中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
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2022年03月13日 (日)
2022年02月13日 (日)
○中西委員 おはようございます。自由民主党の中西健治です。これまで参議院の財金では何度も質問に立ってまいりましたけれども、衆議院では初めての質問ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、十五分という限られた時間ではありますが、コロナ禍の経済と財政の対応、税への影響などについて議論させていただきたいと思います。
まずは、コロナ禍のこの二年間の日本経済の状況についての認識をお伺いしたいと思います。経済対策ですとか税制改正を考えるに当たっては、何といっても経済の状況について正しい認識を持つということが出発点となります。
大臣、所信で簡潔に触れられておりましたけれども、そこのところ、日本経済のこの二年間、コロナ禍での二年間の状況についての認識をお伺いしたいと思います。
○鈴木財務大臣 おはようございます。日本経済でありますけれども、足下ではオミクロン株が拡大をしているという中で、国民生活、それから経済への影響は依然として続いていると思います。
そして、その中で、この二年間の経済状況につきましても、例えば企業業績は、好調な輸出やデジタル化等を背景に、製造業を中心に全体として企業業績は改善をしている一方におきまして、対面型サービス業等の一部の業種は厳しい状況にある。コロナの影響というものは業種によって異なる影響を及ぼしている、そのように認識をしております。
○中西委員 大臣がおっしゃられたように、業種によって大きなばらつきがある、このことは、最近よく耳にしますK字型回復という言葉によく表されていると思います。
アルファベットのK、すなわち、下の方に行く辺、下の方に行く線の上にある業種は、大変大きな影響を受けている、苦しんでいる。そうした対面型サービスですとか運輸ですとか、あと、そこに働く人々及びフリーランスの方々は、大変苦しい。
これは、Kの下の方は大変苦しいという一方で、巣ごもり需要を取り込んで、ITですとかゲームですとか電気ですとか、業績が非常に上がって、収益が上がっている、そうした業種、そこに働く人々、そういう方々がいる。こういうKということをしっかり認識しなければいけないんだろうというふうに思います。
以前であれば、V字型とかL字型とかU字型とか、こういうことが言われていましたけれども、それは、よきにつけあしきにつけ、みんなが一緒の船に乗っているということですけれども、K字は、大きく影響が異なっているんだということを示しているだろうというふうに思います。
これが如実に表れているのが税収というところなんじゃないかと思います。皆さんも、このニュース、昨年の夏に接して驚いたんじゃないかと思います。私も大変驚きました。
それは何かというと、昨年度、令和二年度はマイナス成長でした。マイナスの三・九%という成長であったにもかかわらず、国の税収が最高だったということです。マイナス成長で、国の税収が最高、これは本当に、ちょっと肌感覚に合わないというところじゃないかと思います。
それは何なんだということなんですが、一昨年の十二月に、政府は、令和二年度第三次補正予算を作りました。そのときに、景気が悪いので、税収の見込みというのも下げました。これは当然そうだと思うんですが、前年の令和元年の税収が五十八・四兆円だったのに対して、二年の十二月の時点で、五十五・一兆円の減額補正というのを、税収、行っております。
ところが、蓋を開けてみたら、丸めて言うと、五十八が五十五に下がるのではなくて、六十・八兆円、六十一兆円に増えたということなんですね。三兆円減るんじゃなくて三兆円増えた。
これはどうしてなのかということなんですが、これを子細に見てみますと、減額補正をしたときの予想と実際の税収で一番異なった、金額が上振れたのは、税の項目では法人税ということであります。八兆円まで下げました。その前の年は十兆円強だったんですが、八兆円まで十二月の時点で下げて、そして、蓋を開けてみたら十一・二兆円。三・二兆円も多かったということです。割合にして四割ということであります。
これが何なんだということなんですが、これは主税局長からお答えいただきたいと思います。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。令和二年度補正後予算におきましては、法人税収を八兆円と見込んでいたわけでございますが、決算におきまして、十一・二兆円と、御指摘のとおり、三・二兆円の上振れとなったわけでございます。
この要因といたしましては、令和二年度につきましては、補正後の税収を見込んだ時点におきましては、新型コロナの影響で企業業績が悪化すると見込まれていたことから、それを踏まえた見積りを行ったものではございますが、実際には、一部の業種は大変厳しい状況にあるという一方で、輸出が好調であった製造業、あるいは、デジタル化の動きや巣ごもり需要などを背景といたしまして、情報通信業なども含めまして、全体として企業業績が下支えされたことなどが要因としては考えられるところでございます。
○中西委員 まさにK字形ということなんじゃないかと思います。法人税の場合には、赤字企業の赤字が増えても、元々法人税を払っていませんから、K字形の下の方の赤字が増えたとしても、若しくはとんとんだったところが赤字になったとしても、税収には影響を与えない。
一方で、もうかった企業が増えるとか、これまで黒字だった企業の黒字幅が増えるだとか、それが税収をそのまま底上げしていくということになります。ですので、このK字形がゆえに法人税が増えたということなんじゃないかと思いますけれども、局長、いかがでしょうか。
○住澤政府参考人 おおよそ、委員御指摘のとおりかと存じます。
○中西委員 K字形ということはしっかり前提とした上で、経済対策などを考えていきたいと思うんですが、もう一つ、税収の見込みが二番目に外れていたというか、差が大きかったのが、何と消費税なんです。
消費税収が、元々、十九・三兆円と補正予算では組みました。ところが、蓋を開けてみたら、二十一兆円。一・七兆円も消費税収が予想より上がっていたということなんです。これはどうしてなのか。これもお願いいたします。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。消費税につきましては、令和二年度の補正後予算におきまして、御指摘のとおり、十九・三兆円と見込んでいたところ、決算におきまして、二十一兆円、一・七兆円の上振れとなってございます。
この要因につきまして、詳細な分析はなかなか困難な面もございますけれども、主な要因の一部といたしましては、令和二年度について、新型コロナの影響による納期限の延長といったような対応もいたしておりますので、こういった要因によって令和元年度の申告分の一部が令和二年度にずれ込んで収納されたことなども考えられるのかなというふうには存じております。
○中西委員 今、局長は、納付期限の猶予、延長があったのでこれも一因ではないか、要因の一つではないかというふうにお答えになっていらっしゃいましたけれども、ほかにもきっと要因があるんではないかというふうに思います。
一・七兆円も予想より多かったということですから、納付期限の延長ということもそれなりには織り込んでいたはずですので、どうしてなのかということを考えていくと、私なりに三つ仮説を持っております。
それは、経済のソフト化という中で、消費のソフト化というのもありまして、消費の実態をGDPの統計がきっちり捉えられていないのではないかというのが一つ目の仮設であります。
そして、二つ目の仮説として、対面サービスは落ち込んでいました。一方で、物は売れていました。サービスから物へ消費がシフトしている中で、物への消費税の捕捉というのはできている、それに対してサービスに対しては元々曖昧なところがあるということから、物の消費に、サービスから物に消費がシフトしたことによって消費税収が上がったのではないか、これが二つ目の仮設であります。
あと、三つ目の仮説なんですが、これもKに関わることだと思いますけれども、皆さん、新聞なんかでよく読む、見ると思うんですが、高額商品が大変売行きがいい。一本百万円以上もする時計ですとか、あとは宝飾品ですとか、こうしたものが大変売れているということをよく耳にするかと思います。
そんな中で、免税点制度を利用している中小の小売サービスのところから、消費が、免税点制度を利用していないところにシフトしている、百万円以上の物を買うわけですから。ということになっているということじゃないかというのが三つ目の仮説です。そうすると、益税の部分、消費税を払わなくていい、免税事業者の方々の益税と呼ばれる部分が図らずも出てきてしまっているのではないかということがあり得るのではないかというふうに思っております。
こうした三つ目の仮説が正しいとすると、今後、インボイス制度、猶予期間も経て、益税というのがなくなってくるとすると、これが消費税収に与える影響がここで見て取れるのではないかというふうにも思いますが、こうした私の三つの仮設を持っていますけれども、局長、いかがでしょうか。
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。委員御指摘の点、全てについて、私どもとして、税収に与えた影響について分析するだけの、根拠となるデータを持ち合わせておりませんので、全てにお答えするのはなかなか難しいというのは御理解いただければと思いますが、
例えばで申しますと、高額な消費が伸びているという御指摘、この点については、確かに、例えば、海外旅行に行っておられた方々が、海外旅行には行けないということで、国内で高額商品を購入されるといった動きがあったこともこれまた事実でございまして、そういったものが税収に与えた影響、これは考えられなくはないというふうに思っております。
御指摘の点、いずれも御示唆に富んだ御指摘と思いますので、今後、税収に与える影響を考える上で大変参考になる御指摘かというふうに存じております。
○中西委員 昨年度だけではなくて、今年度、来年度、税収、分析していただいて、そして、この経済、構造変化が起こっているのであればそれに対応していかなきゃいけないというふうに思いますし、それをしていただきたいと思います。
法人税にしても、消費税にしても、コロナ禍におけるK字形経済ということを色濃く映し出しているのではないかというふうに私は考えています。
そんな中で、経済対策ですとか税制改正を策定するに当たっては、やはり二極分化、K字形二極分化が起きているということを認識した上で中身を決めていくべきだと思いますが、こうした経済状況の変化を踏まえた上で、望ましい経済対策、税制について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○鈴木財務大臣 中西委員御指摘のとおりに、コロナからの回復の中で、企業業績の回復にばらつきが出ているわけでございまして、そのために、この状況をしっかりと踏まえて適切な政策対応をしていくこと、これが重要であると思っております。
昨年十一月でありますが、岸田総理からも、業績がコロナ前の水準に回復した企業については三%を超える賃上げを期待する、民間企業の賃上げを支援するための環境の整備に全力で取り組むとの発言がありました。
こうした考え方なども踏まえまして、今般の税制改正におきましては、多様なステークホルダーに配慮した経営と積極的な賃上げを促す観点から、賃上げ税制を抜本的に拡充をすることとしたほか、公的価格の引上げ、中小企業が適正な価格転嫁を行うための環境整備など、様々な施策を取り、総動員していくこととしております。
また、支援が必要な方に対しましては、様々な課題に応じたきめ細かな施策を講じていくことが重要でありまして、昨年決定した経済対策において、住民税非課税世帯に対する一世帯当たり十万円の現金給付や、厳しい状況にあります学生の学びを継続するための緊急給付金の給付など、それぞれの状況に応じた支援を行っております。
財務省として、企業や国民が置かれている状況を適切に踏まえまして、成長と分配の好循環に向け、予算、税制を通じた取組を進めてまいりたいと考えております。
○中西委員 ありがとうございます。K字形の下の線で苦しんでいらっしゃる方々には支援の手を差し伸べるのが政治の役割である一方、K字形の上の線にまで恩恵が被るような政策は税金の無駄遣いになってしまうということ、
また、もうかっている企業には、予想より多く国庫に税金を払っていただくのはありがたいですけれども、できれば従業員にちゃんと還元する、そうした仕組みづくりを行うことが大切だというふうに考えております。
今日の質疑、どうもありがとうございました。
2022年02月05日 (土)
2022年02月04日 (金)
2022年01月01日 (土)
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いつだって挑戦者
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
一日の計は朝(あした)にあり。ご存知の方はあまり多くないかもしれませんが、その日やることは朝一番に決めておきなさいという中国の故事成語です。
実はこれに続くのが「一年の計は元旦にあり」です。こちらは有名ですね。何事も最初が肝心。まさに今日です。きちんとした計画を立てたいものです。そしてやると決めたならば、次に心に置いておくべき言葉は「継続は力なり」。皆さんご存知の通りです。
ところがこれが難物で、いつの間にかやめてしまっていた。そもそも自分が何かを続けていたことすら忘れていたという経験は、どなたもお持ちだと思います。
私も三日坊主とまでひどくはありませんが、三十日坊主ぐらいには何度もなっています。
JPモルガンという大きな組織でビジネスマンとして20年強。さらに政治家となって11年にわたり様々なことに取り組んで来ましたが、何かをやり続けることはなかなか難しいものです。まだまだ修行が足りません。
ただ、30年以上にわたって色々な経験をする中で、ひとつ学んだことがあります。それは「続けること自体が目的になってしまってはいけない」ということです。
もちろん、すぐに投げ出してしまうようでは話になりません。しかし、何も考えずに続けてやっているだけで、良い結果が出たなどという美味しい経験を私はしたことがありません。「結果がすべてではない」という考え方もありますが、いくらやってもうまく行かない時に「下手の横好きですよ」と笑い飛ばして良いのは趣味の世界の話だと思います。
バスケットボールの殿堂入りしたマイケル・ジョーダンは、
「毎日8時間シュートの練習をしたとしよう。ただ、この時に間違ったテクニックの練習を続けていたならば、間違ったテクニックでシュートをする名人になるだけだ」
と言っています。我々の世界に置き換えると、継続が力になるのではなく悪しき前例となってしまい、むしろ結果が出せなくなってしまうということです。
我々を取り巻く環境は時々刻々と変化していますから、それに対してどう対応したらよいかを常に考えておかねばなりません。したがって継続するべきなのは「考えること」「工夫すること」であり、変化に対応して「変わること」「挑戦すること」だと思います。
変わりもせず挑戦もせずに前例を踏襲する方が、失敗する可能性は少ないかもしれません。しかし、マイケル・ジョーダンは、こうも言っています。
「失敗をすることには耐えられるが、挑戦しないでいることには耐えられない」
私の座右の銘は「いつだって挑戦者」です。