防衛費の財源確保法案の審議日程を遅らせることだけが目的としか思えない財務大臣不信任決議案に対して、怒りを込めて反対討論を行いました。是非ご覧ください。
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自由民主党の中西健治です。
私は、自由民主党・無所属の会および公明党を代表し、ただいま議題となりました財務大臣鈴木俊一君不信任決議案に対し、満身の怒りを込めて反対の立場から討論を行います。
冒頭、本不信任決議案の反対理由を述べる前に、先週の財務金融委員長解任決議案に懲りず、今回、本不信任案の動議を提出された立憲民主党諸君の一連の暴挙に対し、苦言を呈します。
先週12日に行われた財務金融委員会理事懇談会において、16日の委員会で財源確保法の採決を行う事に、御党も合意された上で、委員会がセットされました。理事懇談会の場では御党からは一切の異議も呈されませんでした。
それにも関わらず、委員会採決当日になり、合意事項を反故にし、財務大臣不信任の動議を提出と、全くもって矛盾する行為をした立憲民主党は言語道断であります。
一昨日の財務金融委員会の現場におきましては、8時50分の理事会開始予定時刻にも、そして9時の委員会開始時刻に至っても、立憲民主党からは電話一本はおろか、一切の説明が行われず、他党の理事、委員は直接的な情報はなにもないままに、無為に待ちぼうけを食らいました。あまりの委員会軽視、現場軽視と言わざるをえないのではないでしょうか。
このようなあまりにも身勝手な御党の行為に、他の野党会派も呆れているのは、態度を見れば一目瞭然であります。野党第一党として、到底ありえない行動をした事に対し、強く猛省を促した上で、以下、財務大臣鈴木俊一君不信任決議案に対する反対討論を申し上げます。
鈴木財務大臣は、一昨年に財務大臣に就任されて以降、新型コロナや、ロシアによるウクライナ侵攻、物価高騰などの大きな変化に対応しながら、我が国の財政運営を的確に行ってまいりました。
また、先日、新潟で開催されたG7財務大臣・中央銀行総裁会議においても、議長国として各国の意見をとりまとめ、立派にその職責を果たされました。鈴木大臣には、今後も引き続き、財務大臣としての職責を果たしていただくことが、重要課題を抱える我が国の将来にとって不可欠であるのは誰の目から見ても明らかです。
今回提出された不信任決議案においては、その理由として、防衛費増額を「身の丈に合わない」と断じていますが、「身の丈に合わない」とはいったい何なのでしょうか。不透明感、緊迫度を増している安全保障環境の中でわが国だけが「分をわきまえて、立ちすくんでいろ」ということなのでしょうか。激動する世界の中でその危機感の薄さには驚くばかりです。
また今般の防衛財源確保法案については「中身に乏しい」と断じていますが、財源確保策については、昨年末に閣議決定した「防衛力整備計画」や「税制改正の大綱」において、その全体の方針が明確に示されているところであり、今回の法案においては、特別会計からの繰入れなどのほか、確保した税外収入をプールするための「防衛力強化資金」の設置といった法律上の手当てが必要なものが盛り込まれています。
防衛力の強化は時間をかけておこなっていくものです。防衛費の財源の詳細は、行財政改革、税外収入・剰余金の活用、税制改正措置など、あらゆる可能性につき、段階的に丁寧に議論を進め、最大限の努力をし、財源を確定していくことこそが、負担をお願いする国民の皆様に対する真摯な態度ではないでしょうか。
今回の法案は、「今を生きる我々が将来世代への責任として」、防衛財源の安定的な確保に向けた道筋を示し、その第一歩を踏み出すものであり、今回の財源確保法案を提出した財務大臣の判断は、適切なものであると考えます。
また、今回の財源確保法案の審議に当たっては、野党側の要望に応える形で35時間を超える審議時間の確保に努め、幅広い観点から充実した議論が行われてきたところです。
不信任決議案の中において言及されている財源に関する各論点については、いずれも、委員会での審議において、鈴木大臣から真摯かつ丁寧な答弁が行われてきました。
鈴木大臣は予期しなかった質問に対しても、質問者の意図を真っすぐに受け止め、自分の言葉で委員会質疑に向き合ってきました。鈴木大臣が、本法案を「強引に」成立させようとしているとの指摘は全く当たらず、不信任決議案の提出は、採決日程を引き延ばすためだけの信義則にもとる愚行、単なるパフォーマンスと言わざるを得ません。
防衛力の抜本的な強化のみならず、こども子育て政策など、様々な重要課題が山積する時期において、今こそ財務大臣の果たすべき役割・責任は大きなものであり、鈴木大臣を信任することがあっても、不信任とすることは到底考えられません。
以上、不信任決議案に掲げられた理由が、いかに的を射ていないものであるかを申し上げ、断固反対を表明するとともに、提案者に対して強く反省を求めまして、私の反対討論を終わります。