国会活動

SNS用横ワイド-500x281
先日の財政金融委員会で「諸外国が国民に対して極めて厳しい統制を敷いたのに対して、我が国が自由という価値を最大限守ってコロナに対応したことへの評価は非常に高い。さらに国家安全法によって香港の息の根が止まる。東京で、日本で働きたいという声が高まっておりチャンスではないか」と問題提起をしました。
さらに昨日の予算委員での片山さつき先生の質問に対して、安倍総理から「積極的に推進する」とのご答弁がありました。議連を立ち上げるなど積極的に取り組んでいきます。

「香港人材受け入れ推進」(安倍総理:日経朝刊)

SNS用横ワイド

「新型コロナ対応」「金融商品販売法改正」「LIBOR(ライボ)廃止」について質疑を行ないました。

+++++++++++

○中西健治君 
おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 本日は金融商品販売法の質疑ということでありますけれども、その前に、初めに、コロナの対応、特に世界の中の日本という観点で麻生大臣に幾つか質問をさせていただきたいと考えております。
 新型コロナに対しては、中国はもとより、フランスのマクロン大統領が戦争状態にあるので国民の自由を制限すると述べたように、世界のほとんどの国が国民の行動を極めて厳しく統制することで対応しており、街から人が消えました。現在はその統制を緩める方向にかじを切ろうとしているわけでありますが、段階的解除を発表する記者会見ではいつでも急ブレーキを掛けるということが強調されていたように、果たして望みどおり緩めるという方向が続けられるのか、それともまた厳しい統制状態に逆戻りするのか、先行きが見通せない状況が続いております。
 ただ、このコロナとの闘いの中からむしろはっきりと見えてきたものがございます。それは、日本が世界の先進国の中でも数少ない自由を最大限に尊重する国であり、もはやアジアに残された希有な自由の国であると、こういう評価であります。
 我が国の新型コロナ対応が世界的に見てもまれな統制色が極めて薄いというものであることは皆さん御承知のとおりであります。その中で、内外のメディアや専門家は、緩過ぎる、甘い、それとか、お願いだけして命令はしないのかと、こういうことをよく言われました。やゆもされたし脅しもされました。いや、どうせニューヨークのようになってしまうのはもう時間の問題だと、このようなことを言われておりました。そして、少しずつ終息を迎えてきて、大分手のひら返し的に、ジャパン・ミラクルだとか、まあちょっと皮肉を込めてジャパン・ミステリーとか、こんなようなことも言われてきているわけでありますけれども。
 しかしながら、やはり我が国が自由という価値、これを守り続けてきた、この危機に当たっても守り続けているということは大変高い評価が受けられるべきものではないかと思います。麻生大臣の見解をお伺いします。

○国務大臣(麻生太郎君) 
これだけ法案に関係ない質問も珍しいと思いますけれども、自民党に来られてそれだけ自由になられたということなんだということで、おめでとうございました。
 この話は、中西先生、どうでしょうね、自由と言うけど、憲法上できなかったから結果としてなっただけであって、そういった見識を持ってこれに臨んだのかね。なかなかそういった制約が、憲法上の制約があったから結果としてこれが最大限だったというように理解して、それでも効果があったというところがみそですかねと、私はそう思いますね。
 どうして日本だけこうなったのかと。それは、いろいろこれは、厚生省とか医者とかいうのがいろいろ後でもう一回検証してもらわなきゃいかぬのだと思いますけれども。
 少なくとも、アメリカはあれ、出ると一回千ドルでしたかね、罰金が。今言ったフランスの場合は、再犯の場合は四十五万円の罰金というようなことをやっているんですけれども、日本じゃそういうこともなく、お願いだけでこれだけ来た。いわゆる、こういうのは死亡率が一番問題なんですけれども、これで調べてみたんですけど、人口比でいって、百万人当たり日本は七人ということになるんですね、死亡者ですよ。こういうのは、結果は死亡者ですから、戦争も何も皆、最終的に死亡者が何人でその戦争が勝ったか負けたかと言われるような話になりますので。
 フランスの場合でしたら、これは間違いなく、二百二十八人、アメリカが八百二十四人、イギリスで三百九人、日本は七人、何かおまえらだけ薬持ってるのかってよく、電話掛かってきたときよく言われたもんでしたけれども。私どもとしては、これは、そういった人たちの質問には、おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだといっていつも言って、言ってやると皆絶句して黙るんですけれども。それすると後の質問が来なくなるので、それが一番簡単な答えだと思って、クオリティーが違うという話、よくしていましたけれども。このところ、その種の電話もなくなりましたから、何となくこれ定着しつつあるんだと思いますけれども。
 やっぱり、こういった島国ですから、何となく連帯的なものも強かったし、いろんな意味で国民が政府の要請に対して極めて協調してもらったということなんだと思いますけれども。いろんな意味で、暴動が起きたわけでもなし、いろんな意味で国民性、いろんな表現があるんだと思いますけれども、結果論としてはこれ良かったんだと思って、あとはまたDNAがどうしたとか、みんな分かったようなこと、いろんなテレビで言っている人いますけど、ああいった人はついこの間まで、このままいったら四十五万人死ぬと言っていた人たちが、ようどの面下げてあんなこと言えんのかねと思うぐらい言ってますわね。不思議だなと思って、いつも、それだけ表現は自由なんでしょうな。それは間違いなく自由だと思って聞いていますけれども。
 いずれにしても、何となく、先進国の中で最も死亡率が低くて、絶対数も圧倒的に少ないですから、その意味では、国民の御協力があったというのが一番、それに尽きるんだと思いますけれども。いずれにしても、こういったような、かなり海外から見れば緩いお願いレベルの話であってもこれだけ効果が上がったということは、これはもう我々としては非常に誇りに思わないかぬ大事なところだと思ってはおります。

○中西健治君 
民度が高いということ、なかなか私も外国人と話して、それは言いづらいというところもございますけれども。実際に、この一週間、二週間、海外に住んでいる、海外で働いている、アジアで働いている人たちと話しますと、日本で働きたいとか、日本人であれば日本に帰りたいとか、こういう声がすごく強いんです。それは大臣がおっしゃられた死亡率が低いということは、これアジアですから余り水準としてはそんなに変わりがないんだろうというふうに思うんですが、それは何かというと、何か息苦しさみたいなもののようなんです。
 というのは、例えばシンガポールで言いますと、シンガポールって元から統制色が非常に強い国であります。チューイングガムを持っているだけで罰金八十万円ですし、公共の建築物、これを汚したりするとむち打ち刑ということが決められているということであります。
 そして、今回のコロナの対応ですごくショッキングだったことがあるというんです。それは、普通のオフィス、シンガポールの普通の事業所、オフィスに警官が入ってきて、ソーシャルディスタンスを保っているかどうか、これをチェックしていくんです。制服の警官が入ってきて、一メートル、二メートル取っているかということをチェックしていく、チェックしている。そして、いや、こういうのあり得ない、すごいショッキングなことだと言うんですね。もう本当にこの息苦しさ、これはやはりシンガポールでは駄目だという声が非常に強く出ています。
 そして、香港は御存じのとおりであります。香港って以前は自由闊達、少しわい雑な雰囲気もあって非常に自由なところだったわけですけど、この数年間どんどん変わってきて、そして今回、国家安全法が制定されるということになりましたから、外国の企業がアジアの拠点を香港に置く理由はもう失われたということなんじゃないかと思うんです。
 その中で見直されているのが日本であり、東京だということなんです。これ、日本が非常に大きなチャンスなんだよと言われるんですよ、私。おまえら分かっていないだろうと言われるんです。日本の政府も分かっていないんじゃないか、こういうふうにも言われるんです。
 これ、チャンスだと思うんですけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 
分かっていない人がほとんどですよ。それは余り期待しない方がいい。金融が分かっているという人でも、国際金融が分かっている人というのはほとんどおられませんから。だから、円高になったといったら、百円が百十円になったら円高になったと思う人が多いんですから、それが普通ですよ。だから、その程度のところにいきなり国際金融センターというのは、これは決して悪い方向だとは思いません。
 考えてみれば、十八世紀、十九世紀、いわゆる重商主義時代に金稼いだイギリスは、その金使ってシティつくったわけでしょう。第二次世界大戦後、世界のGDPの四〇%を一手に持ったアメリカは、いわゆるウォールストリートをつくって、じゃんじゃんやり始めた。みんな物づくりから金融に移転していったわけですよね。日本もやりますか。一億二千七百万、金融で飯は食えますかね、この国。大阪、商品のいわゆる取引所というのは、あれは八代将軍吉宗公の頃に既に公認になっていますから、あそこは、淀屋橋にあるんですけれども、シカゴ・マーカンタイルより四、五十年歴史が古いぐらい、世界最初の先物商売やっているところですから、僕は先天的にそういう能力は日本のあきんどという士農工商の一番下と言われた人たちのレベルはそれぐらい高かったんだと、僕はそう思っていますけれども。さあ、それで、一億二千七百万人食わせるほど金融業だけで稼ぎ出せますかね、この国は。という感じがしないでもありませんので、僕は、ちょっとアメリカとかイギリスみたいなことになっていくのはいかがなものかなと、私自身はそう思っていますけれども。
 いずれにしても、東京にそういったものが出てくるということをやめたがいいと、止めた方がいいと、そういうのをすべきじゃないというのには反対、僕は。むしろ、そういうのはできるものならやった方がいい、結果論として。僕はそういうものになっていくというのは決して悪い方向だとは思いませんし。
 円というものも今日百七円、百八円ぐらいで止まっていますけれども、少なくとも今、日本の場合は、国際金融の世界の中で最もリライアブル、信頼される通貨の一つにのし上がったことは間違いありませんので、そういった意味では、国際金融としてマーケットを東京にという方向、流れというのは出てきてもおかしくはないと思いますし、それは阻止すべきものだとか言う気も全くありませんし。
 円の国際通貨になることにびくびくするというようなことを言っても、流れとしてはそういうことになっていくんであれば、それは決して国として国益に沿うという話でもあろうと思いますんで、それなりに責任が大きくなりますから、仕事は増えますし、いろいろやらなくちゃいかぬこともありますでしょうが、規制やら何やら含めていろんなものをきちんとやっていかにゃいかぬというような話で、今既に随分その種の関係するものに関しては、金融庁の出版物等々の出版物も日本語プラス英語のものが今ずっと出始めてきているというんで、あれは随分楽になったという人もいますから、流れとしてそういう方向に少しずつではありますけれども、行っているような感じがしないでもありませんけれども。
 私どもとしてそういう意識がもっと金融界の中に出てくるであろうかといえば、なかなかそういった意識が今の金融の若い方の中に出てきている、フィンテックというようなところでも随分出てきているような感じがしますけれども、今の頭取とか重役とか見ていて、とてもじゃないけど国際金融なんて顔じゃないですな。もう全然ピントが違ったような話しかされませんから、もうちょっと国際的なことをといってもうちには関係ないという感じの方が多いですから。なかなかそういった意識的なものが変わってくるまでに、中西先生、もう少々時間が掛かるかなとは思ってはいますけど、流れとしてはその方向に行きつつあるんだと思っています。

○中西健治君 
一億二千七百万人、金融で食べていけるとは到底思いませんが、ただ、やはり流れは強める絶好のチャンスが、この数年間、到来するんじゃないかなと、こういうふうに思っているので、やはりそこは、流れを、もちろん止めないどころか、やはり強めていく動きをするべきなんじゃないかと思うんです。
 働き方も変わっていきます。そうすると、都心のオフィス市場というのも少し減るというようなこともあって移りやすくなるということも当然あると思うので、日本の金融機関の評価は余り高くないようでございますけど、海外のファンドとか、やはり海外の金融機関とか、これも呼んでくるということは、これは十二分にやりやすい環境が来るのではないかというふうに思っています。そこはどうか御認識をいただきたいと、こういうふうに思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 
昔はGDPということをよく使って、国民総生産とか、また貿易収支なんということをよく新聞に書いてありましたけれども、今は石油が下がったおかげで貿易収支が黒字になりましたけど、ついこの間まで赤ですから。じゃ、日本が何で稼いでいたんだっていえば、それはGNIで、グロス・ナショナル・インカムで稼いだわけですから、海外で投資した分、まあ円高不況とか訳の分からぬことを言っていた人もいましたけれども、国の通貨が高くなって、簡単に言えば、二百四十円が百二十円ということで、対外的には日本の資産は倍になった、金融資産が倍になったということになりますので、それであっちこっちの工場を買って、MアンドAやって、あらゆることやって、結果として、海外で稼いだ金を日本に送金してくるという意味で貿易収支に代わって金融収支がえらく増えて、結果として日本は今のこのGDPに代わるGNIという指標を持って、日本の国力というものがだんだんだんだんそっちの方で上がってきた。その分の方が今は多いぐらいですから、それが現実ですので、是非そういった流れからいけば、今、中西先生御指摘の方向に確実に動き出しつつあることは確かだと思いますが、同時に物づくりの方もきちんとやっておかないと残りの一億二千万はなかなか難しいかなという感じは、私自身の見解です。

○中西健治君 
どうもありがとうございます。
 今、サプライチェーンの見直しというのをいろいろ製造業を中心に行うと。マスクなども国内で生産するということだけではなくて、全ての世界の企業がやはり海外拠点をどこに配置していけばいいのか、こうしたことを見直し始めているところだと思います。ですので、その中で、今の大臣のおっしゃられたことも頭に置きながら、やはり流れを強めていくということをしたいなというふうに思っております。
 では、金融商品販売法について、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 今回の改正によって金融サービス仲介業というものが創設をされます。特定の金融機関の下に付くという形ではなくて、金融機関と仲介業者が言わば対等な関係になって、そして銀行証券、保険、全ての分野のサービスを扱うことができるということになります。
 顧客にとっては利便性が高くなるということでありますけれども、今までのようにどこかの大きな保険会社などが指導をしているということではなくなってくるということになりますので、どうしても顧客保護の観点からのチェック機能が低下する可能性があるということについてどのように担保していくのか、金融庁に聞きたいと思います。

○政府参考人(中島淳一君) 
お答えいたします。
 ただいま議員御指摘のとおり、新しい金融サービス仲介業の創設に当たっては、利便性の向上と顧客保護とのバランスを取ることが重要と考えております。
 今回創設する金融サービス仲介業者については、いわゆる所属制を採用しないため、所属先の金融機関による指導監督が及ばなくなることを勘案し、取引可能な金融サービスの範囲を仲介に当たって高度な説明を要しないと考えるものに限定をすること、また、例えば投資信託の購入代金や保険契約に係る保険料といった利用者の財産を受け入れることを禁止すること、また、万が一不十分な商品説明を行うなどして顧客に対して損害を加えた場合に備えて、保証金の供託を義務付けることなどを通じて顧客保護を図ることといたしております。

○中西健治君 
もう一つ、この仲介業者の手数料についてちょっとお伺いしたいんですけれども、顧客本位の営業によって利便性の高いサービスが提供されるようになることを私期待しているわけでありますけど、残念ながら、金融商品を販売する際には、やっぱりこの手数料が多いかどうかによって、この商品を売る、あの商品を売らないということが、やはりインセンティブが変わってくるということになるのではないかと思います。
 数年前にこの委員会で、私は生命保険の銀行販売取り上げました。当時は外貨建て保険というのがすごい勢いで売れておりまして、それはどうしてなのかというと、保険の手数料が四%から九%、初めに売るだけで四パー、九パーと、元本の、もらえるということで、これは開示しなきゃいけないんじゃないかということをこの委員会で申し上げました。その後、開示されるということになったわけでありますけれども、今回も、保険の手数料、これは求めがあれば開示するということになっていて、あらかじめ開示されるということになっておりませんけれども、それでいいのかどうか、どうしてそうなのか、そこについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(中島淳一君) 
お答えいたします。
 なぜ顧客からの求めに応じて開示することとしたのかというお尋ねでございますけれども、所属制を取らない点において金融サービス仲介業者と共通する保険仲立人の制度においては、保険仲立人が金融機関から受け取る手数料は顧客からの求めに応じて開示することとされており、金融サービス仲介業者についてもこれに倣った制度としたところでございます。
 なお、金融庁が二〇一七年に公表した顧客本位の業務運営に関する原則においては、金融事業者は、金融商品、サービスの販売、推奨に係る重要な情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきとされ、重要な情報には、顧客との利益相反の可能性がある場合にはその具体的な内容が含まれるべきと、さらに、第三者から受け取る手数料等もこうした内容に含まれるとされております。金融サービス仲介業者においては、こうした趣旨を踏まえた対応が進むことを期待しております。
 なお、御指摘のありました外貨建て保険と言われるような保険商品については、金融サービス仲介業者が取り扱うことができる商品から除外してはどうかということを考えております。

○中西健治君 
顧客保護を徹底する意味でも、やはりこれはにらみが利いた形であってほしいと、このように思っているところであります。
 もう一つ、ちょっと違う話をお伺いしたいと思います。それは、LIBORというものが廃止されるということについてでございます。
 LIBORというのは金融のイロハのイでありまして、短期金利の指標として、金融に入ったらすぐ使われることであります。長期金利の指標というのはUSトレジャリーボンド、アメリカの財務省証券の金利でありますけれども、これがなくなるということは私からすると本当に天変動地みたいなことでありまして、常に短期金利の指標としてそれを見ているわけでありますが、このLIBOR、どういったものかということと、どうして廃止されることになったのか、こうした経緯についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(森田宗男君) 
お答え申し上げます。
 LIBORと申しますのは、リファレンスバンクと呼ばれる金利レートの呈示銀行が、ロンドンのインターバンク市場におきまして、自行が無担保で資金調達をする際の市場実勢と考えられるレートをLIBOR運営機関に呈示し、当該運営機関より、呈示のあったレートを一定の算出方法に基づき算出、公表される指標金利でございまして、貸出債権やデリバティブ取引などで国際的に広く利用されているものでございます。
 LIBORにつきましては、その不正操作問題が二〇一二年以降複数明らかになり、国際的な大手金融機関が相次いで処分されるなど、その信頼性、頑健性が低下する事態となりました。その後、各国金融当局者間で金利指標改革の取組が行われてきたところでございますけれども、LIBORの監督当局である英国FCAのベイリー長官が、二〇一七年七月の講演におきまして、LIBORの算出の裏付けとなる銀行間の無担保資金市場の取引が十分に活発でないこと、また、多くのレファレンスバンクが十分な実取引の裏付けがないレート呈示の継続に不安を覚えていることを理由に、二〇二一年末以降のLIBORの恒久的な公表停止を強く示唆するスピーチを行ったところでございます。これをきっかけに、LIBORの公表が恒久的に停止される可能性が高まっているものと承知しております。

○中西健治君 
LIBORというのは、今御説明あったとおり、金利の指標として、短期金利の指標としてもういろんな取引に使われていて、総額で多分二百兆ドルを超える金額のレファレンスに使われているということであります。スワップ、短期金利と長期金利を交換するときは、短期金利はLIBORを使って、それを三年間もらうんだったらそれに見合う固定金利は幾らなんだというので算出されていくわけですから、金融数学の基本でもあるということであります。
 これがなくなると大混乱も起きかねないということでありますが、今の対応についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(森田宗男君) 
お答え申し上げます。
 二〇二一年末のLIBOR公表停止を前提としまして、我が国を含む影響を受ける各国におきましてそれぞれ代替金利指標の構築等の取組が行われてきております。
 金融取引におきましてLIBORに代わるどの金利指標を利用すべきかにつきましては、基本的には民間当事者間の問題であるところ、我が国におきましては、二〇一八年八月に金融機関、事業法人、機関投資家等の幅広い関係者から構成され、日本銀行を事務局とする日本円金利指標に関する検討委員会が設立され、同委員会を中心に検討が進められてきております。この委員会の検討を基に、先般、LIBORに代わる金利指標の一つであるターム物リスク・フリー・レートの参考値が公表されたところでございます。
 金融庁といたしましても、LIBOR公表停止の問題は、LIBORを参照している既存契約の顧客との間での改定の問題、リスク管理、システムの変更など、金融機関の業務に広範に影響が及ぶことから、累次にわたり金融機関に対して注意喚起を行ってきております。また、日本銀行と共同でLIBOR参照契約の規模の調査を行うとともに、先般、主要な金融機関の対応状況を確認するための調査票、いわゆるDearCEOレターを発出したところでございます。
 金融庁といたしましては、二〇二一年末という時限を意識して、引き続き日本銀行及び市場関係者とも連携して、LIBOR公表停止に向けた取組が円滑に進むように対応してまいりたいと考えております。

○中西健治君 
これ、余り取り上げられていないんですけれども、大変大きな話でありまして、二〇二一年末ということで、もうあと一年半ということでありますので、是非細心の目配りをお願いしたいんですが、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 
ロンドン・インターバンク・オファード・レートでしたっけ、略してLIBOR、ロンドンの銀行間の取引金利を決める話なんですけど、これがなくなると、これは銀行で債券をとか、デリバティブとかなんとかというもの、これ、それが基ですから、それがなくなっちゃうということになると、これは銀行として何を基に金利決めるかという、最も基本的なソフトのインフラはこれかなと思うぐらい、国際金融の中ではこのLIBORというのはソフトのインフラとしては最もでかいものかなと僕はそう思っていますので。これちょっと、いろんな、いいかげんな話があったというのでこれが停止になった、それ自体は確かなんですけれども、これに代わるリライアブル、信用のあるものをつくり上げておかないとというので、まあ誰かがやるだろうぐらいに思っていたんだとは思いますけれども、何となく、まあコロナも重なりまして、なかなかそういった話になっていないのが現状ですから、その意味では、今の段階としてレター、レターというか、CEOに対してのあれを出しておりましたりしていますけれども。
 そういった話ですけれども、政策局長の方から話をしましたように、各銀行のトップ宛てにそういった、これに代わるものをちゃんとしておいてくださいよというお話を申し上げてはおりますけれども、何となく、すごく国際的な金融の取決めでもありますので、とてもうちなんかでと思っておられる方がほとんどのように見受けますけれども、これは、どこかでこれをやらないと、ある日突然にできないまま流れ込んできたということになったら銀行の対応は非常に難しいことになりますので。
 そういった意味では、このCEOレター出させていただいておりますけど、これ、無用の混乱、そうですな、無用の混乱が起きるということがあり得ますので、きちんと日本の銀行の場合は、相対的に資本の内容もいいですし自己資本比率も極めていいことになっておりますので、ここがくちゃくちゃになるなんということにならないようにしておかないかぬと思って、今のうちから少なくともそういった意識だけは持っておいてもらわないかぬと思って、まずはウオーニングと、警告の段階でCEOのレターを発出させていただいたというところまではさせていただいております。

○中西健治君 
ありがとうございました。

SNS投稿用
「新型コロナ対応」「金融商品販売法改正」「LIBOR(ライボ)廃止」について質疑を行ないました。
みなさんが直接目にすることはまずありませんが、金融界において「LIBORが無くなる」とは、「グリニッジ天文台が無くなる」つまり世界の標準時が分からなくなるほどの大事件です。廃止まで1年半。官民一体となった取り組みが必要です(後日、動画と議事録全文を投稿します)

合成1
昨日、本会議が終了し議員会館の事務所に戻ったところで、プルーインパルスの編隊飛行を見ることが出来ました。保健所や自治体職員の皆さんも激務が続いています。改めて最前線で働く皆さんに、感謝と敬意を表したいと思います。
*墨東病院、荏原病院、自衛隊中央病院などの感染症指定医療機関の上空を2周したとのことです。

くらしとしごとの支援策

官邸HPに、新型コロナウイルス対策をまとめた「くらしとしごとの支援策」サイトが開設されています。
是非ご活用ください。

くらしとしごとの支援策

yahoo

皆さんのご協力で、最も恐れている爆発的な感染者数の増加は、これまでのところ抑えこんでいます。しかし、新規感染者の中に医療関係者が増加するなど、最前線で働く人の厳しい状況には変わりありません。
一人でも多くの方にご賛同いただきたいと思います。
https://events.yahoo.co.jp/norikoeyou/

公的支援

公的支援に関するポータルサイトが自民党から公開になりました。先日ご紹介したサイトより、さらに詳細になっています。是非、ご活用ください。

新型コロナウィルスにともなう「あなたが使える緊急支援」

 

事業者向け個人家族向け
皆さんと力を合わせてコロナ禍を乗り越える為に、政府与党も様々な対策を打ち出しています。ただ、あまりに多岐にわたる為、ご自身がお使いになれるものを探すことが難しくなっているのではないかと懸念しています。
静岡県の永野海弁護士作成の「対策支援カード(事業者向け、個人・家庭向け)」は非常に分かりやすいと思い、シェアの許可をお願いしたところご快諾いただきました。
http://naganokai.com/c-card/
尚、永野弁護士もご指摘の通り「変更の可能性」がありますので、必ずHPなどで再確認をお願いします。

働く人に感謝

必要最低限に抑えていますが、私の事務所のスタッフも出勤しています。今日の本会議は議席を大幅に変更し、間隔を大きく開けて開催されます。

カテゴリ:

DSCN3932L

「緊急G20開催」「納税期限延長」「NISAの簡素化と拡大」「東証改革」など様々な提言を行ないました。是非、ご覧ください。最後は時間切れになって、かなり端折りながら超特急で走っていますが(苦笑)

○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 新型コロナウイルスが猛威を振るっております。見えない恐怖とも言える未知のウイルスの感染拡大への対応がいかに困難であるかということは、想像に難くありません。今般の非常事態に対し各方面で尽力されている皆様方に改めて敬意を表したいと思います。

 さて、世界経済、世界市場にも混乱が広がっております。昨日はニューヨーク市場でダウ平均が二千ドル以上下げました。原油価格も三割下落しているということであります。

リーマン・ショック以来という表現もされますが、リーマン・ショックのときは金融市場が震源地でありましたから、金融当局が集まって、ニューヨークの連銀ですとか大手の銀行が集まってその善後策を考えるというようなこともありましたけれども、今の市場は、どちらかというと、もうなすすべもないということで、

私は随分長いこと金融市場で働きましたけれども、日本のバブルがはじけたとき、あのとき、どんどんどんどん株価が下がっていって、売り持ちを持っているディーラーだけが大きな声を上げているけれども、あとの人たちは茫然自失と、そんなような状況、それをデジャブのように思い起こすというような状況であります。
 こうした市場の動きについて、まず麻生大臣、所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) リーマン・ブラザーズのときは、サブプライムローンなんてもう忘れちゃった言葉かもしれませんけど、この怪しげな金融商品を格付トリプルAくっつけて売り倒した多くのアメリカの会社、中でもリーマン・ブラザーズというのがあるんですけれども、これが一番大きくやっていたんですけど、

それが金融が破綻したということに端を発してマーケットからほぼキャッシュがなくなる、オーバーナイトコールが五%ぐらいしましたかね、あの頃は、むちゃくちゃな時代だったと思いますが。

 今回は武漢発のウイルスの話で、何となく新型とか付いていますけど、武漢ウイルスというのが正確な名前なんだと思いますけれども、武漢ウイルスなるものが出てきて、それが隠してあったために、ある日突然にうわっと広まったのが一月の二十日以降という形になっていますけれども、そういった形になっているんですが、それが今、日本にもその影響が出てきたという形になってきているのが今の状況ですけれども。

 リーマン・ブラザーズ並みという表現は、株価の下落の仕方が二千ドル行きましたんだし、今日、日本の株価は一万九千円にまた戻していますけれども、一時百一円まで円が上がっていましたから、今百三円ぐらいになっているんだと思いますが、

石油の値段も、逆に、この内閣がスタートした頃は百ドル超えていましたのが今三十二、三ドル、バレルで、そういった形になってきていますんで、いろんなもののあれが、ばらばらのものがわんわんいろいろ形で神経質な動きは見せているというのは間違いない事実だと思いますけれども。

 私どもとしては、G7の電話会合やら何やらやらせていただいたり、IMFの電話会合やらいろいろやらせていただいていますけれども、何となくコロナの話、あれはアジアの話と思っていたG7の残りのところはかなり慌てた、

イタリアであれだけになりましたので、それでおたおたしているというような感じはしますけど、そんなもの俺たちはもっと前からやっておるわいと、一月前からやっていますという話をして、少なくとも日本としてはそれなりの対応はでき上がりつつあるんだと思っておりますので。

 引き続き、これは細かい資金繰りみたいな話で金融の話とは全然違いますので、そういった意味では、影響が出てくる中小零細の企業者のいわゆる資金繰りという部分を丁寧に細かく、きめ細かくやっていかないかぬところが一番肝腎なところじゃないかなという感じはしております。

○中西健治君 ありがとうございます。
 今大臣のお話の中で、G20、二月にリヤドで行われたときのG20、イタリアはまだ人ごとだったという、まあ人ごとに近かったと、こういうお話なんじゃないかというふうに思います。

 これ、やっぱり、このウイルスが伝播していく、感染症が伝播していくのには時間、タイムラグがあるわけでして、地域によって危機感の高まりというのが時期がずれているということなんじゃないかと思います。

ですので、二月の二十一、二十二に行われたリヤドでのG20、麻生大臣も参加されたG20のコミュニケを見ますと、このコロナウイルスは経済の下方リスクの一つとして扱われていて、全面的に大きく扱われていたわけではないということじゃないかと思います。

 そして、大臣が今おっしゃられたG7の電話会議などで各国連絡は取っているのは分かります。FRBも五〇ベース利下げをその後に行うということもありましたが、私が感じるに、各国当局の動きがいまいち統一感がないなと、こういうふうに思っています。

それはなぜか、何と比較して言っているかというと、リーマン・ショックのときには、日本はちょっとそれに参加しませんでしたけど、六か国が一斉利下げというものを行ったりもいたしました。それに比して、それぞれの国々の動きというのが統一感が見えづらくなっているんじゃないかと私は思っています。

 先週、G20の声明は出ていますけれども、私は、今こそ、この危機感が全世界で共有できているときだからこそ、改めてG20の会合というものをやった方がいいんじゃないかというふうに思います。

麻生大臣は、このリーマン・ショックが起こった後にG20をつくられた、そのときのメンバーでもありますから、今回、G20を、これ物理的に集まるのがリスクが高いということであれば、ある日を決めて、きっちり一、二、まあ何時間か掛けてテレコンファレンスを行うと、そして、その後、きっちりとした意思を示すだけじゃなくて具体的な行動も各国が示すというようなことをやるべきなんではないか、

そういう緊急G20の提唱ということを、麻生大臣、リーダーシップを取っていただくことはできませんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、アメリカで、日本に着けていたあの船、あれはアメリカが持っている船をイギリスがオペレーションしてイタリア人が運転していると、その責任だけこっちに回されてたまるかと。

誰の責任だ、これ、元はといえばそっちじゃないかという話が私が申し上げている話ですけれども、G7じゃなかった、リヤドのときもそう申し上げたんですけれども。

 今回、その同じ会社の船が今サンフランシスコの沖でということで、今日接岸するそうですけれども、そういった形になってきて、アメリカでも一挙にこのコロナの話が急激に広まりつつある。

しかも、これは西海岸じゃなくて東海岸で同じようなことがあってということになって、ワシントンでも出たはずなので、何で日本の国会じゃ起きないのかなと思って不思議に思っているんですけれども、本当はおられるのじゃないかとかいろんなことは思いつつニュースなんか見ているんですけれども。

 そういった今の状況の中にあって、アメリカはまだ今は関係ないという感じで、一応昨日のトランプはCNNですかBBCだかでやっていましたけれども、そういった状況にあるとは思いますけれども、

ヨーロッパでイタリア、それに続いてスペインがいて、だんだんだんだんイランだ何だという形になってきていますけれども、私ども、ヨーロッパでは中国との付き合いの深い国の方がなるななんと思いながら見ているんですけれども。

 そういった状況の中にあるので、今声掛けたら、前回の、一週間前のときは日本から声掛けてああいうことになったんですけれども、今回は向こうから声掛けてくるかなという感じがしないでもありませんけれども、

少なくとも、今声を掛けるのは多分これ、ヨーロッパとしては、サウジアラビアに言って、サウジアラビアは今議長国ですから、サウジアラビアから言わせにゃいかぬということだと思って、私どももそういう手続を踏んでやらせていただきましたけれども、本当はヨーロッパがやらにゃいかぬ順番なんじゃないのかねと思ってはおりますけれども、

いずれにしても、何となく全体としてアメリカも含めてこれ結構まとまってきつつあるかなという感じがしますので、今の御提案というのは一つの考え方としては参考になります。

○中西健治君 全世界的に市場に動揺が広がっておりますので、それを何らかの形でこの動揺を収めていくというためにも、やはりG20若しくはG20プラスという形にもひょっとしたらなるのかもしれませんが、そうした形でアクションを取っていくということは是非お願いしたいというふうに思っております。

 そして、国内のことで言いますと、今年度の予算、予備費を二千七百億円強ありますので、活用して対策を打っていく、そして、令和二年度の予算案が可決すれば、そこに予備費が五千億ありますので、その一部は使えるということにもなっていくんだろうというふうに思いますけれども、それで足りるのかという議論は大きく、強くなっていると思います。

 今の予算の審議をしているときに補正予算の話というのはしにくいということだろうというふうに思いますけれども、今補正予算を作るというよりも、一月から三月、二月、三月の経済の落ち込みを四月、五月に出てくる指標で確認して、そしてこの経済への打撃の広がりを見た上で補正予算を作るという方向、これについては財務大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今日夕刻にでも第二弾というのを出させていただくということを政府では考えておるんですけれども、その内容が発表されてからの話だとは思いますけれども。

 いずれにしても、今回の場合はいわゆる資金繰りの話がほとんどであって、旅館の話がよく出ますけど、旅館にお客が来ないので、食べて帰った後金払わないのと訳が違いますから、こちらの方がよほど被害が大きいんで、来ないというんだったら単なる固定費が掛かるだけの話で、いわゆる流動経費が掛かりませんから、

そういった意味では、私どもとしては、金をどう取るのという話というのは幾つもありますけれども、そういったところの資金繰りというのは、かなりの絶対量が、意味が違うと思っておりますので、そういったお金の掛かる方というのを細かく今、

例えば、そうですね、信金、信組、第二地銀等々の中小零細の金融を扱う対象の小規模の金融機関は間違いなく、いざっと待っていれば客が来るなんという発想はやめろと、自分から行って、おたく資金繰り大丈夫ですかと聞くのが今回の仕事というのを既に下に、何ていうのかな、金融機関にはそれ通達しておりますので、

そういった意味では、これやった結果、その内容、例えば条件変更ということになって、手形ジャンプする、手形をジャンプするね、ジャンプさせるのを、それから、そうですね、金利を引き下げるのを繰延べするのというような条件変更というものをやっていくという細かい対応をすることという話も下に通達が出ておりますし、

これいろんな問題であったらその対応の仕方によっていろいろ銀行によって違うと思いますし、支店によっても違ったりいろいろしますので、その通達の結果どうなったかという内容については公表させてもらいますということも既に通達をしておりますので、

それがどういう結果に出てくるかはよく見ておかないかぬなとは思いますけれども、きめ細かな対応をやっていかねばならぬと思っております。

○中西健治君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃられた通知、通達、金曜日の時点で改めて政府系金融機関及び民間金融機関に対して、条件変更等に柔軟に応じること、そしてどれだけ応じたのかというのを報告すること、さらにはそれを公表するということを示されておりますので、

何といっても年度末迎えますので、金融庁の方にはやはり、財務省もですね、こうした公的金融機関、民間金融機関がどれだけ対応しているのかということをしっかり見ていていただきたいと思います。

 もう一つ、国税庁にお伺いしたいと思います。

 二月二十七日に国税庁から、所得税、贈与税、消費税の申告納付期限を四月十六日まで延長するということが発表されました。同日、総務省からも各地方団体において適切に運営されるようお願いする旨の事務連絡が出されており、地方税にも同様の動きが広がると考えられております。

 ただ、所得税と贈与税が、元々三月十六日だったのが四月十六日ということは、一か月これは延びると、延長されたということ、消費税に関しては三月三十一日から四月十六日ですから、二週間ちょっと延長、延びたにすぎないということになります。

 目先の資金繰りが死活問題となっている個人事業主などに関しては、納付期限をもっと大幅に、例えば三か月、もっと言えば半年延ばせば非常に有効な支援策になると思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(田島淳志君) お答えいたします。
 ただいま議員から御指摘ありましたとおり、今般、新型コロナウイルス感染症に係る政府の方針を踏まえ、確定申告会場における混雑の緩和を図ることにより感染拡大を防止する観点から、個人納税者に係る申告所得税、贈与税及び消費税の申告納付の期限を全国一律に令和二年四月十六日まで延長することとしたところでございます。

 お尋ねのこの更なる期限の延長についてでございますが、まずは、この延長された期限である四月十六日まで申告会場などの感染防止策の徹底などに万全を期していくと、その上で、今後の政府全体の方針などを踏まえながら、適切に対応していくことになろうかと存じております。

 なお、こうした今回行いました全国の納税者一律の制度ではなくて個々の納税者の方に対する制度として、例えば、議員が今御指摘になりましたが、資金繰りなどの関係で一時に納付することが困難な事情がある場合、こうした場合には、この制度とは別に、税務署への申請により納税の猶予などを行うことができる制度がございます。

この制度の運用に当たっては、国税庁としては、納税者個々の実情をよくお聞きし、納税者の置かれた状況に配慮しながら、法令に基づき適切に対応してまいりたい。

 いずれにしても、納税者におかれましては、最寄りの税務署に何なりと御相談いただければと考えてございます。
 以上です。

○中西健治君 四月十六日まで延長したのは混雑の緩和ということが理由になっているわけですけれども、今お話し申し上げているとおり、個人事業主などにとって大変厳しい状況は全国的にも起きているということですので、個々の対応というよりも、政府が意思を示すという意味でもこの期限の延長というのは是非御考慮いただきたいと思っているところでございます。

 もう一つ、厚労省にお伺いしたいと思います。

 先日発表となりました子供の世話で休んだ従業員に対して給料を払った会社に関しては助成金を出す制度、これは正規、非正規を問わず助成するものでありますので、高く評価したいと思っております。

 ただ、これはあくまで子供のいる従業員が対象となっております。子供のいない従業員に関しても正規、非正規を問わず助成する制度をつくるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(松本貴久君) 先生御指摘の今般の一連のコロナウイルス対策への対応におきまして、小学校等の臨時休校等により子の世話のために仕事を休まざるを得なくなった労働者に有給の休暇を取得させる事業主に対して、休暇中に支払った賃金相当額の全額を助成する新しい助成金制度を創設することとしたところであります。

 また、子供の有無にかかわらず、労働者が使用者の責に帰すべき事由により休業させる場合は、させられる場合は、労働基準法第二十六条に基づき、使用者は当該労働者に平均賃金の百分の六十以上の休業手当を支払う必要があるところでございます。

 厚生労働省としては、雇用調整助成金について感染拡大防止のための休業等にも活用できることを明確化したところであり、子供の有無にかかわらず、こうした休業に伴う手当を支給した事業主を支援することとしておるところでございます。

○中西健治君 ありがとうございます。
 良い制度でも、いかに良い制度でも、実行されるのに半年も一年も掛かるということになってしまうと、今必要なところに手が差し伸べられないということになりますので、迅速な執行をこれに関してもお願いしたいと思います。

 続きまして、ちょっと、今回の税制改正に絡んで、ひとつNISAの問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 家計の中長期的な資産形成を支援する観点から、NISAというものは私は積極的に推進すべきものであるというふうに考えておりますが、今回の税制改正でNISAのつくりがまたちょっと分かりにくくなったと、設計分かりにくくなったという声をよく聞きます。

元々、NISAがあって、つみたてNISAがあってジュニアNISAもあってと、どういうことなんだということは前から言われていたわけですが、ジュニアNISAはなくなりますけれども、

新しいNISAは二階建ての設計になっていて、一階建ては、一階部分はつみたてNISA同様、けれども金額がつみたてNISAの半分、そして二階部分は一階部分をやった人が行うことができるんですが、今までのNISAが引き継がれると、こんなような形になっているんですが、

やっぱりこの分かりづらさという点は、更にちょっと複雑化したのが分かりづらいということになってしまっているんではないかというふうに思います。

 以前、貯蓄奨励策として八〇年代まで採用されていたマル優は、銀行預金、郵便貯金、国債などの利子がそれぞれ元本三百万円まで非課税と、まあ単純明快でありましたので、国民の大多数がこの制度を利用していました。

利用するに当たって制度の理解に頭を悩ませたという人はいなかったのではないかと思います。

 今回、複雑化、更にしたというふうに私は思っており、多くの人が思っているようでありますけれども、今後の方向性として一本化していくべきなんではないかというふうに思います。

それは、元々のNISAに一本化するのか、つみたてNISAに一本化するのか、どちらかということになるんですが、この中長期的ということであれば、つみたてNISAを大きく拡充した上で一本化するのかなとも思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) この新たなつみたてNISAの話ですけれども、これは、より多くの方々に積立てとか、いわゆる分散投資によって安定的な資産形成を促したいという観点からこれはスタートさせていただいているんですが、今言われましたように、原則として一階部分の積立投資を行っている場合には、今言われました別枠、二階建ての非課税投資を加える仕組みに見直すことにさせていただいております。

 今おっしゃるように、見直しが分かりづらくなったのではないかという御指摘なんですけれども、少なくとも、NISAは、新しいNISAは基本的には現行の一般NISAとつみたてNISAを確かに組み合わせたという、簡単に言えばそういう制度でありますので、そのことを分かっていただければ現行制度と同じように御理解いただけるのではないかと思っております。

新NISAが発行される二〇二四年までの間に時間もございますので、十分に周知徹底をさせていただく、公知、広報などいろいろさせていただきたいと思っています。

 また、今、一緒にしたらどうだという御意見ですけど、既にこれ千万口座を超えていると思うんですけれども、千万口座超えているの、ちょっとやめちゃうというのはなかなかな、本当にちょっと一緒にするといってもそんな簡単にはいかないだろうという感じはしますので、

私どもとしては、今回の改正を通じまして、広く御理解いただいて、安定的な資産形成を更に促進していっていただければと思っております。

○中西健治君 自由民主党の税調のお歴々がいらっしゃいますので、この税制改正について触るときはなかなか注意してお話をしなければいけないということではあるんですが。

 このつみたてNISA、私は、これ年間四十万で二十年という設計になっているんですけど、八百万円、これは八百万というのはどうも響きが余り良くないなといつも思っておりまして、

例えば一千万とか、例えば、二千万は何かの数字と符合しちゃうんですが、二千万にできるとか、若しくは、四十万だと十二で割ると一か月割り切れないという話もありまして、毎月積み立てるんだから、それは割り切れる数字にしようよとか、いろんなもっともだという御意見がありまして、

これはもっとちょっと割り切れる数字にして拡大するというのはいかがなものでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、現在のつみたてNISAというのは、非課税枠の大きさが二十年間で八百万、そして一般NISAは五年間で六百万というのを、これを参考にさせていただいて、家計の安定的な資産形成というものを支援するという観点から、政策上の必要性を踏まえて決定をさせていただいたという経緯だったと記憶します。

 このつみたてNISAですけれども、いわゆる保有しておられます金融資産というものを一気に非課税投資というのに振り向けるのではなくて、むしろ月々に収入からこつこつためていただくという、長期間の積立てをされる方に対する支援というところのために創設されたものであることを踏まえまして、年間四十万ぐらいの額なんじゃないのという話で当時させていただいたところであります。

妥当な水準ではないかと思っております、何となく割り切れる数字がいいということは分からぬわけではありませんが。

 また、つみたてNISAについては、これは各府省や地方自治体、民間企業に対する現場セミナーなど開催を依頼というのをいろいろさせていただいたり、説明会やいろいろインターネットを通じて情報発信させていただいているんですけれども、

今後も、さらにこの点につきましては分かりやすいように、より良い周知、広報等々に努めていかねばならぬところだと思っております。

○中西健治君 是非、今後の課題として自民党税調でも私の方も発言していきたいと思います。この当委員会でも議論させていただきたいと思います。

 続きまして、東京証券取引所の市場構造の見直しということについてお伺いしたいと思います。

 十二月末に市場構造専門グループの報告書が出て、そして東証の中間報告というのも二月に出ております。今の市場区分に関しての今回の改革案について、金融庁、説明していただきたいと思います。

○政府参考人(中島淳一君) 現在、東京証券取引所には、市場一部、二部、マザーズ、ジャスダックスタンダード、ジャスダックグロースといった五つの市場区分が設けられておりますけれども、各市場区分のコンセプトが曖昧であって、多くの投資家にとって利便性が低いのではないかという指摘などがなされていたところでございます。

 そこで、ただいま御指摘になった報告書では、この各市場のコンセプトを明確化した上で市場を三つの区分に再編するということで、

一つ目のプライム市場については、高い時価総額、流動性、より高いガバナンスを備え、投資家との建設的な対話を企業価値向上の中心に据える企業が上場する市場、

二つ目のスタンダード市場については、一定の時価総額、流動性、基本的なガバナンスを備えた企業が上場する市場、

三つ目のグロース市場については、高い成長可能性を有する一方、相対的にリスクが高い企業が上場する市場といったようなことで、

各市場のコンセプトを明確化した上で各企業が適切と考える市場区分を主体的に選択できるようにするといったことを主な内容といたしております。

○中西健治君 申し忘れましたが、お手元に資料をお配りしておりまして、今金融庁の方から説明があったのが、現状は五つの市場に分かれているのを三つにしようと、プライムとスタンダードとグロースの三つの市場に再分化していこうと、こういう話であります。

 その方向性自体は私はあるべき方向だというふうに思っているわけでありますけれども、これ、経過措置というものが設けられております。

経過措置、いや、経過措置が私はある方がいいというふうには思っているんですけれども、なければ、ある日突然、一か月後にここの企業は今の一部から違うところに行くというようなことになると、当然、株式市場などで売り浴びせられたりしかねないということですから、一定の経過措置というものは必要だというふうに思っておりますけれども、

これ、当分の間と書かれているので、当分の間ってどれぐらいなんだと、それが余りに長いと羊頭狗肉になってしまうということじゃないかと思いますが、どれぐらい考えているんでしょうか。

○政府参考人(中島淳一君) ただいま御指摘のありました経過措置についてでありますけれども、現在の市場一部上場企業は、国、地域における主要企業としてのブランドイメージが確立され、雇用や取引にも多大な価値を与えております。

このことは、既に市場一部上場企業に投資を行っている投資家から見ても、企業価値に反映されていると考えられる等の意見が強く出されまして、こうした意見を踏まえて、既存の市場一部上場企業については、流通時価総額に関する新たな基準を満たしていなくても、当分の間、プライム市場を選択可能となるよう経過措置を設けることとしたところであります。

 御質問の当分の間の具体的な期間につきましては、現時点では、市場一部上場企業のうち、どういった企業が実際にプライム市場を選択するか明らかではなく、今後の企業側の市場選択の状況を踏まえて検討をする必要がありますことから、現時点で具体的にお答えすることは難しいと考えております。

 いずれにいたしましても、今後、具体的な期限をいろいろな関係者とも対話を行いながら検討していく必要があるというふうに考えております。

○中西健治君 私は、この当分の間というのは二年程度にすべきじゃないかというふうに思っていまして、

その間にやってほしいことというのは、先ほどプライム市場に上場する会社はコーポレートガバナンスの水準が高いということをおっしゃっていただきましたけれども、これはやはり各会社のガバナンスのレベルがどの程度なのかということ、これで見ていくということが一番重要なんじゃないかというふうに思います。

時価総額の話になりがちなんです。あの情報漏えいという事件もありましたので時価総額の話になりがちですけれども、そうじゃなくて、やはりコーポレートガバナンス、どれだけガバナンスが利いているのか、あと情報開示をやっているのか。

こうした観点で見て、二年程度で決めるということが私は行われるべきことではないかというふうに考えております。

 そして、上場、プライムに上場できない、若しくは上場できないという会社が当然出てくるわけです、その後。そのときの上場廃止の受皿というものもしっかり整備する必要があるんじゃないかというふうに思っております。

現時点でもあるんです。東証で上場している企業に問題があると、まず監理銘柄として投資家に注意を促して、次に上場廃止が決定されると整理銘柄として一か月だけ取引をされます。

そして、その後の受皿として、日本証券業協会がフェニックス銘柄制度というのをつくっております。しかし、二〇一六年六月末以降、ゼロが続いております。このフェニックスに指定されているものがないということであります。

 今後、退出する企業は出るというのが前提だと思いますので、その受皿となる市場の整備について十分考えていかなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(中島淳一君) まさにただいま御指摘のことにつきましては、金融審議会の議論におきましても、上場後の企業価値向上の動機付けのため、今後、退出基準を引き上げるということも考えられるということが指摘されております。

 一方で、厳格な退出基準を適用する場合、既に株式を保有している投資家の換金機会を確保するということも重要であります。このため、御指摘のとおり、退出基準の強化とともに、切れ目のない受皿市場の整備についても併せて議論を進めていく必要がございます。

 この受皿市場については、その担い手をどうするかやビジネスとして見込める市場となるかなど、多くの課題もありますことから、今後、東京証券取引所や日本証券業協会といった関係者と議論を進めてまいりたいというふうに考えております。

○中西健治君 もう一つ、グロース市場というものがつくられるわけでありますけれども、マザーズ、現行のマザーズという市場、これは十億円で上場できるので、世界的に見て最も上場しやすい市場だというふうに言われて、批判もありますけれども、成長企業が入りやすいという意味では、これはプラスの部分も大きくあるんじゃないかと思います。

 問題は、資料二でお配りしていますけれども、マザーズにずっと居座っちゃう、そういう会社が結構多いということなんですね。

五年、十年、ずっと居座っちゃう。それじゃ駄目だよねということで、ここの退出ルールも私は厳しく定めていかなきゃいけないと、こういうふうに思っておりますが、これはちょっとこれだけ言わせていただいて、

最後に麻生大臣に、この東証改革についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今回のこの市場改革というもののコンセプトというのを明確にして、この三つの市場ですけど、プライム、スタンダード、グロースという形で、昔の東証一部、二部って、ああいう話なんですけれども、

あれ一部に上がったのはいいけど、これはもう膨大な数になっておりまして、株価はもう全く動きがないという形に、あれだけでかくなりますと、それは絶対量が多いですから、

そういったような形になりますので、私どもとしては、上場企業やベンチャー企業というものの持続的な成長というものと、企業価値の向上と、この動機付けがなされないとなかなか活性化していきませんし、内外のいわゆる投資をされる側にとりましても魅力のあるマーケットでなければというので、

そういったことを考えて今回の、横文字使うのもいかがなものかと言ったんですけど、何となく、ちょっと適当な言葉がなくて、上場一部、二部、三部というとなかなか具合が悪いので、ちょっとどうだろうとかいろんな御意見があって、結果的に横文字にならざるを得ぬことになったんですが、

市場機能の向上というものによって企業価値が向上して、その果実が結果として家計にも、投資している側にももたらされるということを期待しておりまして、

今後、東京証券取引所がマーケット関係者などといろいろ対応をしていかれながら、より良いいわゆる市場というのが構築できるように金融庁としてもサポートしてまいりたいと考えております。

○中西健治君 どうもありがとうございました。
 TOPIXのインデックスの改革についてもお伺いしようと思っておりましたけれども、また次回以降に譲りたいと思います。
 どうもありがとうございました。