを目的としている。エコカー減税と合わせて雇用の空洞化を防ぐ効果もあり、効果の資料もある。
○資料は別途示してほしい。消費税との二重課税の問題もあり、道路特定財源が一般財源化された今、もはや徴税根拠が失われており、本来は、抜本的に見直して、消費喚起と地球温暖化対策の2点を勘案しながら再構築していくべきではないのか。
(安住財務大臣)そういうご指摘は十分あると思う。取得税は地方の重要な財源で自治体から残すよう強い要請があったのも事実。基幹産業にかかわる、内需に直結する税金であるが、2重課税の点、消費者から納得されるものを考えていく必要があると考えている。
【休眠口座の活用について】
○財産権の侵害のおそれがあるという指摘に対してどのような認識をもっているか。
(森本総務企画局長)古川大臣から「預金者からの支払い要求には応じること」という前提が示されている。
○たとえばカナダでは一旦中央銀行に移管して、一定額(残高1000カナダドル、約8.4万円)未満の預金は最後の取引か40年間払い出しの手続きがないものは没収というワンクッションを置いた形で運用をしているが、そうしたやり方をとると財産権上、制約は低くなるということはあるのか。
(森本総務企画局長)しばらく公的機関で保管をすれば制約が少なくなるかということについては検討中でありにわかには答えかねる。財産権保護については十分に留意するべきと考えている。
○銀行が負担している口座管理コストについてどのように考えているか。
(森本総務企画局長)休眠になった後も払い戻し率が高いという状況もある。重要な論点であると考えている。
○各銀行はすでに会計上利益として計上しているが、そうした場合、法的に何らかの制約が出てきて実現できないということが考えられるか。
(森本総務企画局長)古川大臣より過去のものは対象外とするという方針が表明されているところ。
動画はこちら



2012年03月22日 (木)



午前中の予算委員会公聴会での質問を終えた後、午後一番で財政金融委員会で質問に立ちました。
今日はAIJ問題について、金融庁および証券取引等監視委員会に質しました。 動画はこちら
AIJ問題に関しては、厚生年金基金の運用ガイドラインの見直しや金融商品取引法上のプロ・アマといった投資家の区別といった問題に矮小化させてはいけないと考えており、また単純に規制を強化すればいいものでもありません。そうした観点から質問をしました。
質問時間は20分と限られている中、一番初めの質問に対して自見金融担当大臣が、全く関係のないことばかりだらだらと答弁をし、かつ肝心の聞いたことには答えていないという呆れた対応によって、聞きたかったことの半分も消化できないという極めて残念な質疑となってしまいました。
また大臣は途中までずっとAIJのことをAIGと発言されており、これだけの社会問題となっている中、担当の大臣として全く心もとなく、信じられませんでした。
先日の予算委員会でも安住大臣が聞いていないことをだらだらと答弁するといったこともありました。答弁時間も与えられた時間に含まれるこうした委員会では、答弁は聞かれたことに対して簡潔にお願いしたいものです。
以下質疑の概要です。
○AIJ投資顧問に関しては、以前から運用実績の信ぴょう性を問う声が年金基金やコンサルタント、更には雑誌などでも指摘されていたにもかかわらず、証券取引等監視委員会は今年1月に初めて検査に入って行政処分に至ったのは、対応として遅きに失したのではないか。なぜもっと早く対処しなかったのか。
(自見金融担当大臣)顧客調査でアクティブ運用能力で2007年から2011年まで1位、シェアを増やしたい会社でも2008年、2010年に1位というプラスの評価があった。一方で証券取引監視委員会への情報提供は毎年6~7000件ある中で、AIJに関しては4件、金融庁への情報提供はなしということであった。
○嘘の情報に基づいての人気ランキングで1位ということであり、金融庁としてプラスの評価とすること自体がおかしい。クレームがなかったから怪しいとは思わなかったということであるが、自見大臣は予算委員会で「リスク・ベース」で選択した上で検査先を決めていると発言されたが、この「リスク・ベース」とはどういう意味か。
(岳野証券取引等監視委員会事務局長)監視委員会で決定している証券検査の基本方針にある。対象約8000社ある中で、限られた体制で効率的・効果的な検査をしていく必要があり、検査対象を絞り込む必要があるが、その際には業態、規模やその他の特性、市場環境等を勘案して優先度を判断することとしており、それを「リスク・ベース」と呼んでいる。
○各種情報を通じて「リスクがありそうだ」という判断であれば、なぜAIJがこれまで後回しにされてきたのか。
(岳野証券取引等監視委員会事務局長)情報受付窓口への情報提供は4件であり、その情報を基に一生懸命にやってきたが、結果として1月の検査となった。
○顧客からの情報だけではなく、業界内の声を拾うということはやっていないのか。
(岳野証券取引等監視委員会事務局長)市場関係者との対話も重視している。情報件数が少ないからということではなく、1件でも重要性、有用性があれば検査することもあることを付言する。
○私自身は単純に規制を強化するのには反対だ。投資一任業を認可制から登録制に変更したメリット、デメリットをどのように整理しているのか。
(自見金融担当大臣)平成18年度の金商法改正で変更をして、新規参入を促し金融イノベーションを促すことにメリットがあった。当時の印象としては唐突に投資顧問業が参入してきたという印象。小泉内閣の規制緩和のひとつと思っている。
○大臣は登録制に変更したことは間違いだったという認識なのか。
(自見金融担当大臣)規制緩和のみならず、規制が強化された部分もある。(的外れな回答)
○金融業に携わっていたものからみれば、元金がそのまま損失となることは一般的には考えにくく、元金が何らかの違うところに流用されていたりすることも念頭に置かなければならないと思うが、現時点での金融庁の見解は。
(岳野証券取引等監視委員会事務局長)現在検査を継続中である。ご指摘のことも含め、あらゆる可能性を念頭に置いて万全を尽くす。刑事的なこととなれば犯則調査権限もあるので、事案に応じて様々な権限を戦略的に組み合わせて活動を行っていく。
○一般論として、仮に刑事犯罪のようなことが想定されると考えた場合、金融庁としてどのようなアクションを起こすのか。証券取引等監視委員会や検察との連携をどう図っていくのか。具体的に金融庁ができること、証券取引等監視委員会としてできることはどういうことなのか。今後のこともあるので、しっかりと伺っておきたい。
(大串内閣大臣政務官)証券取引等監視委員会は犯則調査において、任意調査、強制調査の権限を有しており、犯則の心象を得た場合には検察官に告発して証拠を引き継ぐという連携をとっている。刑法上のことは監視委員会ではなく、別途の調査になるという関係である。
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