中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年03月30日 (月)
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3月27日(金)参議院予算委員会において、安倍総理に、3月23日に亡くなられたシンガポールの元首相リー・クアンユー氏から学ぶべき点についてお尋ねしました。
リー・クアンユー氏は、都市国家シンガポールを、1人当たりGDPが日本を上回るほどの経済発展に導かれました。
その結果、都市の魅力度調査では、シンガポールは、ロンドンやニューヨークと並ぶ高いランキングを獲得する一方、東京は、ビジネスのしやすさという点で、シンガポールの後塵を拝しています。
国際的な都市間競争を勝ち抜くためには、法人税をシンガポール並み(17%)に引き下げ、英語を準公用語とするくらいの取り組みが必要なのではないでしょうか。
また、都市の競争力を高めるに当たっては、都市の需要の厚みが重要となります。
「東京一極集中の是正」をスローガンに掲げ、人や企業を東京から地方へ移転させることは、都市の需要の厚みを奪い、かえって都市の競争力を損なうのではないでしょうか。
そこで、以下の点について、お尋ねしました。
①リー・クアンユー氏から、今の日本が学ぶべき点は何か。
②法人税をシンガポール並みに引き下げるつもりはないか。
③英語を準公用語とするつもりはないか。
④「世界で一番ビジネスがやりやすい国」と「東京一極集中の是正」は矛盾するのではないか。
安倍総理大臣からは、以下の答弁をいただきました。
①について
「資源が全くない、人材こそが資源であるという認識の下、しっかりと人材を育成するとともに、徹底的なグローバル化を図り世界の中で競争力を作っていった。」
②について
「法人税率については、世界を見回して国際的に遜色のないものにしていきたいと考えている。」
③について
「準公用語と位置づける考えはないが、使える英語を身につける必要があると認識している。」
④について
「地方からの人口流入が逆に変わったとしても、東京の競争力は基本的に変わらないと思っている。」
「東京か関東圏か地方かというゼロサムではなくて、それぞれがその良さを生かして発展していく状況を作っていきたい、それは東京が競争力を失っていくことにはつながらないと思っている。」
地方の魅力を最大限高めるという点で、地方創生には大いに賛成です。
しかし、東京から人や企業の分散を図ることが、世界一ビジネスのやりやすい国につながるかは、大いに疑問です。
「徹底的なグローバル化を図り、国際的な競争力を高める」というリー・クアンユー氏の教訓からすれば、東京の国際的な都市としての競争力を高めていくべきではないでしょうか。
「人材こそが資源である」という教えに想いをはせつつ、リー・クアンユー氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。