中西けんじ公式ホームページ/自由民主党衆議院神奈川三区(鶴見区、神奈川区)

活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

質問主意書《2020年度の財政健全化目標》

2015年02月05日 (木)

議長提出:2015年02月05日
内閣転送:2015年02月09日
回答   :2015年02月13日

二〇二〇年度の財政健全化目標に関する質問主意書

麻生財務大臣は、本年一月二十七日の衆議院本会議において、後藤茂之衆議院議員に対して、「二〇二〇年度の財政健全化目標につきましても、しっかりとこれを堅持し、本年夏までにその達成に向けた具体的な財政健全化計画を策定することといたしております。」と答弁している(以下「本会議答弁」という。)。

この財政健全化の見通しに当たっては、将来における税収の見通しが不可欠である。

そして、政府は、将来の税収見通しについて、昨年一月に財務省が公表した「平成二十六年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」において、税収弾性値(税収の伸び率を名目経済成長率で除したものをいう。以下同じ。)を採用し、その数値として一・一を用いている。

この点について、本年一月二十六日に提出した「税収弾性値に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第六号)において「税収弾性値を見直すつもりはないか。」、「二〇二〇年度にプライマリーバランスが黒字化する見通しにおいても、税収弾性値は一・一を堅持する方針か。」と質したが、これに対する政府答弁書は「仮に「後年度歳出・歳入への影響試算」において平成三十二年度も含めた中期的な将来の財政の姿を示す際には、今後とも、税収弾性値として一・一を用いることが適当である。」と述べるにとどまる。

しかし、この政府答弁書は、あくまで財務省の「後年度歳出・歳入への影響試算」における二〇二〇年度までの試算に限定するものであり、麻生財務大臣が本会議答弁で述べた「二〇二〇年度の財政健全化目標」における税収見通しについてまで言及するものではない。

そこで、以下質問する。

一 昨年七月二十五日に経済財政諮問会議に提出された「中長期の経済財政に関する試算」において、各年度の税収を試算する際に、税収弾性値を用いているか。

二 前記一において税収弾性値を用いている場合、その値として一・一を用いているか。

三 前記一において税収弾性値を用いていない場合、どのように税収を試算しているか、具体的な算出過程を明らかにされたい。

四 麻生財務大臣が本会議答弁で述べた「財政健全化計画」においても、税収見通しとして税収弾性値を用いるつもりか、政府の見解を明らかにされたい。

五 前記四において税収弾性値を用いるとした場合、その値として一・一を用いるつもりか。

右質問する。

参議院議員中西健治君提出二〇二〇年度の財政健全化目標に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

「中長期の経済財政に関する試算」(平成二十六年七月二十五日経済財政諮問会議提出)における各年度の税収の試算においては、税収弾性値(税収の伸び率を名目経済成長率で除したものをいう。)は用いず、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデルに基づき試算している。

四及び五について

経済再生と財政健全化の両立を実現すべく、国と地方を合わせた基礎的財政収支を二千二十年度(平成三十二年度)までに黒字化するという目標の達成に向けた具体的な計画を平成二十七年の夏までに策定することとしており、その内容については、今後、検討を進めていくこととしている。

 

≪提出に当たって≫

2020年度財政健全化目標にむけた「税収弾性値」についてお尋ねさせて頂きました。

税収弾性値とは、経済成長に応じて税収がどの程度増加するかを表す指標のことです。具体的には税収の伸びを名目GDP成長率で除して算出されます。

たとえば、名目GDP成長率が1%の場合、税収の伸びも1%ならば税収弾性値は「1」、税収の伸びが3%ならば税収弾性値は「3」となります。

そのため、税収弾性値が高ければ高いほど多くの税収が見込まれ、財政再建の見通しは明るくなります。

政府は2020年度プライマリーバランスの黒字化を目指し、その一環として、2017年4月に消費税の増税を予定しております。

しかし、「増税の必要性」が強調されるばかりで、「税収がいくらになるのか」「税金がどれだけ不足するのか」といった説明は十分になされておりません。

そこで、2020年度プライマリーバランス黒字化を目指すに当たり、税収弾性値をいくつと捉えるのか、という点について、質問させて頂きました。

なお、同様の質問は、平成27年1月26日提出の質問主意書≪税収弾性値≫でも尋ねましたが、政府はきちんと答弁されませんでした。

http://nakanishikenji.jp/diet/shuisho/14600

このような答弁漏れに惑わされることなく、国民の手に税金を取り戻す決意で取り組んで参ります。

≪回答を受けて≫

政府に対して、①「中長期の経済財政に関する試算」および②2020年度プライマリーバランスの黒字化にむけた基本計画の策定に向けて、

(1)税収弾性値を採用するのか、

(2)仮に税収弾性値を採用するとした場合、その値として「1.1」を採用するのか

と質しました。

政府からは、

①「中長期の経済財政に関する試算」については、税収の試算にあたり、税収弾性値を用いず、経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデルに基づき試算している

②2020年度プライマリーバランスの黒字化にむけた基本計画の策定については、平成27年の夏までに策定することとしており、その内容については、今後検討を進めていく、

との答弁を頂きました。

今回の答弁を通じて、政府の税収見通しとしては、少なくとも、①税収弾性値(財務省が採用)と②経済・財政・社会保障を一体的にモデル化した内閣府の計量モデル(内閣府が採用)の2通りの見積もり方法が存在することが明らかとなりました。

税収見通しという基本認識すら統一できない状況で、財政再建など望むべくもありません。

財政再建に向けた取り組みについて引き続き監視してまいります。

このページのトップへ