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活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

質問主意書《税収見通し》

2015年02月26日 (木)

 

議長提出:2015年02月26日
内閣転送:2015年03月02日
回答   :2015年03月06日

政府の税収見通しに関する質問主意書

政府は、平成二十七年二月に財務省が公表した「平成二十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」において、将来の税収の推計に当たり、税収弾性値(税収の伸び率を名目経済成長率で除したものをいう。以下同じ。)を用いている。

他方で、政府は、平成二十七年二月十二日、内閣府が経済財政諮問会議へ提出した「中長期の経済財政に関する試算」において、将来の税収の推計に当たり、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデル(以下「経済財政モデル」という。)を基礎としており、税収弾性値を用いていない。

すなわち、政府は、少なくとも二通りの手法によって将来の税収を推計していることになる。

税収の見通しは、財政健全化の基礎となるものであり、その見通し如何によって財政健全化目標に大いに影響を与えることになる。

そこで、以下質問する。

一 「当面の財政健全化に向けた取組等について―中期財政計画―」(平成二十五年八月八日閣議了解)を策定するに当たり、税収見通しにおいて、税収弾性値と経済財政モデルのいずれを用いたか。仮に、税収弾性値又は経済財政モデル以外の推計方法を用いた場合、それはいかなるものか。推計方法を用いた理由とともに、明らかにされたい。

二 政府が、税収の推計に当たり、税収弾性値及び経済財政モデルという二通りの手法を使い分けている理由を明らかにされたい。また、前記一において税収弾性値又は経済財政モデル以外の推計方法を用いている場合、当該推計方法も含め、三通りの手法を使い分けている理由を明らかにされたい。

三 今後、予算編成や財政健全化目標の策定に当たり将来の税収を推計する際には、税収弾性値、経済財政モデル及び前記一で税収弾性値又は経済財政モデル以外の推計方法を用いた場合は当該推計方法のいずれを用いることが最も適切と考えるか、政府の見解を明らかにされたい。また、その理由も明らかにされたい。

右質問する。

参議院議員中西健治君提出政府の税収見通しに関する質問に対する答弁書

一について

「当面の財政健全化に向けた取組等について―中期財政計画―」(平成二十五年八月八日閣議了解)は国・地方の財政健全化目標の達成に向けた取組内容を具体化したものであり、その策定に当たっては、各年度の税収を含めて、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデルを用いた試算を参考にしている。

二について

政府における各種の試算については、その目的と性格に応じて、適切な手法が採用されるべきものと考えている。

平成二十七年二月十八日に財務省が公表した「平成二十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」においては、一定の経済指標を前提とした上で、平成二十七年度予算における制度・施策を前提として、国の一般会計における歳出・歳入の積み上げ等による機械的な試算により、国の中期的な将来の財政の姿

を示すという性格から、各年度の税収の推計に当たっても、その試算を機械的に行うため、税収弾性値(税収の伸び率を名目経済成長率で除したものをいう。)を用いている。

他方、同月十二日に内閣府が経済財政諮問会議に提出した「中長期の経済財政に関する試算」は、政府のマクロ経済目標及び国・地方の財政健全化目標の進捗状況等を点検し、中長期的な経済と財政の姿を展望するため、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデルに基づき試算している。三について

二についてで述べたとおり、政府における各種の試算については、その目的と性格に応じて、適切な手法が採用されるべきものと考えている。

御指摘の「財政健全化目標」については、経済再生と財政健全化の両立を実現すべく、国と地方を合わせた基礎的財政収支を二千二十年度(平成三十二年度)までに黒字化するという目標の達成に向けた具体的な計画を平成二十七年の夏までに策定することとしており、税収の推計を含め、その策定に当たって必

要な事項については、今後、検討を進めていくこととしている。

また、毎年度の予算編成における税収見積りについては、その時点までの課税実績や政府経済見通しの諸指標等を基礎として個別税目ごとに積み上げて行っている。

 

 

 

≪質問に当たって≫

政府の税収見通しについて質問主意書を提出しました。

これまでの質問主意書を通じて、政府は、将来の税収見通しについて、「平成27年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」では税収弾性値を用い、「中長期の経済財政に関する試算」では経済財政モデルという別の手法を用いていることを確認しております。

【参照】質問主意書《2020年度の財政健全化目標》

http://nakanishikenji.jp/diet/shuisho/14674

すなわち、政府は、税収の見通しに当たって、2通りの手法を用いていることになります。

そこで、以下の点を尋ねました。

①2020年度プライマリーバランス黒字化を定めた「中期財政計画」(平成25年8月8日閣議了解)の税収見通しは、どの手法を用いているか。

②税収の推計に当たり、税収弾性値と経済財政モデルという2通りの推計方法を使い分ける理由は何か。

③今後の税収見通しについて、税収弾性値と経済財政モデルのいずれを用いるつもりか。

税収の見通しは、財政健全化の基礎となるものです。

この見通しがなければ、財政健全化を計画すること自体不可能と言えます。

政府に、明確な財政健全化目標があるのか、税収見通しという観点から質してまいります。

 

≪回答を受けて≫

政府の答弁は以下の通りとなります。

①2020年度プライマリーバランス黒字化を定めた「中期財政計画」(平成25年8月8日閣議了解)の税収見通しは、どの手法を用いているか。

→経済財政モデルを用いた試算を参考にしている。

②税収の推計に当たり、税収弾性値と経済財政モデルという2通りの推計方法を使い分ける理由は何か。

→「平成27年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」においては、国の一般会計における歳出・歳入の積み上げ等による機械的な計算により、国の中期的な将来の財政の姿を示すという性格から、機械的に税収を推計するために、税収弾性値を用いている。

「中長期の経済財政に関する試算」においては、中長期的な経済と財政の姿を展望するために経済財政モデルを用いている。

③今後の税収見通しについて、税収弾性値と経済財政モデルのいずれを用いるつもりか。

→政府における各種の試算については、その目的と性格に応じて、適切な手法が採用されるべきものと考えている。「財政健全化目標」の策定に当たり、税収の推計を含めて必要な事項については、今後検討を進めていくこととしている。

本日の答弁により、2020年度プライマリーバランス黒字化を定めた「中期財政計画」が、経済財政モデルに由来することを確認致しました。

他方で、同じ経済財政モデルを用いた「中長期の経済財政に関する試算」において、2020年度のプライマリーバランスは、経済成長がうまくいった(経済再生ケース)としても、9.4兆円の赤字となることが示されています。

政府は、答弁③において、「財政健全化目標」の策定にあたり、税収の推計を含めて必要な事項は今後検討していく、と答弁しております。

しかし、「中期財政計画」において経済財政モデルを用いている以上、「財政健全化目標」において異なる手法を用いることがあれば、政府はその事実と理由を明示すべきと考えます。

税収の推計という重要な事項については、実質がどのようなものなのか、引き続き注視してまいります。

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