中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年08月05日 (水)
8月4日、参議院財政金融委員会において、東芝の不正会計問題について質問しました。
報道によりますと、東芝は2008年度から2014年度第3四半期まで、総額1518億円もの不適切な会計処理を行ったと報じられています。この点について、第三者委員会から報告書が出されており、その一部がPC部門の月別の売上高(青線)と営業利益(赤線)となります(下記資料参照)。
上の表(2005年6月~2015年3月)を見ますと、2008年3月頃から利益のブレが激しくなっていることが伺えます。
また、下の表(2011年3月~2015年3月)をみると、毎四半期末に利益が上がり(一部は売上高を上回る)、次の月に下がるということを何年も繰り返していたことが伺えます。
はたして監査法人がこれを見抜けないのか、疑問に思いました。
そこで、麻生金融担当大臣及び金融庁に対して、以下の点をお訪ねしました。
①資料を見た感想はいかがか。
②監査法人をローテーション制にするという議論はどうなっているか。
③これだけ大規模な事案を課徴金で済ませてよいのか。
これについて、以下の通りご答弁をいただきました。
①について
「商売をやった経験から、一番異常なのは売上高を利益が超えていること。これが一番ふざけている。これに気づかなくて監査人ができるかな、と思わないでもない。極端すぎると思う。」(麻生金融担当大臣)
②について
「監査法人のローテーション制については、カネボウの事件があった時、導入の是非が議論された。その際の議論では、監査法人が交代することによって新しい視点でのチェックができるという一方、その企業に対する監査法人の知見が途切れるため、監査法人のチェックが難しくなり、企業サイドでもコストが増えるという議論があって、なお論ずべき論点があったということであった。」(金融庁)
③について
「基本的には証券取引監視委員会で判断すべきものであり、コメントは差し控えたい。ただし、法令違反に該当する事実があると疑われる場合には厳正な調査が行われるべきと承知している。」(麻生金融担当大臣)
東芝は、他の企業に先駆けて委員会等設置会社に移行するなど、コーポレートガバナンスの先駆者と見られていました。その東芝がこのような不祥事を起こしたことに、今回の問題の根深さがあるように思います。今後も健全な企業の発展のために尽力して参りたいと思います。
2015年07月31日 (金)
本日は、平和安全法制特別委員会において、ホルムズ海峡の機雷掃海の根拠を質しました。
現在、参議院では、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法案を審議しております。その中で、安倍総理は、集団的自衛権行使の具体例として、ホルムズ海峡の機雷掃海を挙げています。
ホルムズ海峡は、インド洋からペルシャ湾に入るところに位置しており、日本に輸入される原油の8割が通過する海上交通の要衝です。安倍総理は、「この海峡が機雷で封鎖されると、電力不足によるライフラインの途絶が起こる。病院への電力供給も滞る可能性がある。」としてホルムズ海峡での機雷掃海の必要性を説明しています。
確かに、「日本の原油の8割の供給が途絶する」と聞くと、「日本の電源の8割が喪失する」という印象を抱きがちです。しかし、2014年度のエネルギー資源別の発電実績(資料参照)を確認したところ、石油による発電実績は全体の9.3%に過ぎません。そのため、ホルムズ海峡経由の石油に由来する発電実績は、全体の7.6%程度にとどまることが伺えます。
そこで、安倍総理に対して、「発電実績全体の7.6%の電力の不足を持って、集団的自衛権行使の根拠となる、国民生活への死活的影響が生じる明白な危険があると考えているのか」と質問しました。
安倍総理からは、「我が国の原油の8割の輸入が途絶えると、生活の足である乗用車の使用に支障が生じる。救急車のガソリンも足りなくなる。また、物流自体が停滞し、相当大きなインパクトを与えることが想像に難くない。冬場に供給が途絶すると、灯油やLPガスが枯渇をして、寒冷地において国民の命にかかわりかねない。」とのご答弁をいただきました。
しかし、このご答弁は、国民生活への死活的影響が生じる「明白な危険」とまで言えるのでしょうか。
確かに、ガソリン不足や灯油の不足は生じるかもしれません。しかし、石油は半年分の備蓄があり、救急車など緊急車両を中心にガソリンを供給すれば、国民生活への死活的影響は避けられると思われます。また、暖房器具は灯油やLPガスにかぎらず、エアコンや炬燵、セラミックファンヒーターもあります。
なによりも、安倍総理は、「経済的理由だけで武力行使を行わない」と答弁していたにもかかわらず、本日の答弁では「物流自体が停滞し、(経済に)相当大きなインパクトを与える」として経済的理由を挙げております。救急車両や寒冷地での死活的影響は回避可能である以上、これは経済的理由だけで武力行使(機雷掃海)を行うケースに当たるのではないでしょうか。
政府の集団的自衛権の説明は、いたずらに不安感をあおっている印象が拭えません。他方で、野党は、「戦争法案」といったレッテルを貼り、こちらも感情論で議論しているように感じております。
確かに、東アジアを巡る安全保守環境は緊張の度合いを高めております。建設的な議論になるように、論理的な観点から安保法案の審議を進めてまいりたいと思います。
2015年07月31日 (金)
本日は、平和安全法制特別委員会において、ホルムズ海峡の機雷掃海は、集団安全保障を通じた国際貢献として行うべきではないか、と質問しました。
現在、参議院では、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法案を審議しております。その中で、安倍総理は、ホルムズ海峡の機雷掃海を、原則禁止である海外派兵の例外の具体例として説明しています。
ホルムズ海峡は、インド洋からペルシャ湾に入るところに位置しており、日本に輸入される原油の8割が通過する海上交通の要衝です。この海峡が機雷で封鎖されると、日本の原油の輸入が滞るため、安倍総理は、集団的自衛権を行使して機雷掃海を行うべきである、と説明しています。
しかし、日本から1万1000キロ離れた海峡の機雷掃海を、自衛権で説明することに違和感を覚えます。
確かに、海上自衛隊の機雷掃海能力は、国際的に極めて高く評価されています。これは、周囲を海に囲まれた日本が、第二次世界大戦中に、米軍の機雷封鎖に悩まされ、機雷の掃海とともに戦後の復興を果たしたことに由来します。
しかし、機雷の敷設は、沿岸国に対する不法行為であるのみならず、その海域を通航する国際社会に対する迷惑行為であるといえます。
そのため、日本から遠く離れた海域での機雷の掃海は、自衛権の行使ではなく、国連を中心とした集団安全保障(加害行為を行う国に対して、他の国連加盟国が制裁を加え、被害を受けた国の主権を回復し、原状に復帰させる仕組み)として取り組む方がふさわしいのではないでしょうか。
そこで、以下の点を質問しました。
①機雷掃海を、国連を中心とした集団安全保障措置として捉えるべきではないか。
②機雷掃海を、海外派兵の例外として行うのであれば、集団的自衛権行使の一般要件(新三要件)に加えて、別の要件が必要になるのではないか。
安倍総理からは、以下のご答弁をいただきました。
①について
「ホルムズ海峡における機雷の敷設が(集団的自衛権を行使する要件となる)存立危機事態に該当する場合、我が国の行う機雷の掃海は、我が国の自衛の措置であり、国際法上の根拠が、集団的自衛権であっても集団安全保障であっても変わらないと考えている。」
②について
「我が国が高い機雷処理能力と実績を有している以上、存立危機事態に当たるような場合、我が国が各国と協力して機雷掃海に当たることは当然と考える。存立危機事態に該当する場合、国際法上の根拠が、集団的自衛権であれ、集団安全保障であれ、新三要件のもと機雷の掃海を行うことが必要であると考える。」
安倍総理としては、集団的自衛権も集団安全保障措置も区別することなく、機雷掃海を認める立場のようです。しかし、憲法上禁じられている海外派兵の例外として捉えるのであれば、より慎重な要件を求めるべきではないでしょうか。
今後も集団安全保障措置としての捉え方を検討して参ります。
2015年07月13日 (月)
2015年07月06日 (月)
2015年07月06日 (月)
2015年06月29日 (月)
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2015年06月25日 (木)
2015年06月25日 (木)