中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2020年02月07日 (金)
議事録全文と動画(40分)です。
○中西健治君 自由民主党の中西健治です。予算委員会では久々の質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。
質問に早速入らせていただきます。
まず第一に、何といっても、深刻化している新型コロナウイルスについて伺いたいと思います。
昨晩、WHOが緊急事態宣言を出しました。我が国はこの緊急事態宣言を待つまでもなく指定感染症に指定をするというようなことを行っておりますけれども、この緊急事態宣言を受けて各国の対策も強化されるんだろうというふうに思います。我が国の対策強化についてお伺いできればと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新型コロナウイルスによる感染状況について、我が国においては昨日までに武漢滞在歴がない患者が二名報告されたところであり、その方々を含め十二名の患者が確認されていますが、今のところ、いずれの方も症状は安定又は回復しております。
また、一月二十九日に帰国された方二百六名のうち三名の方がウイルス検査の結果、陽性だったことが確認されており、これらの方については、現在、専門の医療機関で入院、治療を受けていただいているところであります。
また、本日、新型コロナウイルスに関連した感染症について、WHOが、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態、PHEICを宣言しました。
政府としては、本日昼、私を本部長とし、全閣僚をメンバーとする対策本部を開催し、私から、今月二十八日に新型コロナウイルスに関する感染症を感染症法上の指定感染症に指定し、当初二月七日から施行予定であったところ、PHEIC宣言を受けてこれを短縮し、二月一日より施行することとしました。これにより、我が国に入国しようとする者が感染者である場合には入国を拒否することになりますが、感染が確認できない場合であっても入国管理を強化すべく、その運用について速やかに検討することなどについて関係省庁が連携して万全の対応を行うよう指示を行ったところであります。
また、湖北省を除く中国全土に対する感染症危機情報を、不要不急の渡航の自粛を求めるレベル二に引き上げることとしました。
武漢の在留邦人の方々の帰国のためのチャーター機を派遣し、二十九日には二百六名、三十日には二百十名が帰国されています。また、本日には百四十九名の方が帰国されました。帰国された方々については、ウイルス検査の実施も含め、お一人お一人の健康状態をしっかりと確認させていただいています。
政府としては、引き続き、対策本部を中心に、情勢変化を踏まえながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、実行していく決意であります。
○中西健治君 ありがとうございます。
感染症対策はまさに危機管理であります。危機管理は先手を打つことが肝要でありますし、かつ、対策は幾ら準備してもやり過ぎるということにはならないということだと思いますので、引き続き早めに、かつ周到に対策を実施していただきたいと思います。
そんな中で、水際対策、検査体制の強化というのも大変重要なんですけれども、国民の大きな関心は自分や自分の家族が感染することがあるのかということではないかと思います。そんな点では、どのような人が感染しやすいのか、免疫が弱っている人が多いのか、高齢者はどうなのか、子供はどうなのか、どうすれば感染しづらくなるのか、効果的な予防策は何か、また、万が一感染した場合には有効な治療法はあるのか、こうしたことが大きな関心事だろうというふうに思います。
ワクチンですとかこの治療法ですとか、そうしたこと、知見を集めて開発していくということが必要になるかと思いますが、今後どのように取り組んでいかれるか、御方針お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この後、詳しくは厚労大臣から答弁させますが、今まさに委員がおっしゃったように、事態について我々もしっかりと情報を発信しながら、国民の皆様にも事態に対して的確に正しく対応していただくことが望ましいんだろうと、こう思います。
感染症に係る情報提供、周知については、国民の皆様に対し、感染症に関する基本的な知識やその発生状況、感染症の予防策や治療法などを分かりやすく提供していくことが重要であります。そして、今回のような事態が発生した際には、省庁の垣根を越えて、あらゆる手段を用いて情報の集約、分析を迅速に行い、国民の皆様に的確に提供するとともに、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、実行していくことが政府としての基本方針でございます。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回のウイルスに対する分析、あるいはその感染の状況、さらには治療方法等々については、日本では、国立感染症研究所、また、国立国際医療研究センター、こういったところを中心に、また、それぞれの各国でもいろんな今分析をしておりますから、そういう情報も収集しながら適宜やらせていただいているところでありますし、そこで出てきた知見は、我々の、例えば今サーベイランスというのをやらせていただいておりますけれども、それをどういうふうにやって、どう絞り込んでやるのか、どこまで拡大するのか、こういったことにも結び付けていきたいと思っております。
また、まさに国民の皆さんに対する周知というのは非常に大事でありますし、また、現在、いろんなウエブ上でデマも飛び交っておりますので、やっぱりそれに対しては的確に適切な情報を我々が提供していかなきゃいけない。そういう意味において、今、ホームページ、QアンドA、それから、コールセンターも立ち上げたんですが、ちょっと最初の初動が本数が少なくて、今、急遽拡大をさせていただいておりますけれども、そういったことをさせていただきながら、国民の皆さんの、対して的確な情報が行くように、そしてそれを通じて過度な不安や御懸念が生じないようにしていきたいと思っております。
○中西健治君 是非お願いいたします。
この新型コロナウイルスが経済や金融市場にどのような影響を与えるのか、これは今全てが現在進行中ですので、長期的なインパクトなどは今測ることはできないということだと思いますが、現時点で分かっていること、これは中国の、中国人観光客が観光を取りやめてキャンセルをしているということであります。
旅館やホテル、バス、タクシーなど、観光業界を支えている会社の大半は地場の中小規模の企業であります。極端な需要の落ち込みには耐性が強くない、耐性が弱いと言ってもいいと思います。資金繰りが厳しくなるのは自明だと思います。
神奈川県の箱根は、昨年の台風十九号でも大きな被害を受けました。そして、今回もキャンセルが相次いでおります。観光業の資金繰りに関して何らかの支援策を講じてもらえないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今まだ途中でありますから、いいかげんな話は言えないところですけれども、この新型コロナウイルスの感染症について、これは、感染拡大の更なる防止というのは先ほど総理並びに厚生大臣の方から申し上げたとおりですけれども、金融庁として、今言われたようなことでいきますと、平成二十一年でしたか、新型インフルエンザという名前だったかな、あのときにも似たような形になっていろんなことが起きたんですけれども、事業者の経営の継続に必要ないわゆる資金、いわゆるストックじゃなくてフローの話ですけれども、そういったような供給とか、いわゆる既存の融資とか返済などの条件変更してやるとかジャンプするとか、手形用語ばかりで済みませんけど、そういったようなことをやらせていただいたことがありますので、今回ももう既に、例えば先ほどの話でしたけど、奈良の公園といったら今頃中国人の観光客でいっぱいなんですが、今、中国人の観光客もいなけりゃ、中国人の観光客がいたからというので日本人の観光客も行かない。
これ、今奈良の公園で起きているわという話が先ほど出ていましたけれども、そういったような形になっているのが事実ですから、そういった意味に対して、むしろそういったところの業者に対して小さな金融機関の方が逆に大丈夫という話を聞きに行くぐらいの営業センスがないとこれからの地方の零細中小地域金融業者というのは難しいことになるんじゃないですかなと、私自身はそう思いますし、事実そういったことをやっていってもらえるものだと思っております。
○中西健治君 大臣おっしゃられるとおり、感染症の怖さというのは、病そのものの重篤さもさることながら、非常に多くの市民が心理的打撃、特に、見えない恐怖を味わうことで平穏に日常生活を送れなくなることであろうというふうに思います。是非、この中小企業の資金繰りも含めて目くばせの方をお願いしたいと思います。
そして、この状況、時々刻々と変化しておりますけれども、昨年の十二月に経済対策、発表されました。そのときに、海外発の経済の下振れリスクに対応するということが一つの眼目だったと思いますけれども、今回のこのコロナウイルス、これもそのときには予見し得なかった下振れリスクになるかもしれないということだと思います。
国民の生活を守るために、現時点において、財政支出、予備費の活用、こうしたことも検討できないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の新型コロナウイルス感染症への対応は、まずは感染の拡大防止、在留邦人の方の帰国が最優先ではありますが、観光等への影響についてもよく見極めた上で、事態の進展に応じ、必要があれば予備費の使用も検討したいと思います。
○中西健治君 どうぞ検討をよろしくお願いします。
この観光にも関係することなんですが、続きまして、キャッシュレス化の推進についてお伺いしたいと思います。
昨年十月から、キャッシュレス化を推進するためのポイント還元事業が開始をされました。キャッシュレス化は、国民の利便性の向上、インバウンドの増加、生産性の向上や働き方改革に大きく寄与するものでありますので、私自身は大いに進めるべきだと考えておりますが、このポイント還元事業を導入する際には、政策目的が二つあると、消費税増税時の増税前後の需要平準化対策と、あとキャッシュレス化を推進する、この二つの目的があるということをもって、さんざん批判をされました。
二兎を追う者は一兎をも得ずだとか、税率がたくさんあるようで分かりづらいと、こんなような批判を受けたわけでありますが、これも、私自身は常々思っているのは、一つの政策手段が二つの政策目的を持つというのはいいことじゃないか、結構なことじゃないかといつも思っております。増税時のように短期的に痛み止めをしなきゃいけないとき、その痛み止めに使ったお金が長期的な成長につながる、種をまく、そうしたことができるのであれば、それはなお良いことだというふうに思います。そういう政策こそ採用すべきであると考えております。このポイント還元事業はそうなっているんだろうというふうに思います。
経産省から直近のアンケート結果が発表されました。それによりますと、企業サイドからは、業務の効率化や売上げに効果ありという答えが大変多かった。そして、消費者サイドからも、キャッシュレスを始めた又は支払を増やしたとの回答が多くを占めて、キャッシュレス化が進んでいるということがうかがえます。また、約半数の消費者が、ポイント還元があるので増税前にまとめ買いをしなかったと、こういうふうに答えているんです。これは、狙いどおり、需要の平準化に寄与しているということではないかというふうに思います。
さて、このポイント還元事業が六月末で終了いたします。経産省は、このキャッシュレスの比率を四〇%まで二〇二五年に引き上げたいというふうに目標設定していますが、元々二〇%ということですので、まだまだ努力が必要なんじゃないかと思いますが、六月末以降の施策についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(梶山弘志君) 中西委員御指摘のとおり、キャッシュレスの推進は、消費者の利便性の向上、店舗の効率化、売上げ拡大、そしてデータの利活用の促進に資する重要な取組であります。二〇二五年までにキャッシュレス決済比率四割程度にするとの目標を掲げて普及を促進をしているところでもあります。
ポイント還元事業は消費税引上げ対策として実施するもので、この点、本年は夏はオリンピック・パラリンピックによるキャッシュレス事業の拡大が見込まれることや、九月からはマイナポイント事業も開始されるということから、六月末に終了をする予定であります。
もちろん、予算事業の終了後もキャッシュレス化を進める方針に変わりはございません。このため、まずは統一QRコードの普及やマイナポイント事業の実施に合わせて端末導入支援等に取り組むことで中小店舗のキャッシュレス化を促してまいりたいと考えております。さらに、今回広まりましたキャッシュレス決済手段を用いて自治体における公共料金等の支払のキャッシュレス化を後押しすることで、全国津々浦々でキャッシュレスを使える環境を整えてまいりたいと思います。
委員御指摘のとおり、二〇一八年、この制度を、ポイント還元制度導入前の時点で二割強の決済比率ということでありましたけれども、この取組も含めて、キャッシュレス決済比率で四割の目標を達成をするために最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○中西健治君 従来から言われていることでありますけれども、小売店がキャッシュレス決済を導入しない最大の理由は加盟店手数料が高いからということであります。
今回の還元事業、ポイント還元事業を継続している間、この参加条件は三・二五%上限ということでありますが、六月末以降また上がってしまったのでは元のもくあみということになります。そうならないようにするためにどのようにしていくのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(梶山弘志君) 決済業者に、決済事業者に支払う手数料が中小店舗にとって負担となって、キャッシュレス化が進まない要因の一つになっていることは承知をしております。手数料の引下げは、日本でキャッシュレス化を進めるための大きな鍵の一つであると考えております。
このため、今回のポイント還元事業では、決済事業者には、手数料を三・二五%以下とするとともに、事業終了後の手数料の取扱いを公表することを事業への参加の条件といたしました。この結果、決済事業者間で市場競争が働いて、本事業に参加している店舗が支払っている手数料の平均は約二・五%まで下がってきております。この手数料を参加決済事業者のうち半数強がこの事業期間終了後も維持するとしております。
一方で、黒字の中小小売企業の平均利益率が約三%である中で、現行の手数料は依然として高いとの意見があることも承知をしているところでありますが、今後も決済事業者や店舗、消費者の声をよく聞いた上で、キャッシュレスの推進に必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○中西健治君 ありがとうございます。
元々、日本のこの手数料というのは他国に比べて高い。私が調べた限りでは三・五%から五%ぐらいが大半ということであります。他国はもっと低いということでありますので、是非下げるための促しというのもしていっていただきたいと思います。
今回のアンケート結果は、申し上げたとおり、総じてポジティブなんですが、一点気になるところがあります。それは、小売店の資金繰りが少し厳しくなっているということであります。現金決済であれば現金が入ってきてそれをすぐ仕入れに使えるということになりますけれども、キャッシュレスだとクレジットカード会社などからの入金を待たなければいけないので、これまでのサイクルと異なってきているということで、中堅企業では三割以上の会社が資金繰りが厳しくなったということを言っております。ここについて、対策、支援策あるかどうか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるとおり、中小企業、また小規模事業者の経営の要諦というのは資金繰りだと私自身も思っております。
中小・小規模事業者の方々から、キャッシュレス決済による取引は、現金決済と異なり、入金までに時間を要するといった懸念が示されていることは承知をしております。この点、最近は入金が最短翌日のものや月六回の入金を選択できるものなど、中小・小規模事業者としても導入しやすい決済手段も様々登場しているということで、私も現場の方にいろいろと聞いてまいってきているところであります。
一方で、キャッシュレス決済の利用が増加した結果、入金サイクルの長期化によって資金繰りに困難を来す中小企業もいらっしゃることも認識をしております。そのような場合には、日本政策金融公庫によるセーフティーネット貸付けなどにより、支援をしてまいりたいと考えております。
さらに、令和元年度補正予算において、キャッシュレス決済への対応を行う事業者がセーフティーネット貸付けよりも低利の企業活力強化貸付けを活用できるように制度を拡充をしたところでもあります。
キャッシュレスの導入によるメリットを事業運営が困難になることなく享受できるように、引き続き、現場の声をよく聞きながら事業の運営に努めてまいりたいと思いますし、事業者の方々への周知もしっかりと図ってまいりたいと考えております。
○中西健治君 この資金繰りについての、こちらの方の目くばせも是非お願いしたいと思います。
続きまして、環境問題を取り上げたいと思います。
一月二十日に国会が開会しましたけれども、その直前の週末を利用いたしまして、カリフォルニア州の議員と直接意見交換をするために渡米してまいりました。その際、山火事の現場を視察しました。人家の間近に真っ黒にすすけた森林があり、山火事の危険さを目の当たりにしました。皆さんも御存じのとおり、今、オーストラリアでまた山火事が、大規模な山火事が発生しているということであります。
こうしたことを地球温暖化と結び付けて論じることには様々な意見があります、様々な、要因が違うんではないか、違う要因も挙げられております。また、地球温暖化の原因そのものについても諸説あるということは認識しております。
ただ、環境問題は今ここにある現実であります。地球の平均気温が上昇しており、それによって災害の甚大化などが引き起こされていることはもう事実であります。目の前で起きている事実に対して、打てる手を打っていかなければいけないということではないかと思います。
環境問題への日本の取組はといいますと、日本企業の多くは環境問題に積極的に取り組んでおります。そして、国際的な大きなイニシアチブ、幾つもあるんですけれども、その中でランキングですとかスコアですとか、大変優秀な成績を上げている企業がたくさんあります。
しかしながら、この間、残念に思っているのは、世界であまたある環境団体、日本だけでも一万八千登録されていますから、世界中ということだともうその数が二桁違うということなんじゃないかと思いますが、そのうちの一つの団体に化石賞なる賞が日本に与えられて、それは日本をやゆするように与えられて、それがまた取り上げられているということを非常に残念に感じております。
この化石賞というのは一体何なのでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、中西議員から御質問をいただいた化石賞でありますが、こんなに化石賞のことを好きなのは日本ぐらいでしょうね。こんなに報じるのも日本ぐらいだと思います。
私、COPにこの前初めて大臣として出席をして実態というのはよく分かりますが、COPの会場って物すごい広い、いわゆるパビリオンというか、幕張メッセのような、そういった中でやりますが、廊下で授賞式みたいなのをやるわけです。そして、日本が二回取ったということが日本の報道でもありますが、毎日授賞式があるんです。その期間中に、どの国の誰がどういう発言をしたのかというのをNGOの皆さん見ていますから、中には、ある日は一、二、三位が全部アメリカ総なめでした。
そして、我々日本が二回取ったという話がありますが、先月の十二月の三日、これCOP初日、一位オーストラリア、二位ブラジル、三位日本、これが一回目なんです。四日が、ボスニア、スロベニア同率一位、二位がオーストラリア、三位がベルギーと。こういったような形があるんですけど、実態としては、まるで日本のみが化石賞をもらっているというような、そういった受け止め方をしている方がかなり多いんじゃないでしょうか。
私は、この問題意識を持ったときにおかしいと思ったのは、CO2ばかりほとんどの国が見ていますが、実は、日本ではフロンと言われる、これ世界ではフロンというのは通じません、フルオロカーボンと言わなければ通じませんが、このフルオロカーボンの取組は世界で百か国以上が全く目標すら持っていません。今、世界中で一秒間に十台のエアコンが売られています。このトレンドは三十年以上これから続くというふうに言われている中で、日本は法律まで作って、このフルオロカーボンの、空調設備とか冷凍冷蔵設備、こういったところからの回収と破壊までをしっかりやるということでやっている先進的な国でもあります。
是非、化石賞を日本がもらっているというのであれば、私は、日本の、そういうNGOからは世界の国々で全く対策目標さえない百か国以上の国にフルオロカーボン賞ぐらい授賞した方がいいのではないかと、そういう国際的な発信も決して日本は忘れてはならないと思っております。
○中西健治君 そんな賞だとはいえ、化石賞などを二度と受けないようにするためにメッセージの出し方変えるということ、そんなようなお考えはございますでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 二度と受けないためにということの意味でも、私は、日本がイコール石炭の国であると、そういう、国連グテーレス事務総長の石炭中毒という、あれぐらい激しい言葉も含めて真正面から受け止めるべきは受け止めて、その上でどのようなアクションを取れるかという思いを率直にCOPの場でも申し上げました。
私が特に輸出の四要件という、そういったところに問題提起をさせていただいているのも、日本は今すぐゼロとはなかなか言えません。そして、OECDが一部言っているような化石燃料全部、天然ガスすら駄目だということはなかなか選択肢としては無理です。そういった中でも決して日本は脱炭素社会に対して後ろ向きなわけではないんだと、そういうメッセージを届けるためには真っすぐなこの前向きなアクションも必要だと、こういった発信をしっかり届けていきたいと思います。
○中西健治君 是非、攻めのPR、攻めのアピールしていっていただきたいと思います。
もう一つ取り上げます。
海洋国家日本の課題として、海洋プラスチック問題、これを是非議論させていただきたいと思いますが、世界では年間約八百万トンのプラスチックがごみとして海に流れ込んでいると推計されており、それが波の力や紫外線の影響などで細かく砕けて、マイクロプラスチックとなっております。これらは自然に分解されることはなく、半永久的にたまり続けるため、海の小さな生物がプラスチックを取り込んで、食物連鎖で最終的に人間の体に蓄積しております。
ストローやスプーン、レジ袋などのプラスチックを減らす運動も大変重要だと思いますけれども、現実に漂着しているものを処理することは喫緊の課題だと思います。
現行法、海岸漂着物処理推進法によりますと、海岸管理者等は処理のため必要な措置を講じなければならないとありまして、周辺国、他の国から来ているごみ、内陸部から来ているごみ、そうしたごみ処理も含めて、海岸沿いの地方自治体の負担が大変重くなっております。国は積極的に関与すべきではないでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、中西議員から御指摘いただいたこの漂着ごみの自治体の負担ということでありますが、これについては来年度の予算案に約三十七億円、今計上をしています。
ちなみに、このプラスチックごみは、今、海のものが大変話題ですが、日本の特色ある取組、先進的な取組は、海のない海なし県の取組も非常に盛り上がっているということであります。例えば、栃木県、海はありません。そして、長野県もそうです。しかし、約七割の海に流れるプラスチックごみはやはり上流から流れてくると、陸域から来るということもありまして、そういう海なし県にも広がりがあるというのは日本のすばらしいところだと思います。ちなみに、我々、中西先生と私の地元の神奈川県もこのプラごみゼロということで取り組んでおります。
こういう国内の動きに加えまして、やはり国際的な地球規模の課題ですから、地球規模で取り組まなければいけません。G20の大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、これは、あのときはG20という二十か国・地域でありますが、今では五十九か国が賛同の表明をしているところまで行きました。
私は、十一月に中国の生態環境部長、カウンターパートとも日中韓の環境大臣会合でお話をしましたが、中国は世界最大のCO2排出国でもあり、世界最大の海洋プラスチックごみの排出国であると言われています。そういった中で、中国との前向きな取組の強化、こういったことも同じ思いを共有できたところでありますので、これを更に中国を前向きな関与をさせ続けるということも日本としては非常に大事なことではないかと考えております。
○中西健治君 是非お願いします。
そして、せっかく回収したプラスチックごみの大半がまた燃やされているということであります。これはリサイクルチェーンがつながっていないからでありますけれども、これも是非つなぐような努力もしていっていただきたいと思います。
もう一つ、雇用についてお伺いしたいと思います。
私は、経済政策の最大の目的は何かと問われると、働きたい人に活躍の場を提供することだといつも答えております。その点においてアベノミクスは大きな成果を収めており、働きたいと思ったら働けるという状況をつくったことは高く評価されるべきであると考えております。こういう状況の中で更に進めていきたいのは雇用の流動化を高めること、流動性を高めること、これをしていきたいと思います。
最近、中高年の転職が増えているというような報道もされておりますけれども、まだまだ制度的にこの流動性が高まるのを阻んでいるものがあります。退職金と年金の問題取り上げたいと思います。
まず、税制の方、お伺いいたします。
一般に採用されている退職金制度は、勤続年数が二十年を超えた辺りから急激に金額が上がる設計になっております。これは民間企業がつくる退職金制度ですから、これはこれで問題とするわけではありませんが、問題なのは、それを税制が後押ししているということであります。例えば、勤続三十年、同じ会社に勤続三十年であれば、千五百万円までは所得税も住民税もゼロであります。企業の思惑どおりになっていると言ってしまえばそれまでですけれども、転職を思いとどまらせる大きな原因になっていると思います。
この税制は、今の時代に合った税制に変えていくべきではないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、中西先生が御指摘のとおり、退職金課税の話なんですけれども、これは、年金とか、いわゆる給与ですかね、給与で受け取る場合と税制上の扱いが異なっておるという話なんですけれども、この給付の在り方に対していわゆる中立ではないんではないかという、これ理論上そういうことになるんですが。
いわゆる勤務期間、勤続期間が二十年以上になりますと、その控除額とか退職金額とかがいろいろと上がる。人手のない頃、ずっと、余った、あの時代にでき上がった制度、システムがそのままその形で残っているという部分の一つの大きなものだと思いますが、これが今、転職が増えたり途中入社が増えたりしている時代には正しく対応している制度ではないのではないか、税制としてということなんだと思いますので、こういった点のバランスというのはちょっと考えにゃいかぬということで、企業の退職給付のいわゆる在り方ですかね、在り方などについて、ちょっとその影響を踏まえて、ちょっとこれ検討させていただきます。
○中西健治君 是非、時代に合った形で検討をしていただきたいと思います。
厚労大臣にお伺いしたいと思います。
退職金制度というのは、日本企業では約八割が持っております。これは、雇用の習慣の違い、慣習の違いもあって、外国の企業では一般的であるというふうに言えませんけれども、日本の経営企業においては、日本の会社員にとってはこの退職金制度というのは極めて大切な制度となっております。しかし、会社が倒産して未払賃金さえ払えない状態となった場合は、退職金が支払われることはありません。
ただ、余り知られていませんけれども、勤務先が倒産したときに未払となった賃金及び退職金を国が立替払する制度があります。しかも、かつては最大で百五十万円、百五十万円くらいだったものが、現在、四十五歳以上では二百九十六万円にまで拡充をされております。
申請すればもらえたはずなのに、知らなかったがためにもらえなかったという人が出てこないようにするために、この退職金保護制度の認知度を高めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、中西委員御説明の、企業倒産によって退職金を含めて賃金が未払のままであった方の退職後の労働者の生活の安定を図るために未払賃金立替払制度というのがございまして、これは労働保険で保険料をベースにやっているところであります。
確かに、ここのところで問題、私ども認識しているのは、この立替払を実施する場合に、法律上の倒産の場合には裁判所で証明書の交付、あるいは管財人等がそこに絡んでくるんですけれども、そこのところで必ずしも十分に周知が行かないために証明書の交付がなされない、あるいはそれが進められない、その結果としてこの制度が使われない、こういう指摘を受けております。
そういった意味で、やはり特にそうした破産管財人あるいは裁判所の皆さん方にしっかりと制度を熟知していただくためにも、この制度をしっかりと周知を図っていくということが必要だと思っております。
そういった意味で、この制度の運用をしております独立行政法人労働者健康安全機構と連携をして、全国の弁護士の方、裁判官の方を対象とした研修会を開催して、制度の概要、手続について説明するとともに、こうした賃金が支払われない労働者の救済のためにも制度の利用を積極的に呼びかけていただきたいと思っておりますし、また、労働者の方々にも知っていただくために、ハローワークとかあるいは労働基準監督署にリーフレット等を設置し、あるいは本件に関する相談対応を行って、この制度をしっかり周知し、そうした場合においてこうした制度が活用していただけるように努めていきたいと思っています。
○中西健治君 いい制度があるのに使われないというのは大変もったいない話でありますから、是非これは周知をしていっていただきたいと思います。
もう一つ、今度は年金についてお伺いいたします。いわゆる企業年金のポータビリティー問題というものであります。
御承知のとおり、企業年金は確定給付年金と確定拠出年金というのがあって、今、確定給付から確定拠出に動いていく流れとなっています。確定拠出年金を採用している企業は、大手企業だともう五〇%を超えたところになっております。
これだけ増えてくるとまた問題が生じておりまして、元々の企業では確定給付でした、転職しようとしたら、そこは確定拠出だったので持ち運べませんと、こういう問題が起きております。そして、中小企業まで見ていく、全企業ベースで見ますと、この確定拠出の採用割合というのは一割程度にとどまっておりますので、是非、制度に入っている企業からなかなか転職しにくいという問題をなくしていくためにも広めていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますが、この中小企業も含めてどのように働きかけていくのか伺えればと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました確定拠出年金制度、DCと呼ばれていますけれども、雇用の流動化にも対応できる、要するに運べるという、そういったメリットがあります。
そのDCの実施率でありますけれども、御指摘のとおり、千人以上の企業では五〇%を上回ってきていますが、三百人未満の企業の実施率は低く、全体でも一〇%程度にとどまっているというのが今の実態でありまして、いかにこの制度の普及拡大を図るかが課題であるというふうに認識をしております。
そういったことも踏まえて、この通常国会に提出を今予定をしている段階ではありますけれども、年金制度の改正案では、高齢期の就労の拡大を踏まえて、このDCの加入可能の年齢を、現在は六十五歳未満を、これ七十歳未満に引き上げるということ。あるいは、中小企業向けの対象拡大ということで、制度実施可能な従業員規模を、今百人未満でありますが、三百人未満まで拡大をする。そうした意味で、中小企業を含む多くの企業が利用しやすいような制度面、手続面の見直しを盛り込むことにしております。
加えて、そうしたことに加えて制度の普及に向けた広報が重要でありますので、商工会議所あるいは中小企業団体などと連携した説明会、セミナーの開催、あるいはパンフレットの作成、配布、こういったことにも取り組む中で、こうしたDCへの理解、そしてその普及、利用の普及を図っていきたいと思っています。
○中西健治君 いろんなアンケート、調査結果を見ていますと、本当はこの企業にいたくないんだけれども、とどまらざるを得ないという方が大変多いようであります。それがために日本人の会社に対する忠誠心というのが大分落ちてきているということでありますので、是非ともこうした転職を阻む壁、これを取り払っていただきたいとお願いいたします。
質問、終わらせていただきます。ありがとうございました。
2020年02月01日 (土)
「新型肺炎対応で首相、『予備費の使用も検討』」
https://www.kanaloco.jp/article/entry-258771.html?fbclid=IwAR1-mhI7AUyFFqaweaJ6SGrt8FRNtqkJo9zEP2sxcw0om3TIUm-aUg7sYfY
「小泉環境相『化石賞』に不満あらわ」
https://mainichi.jp/articles/20200131/k00/00m/010/378000c?fbclid=IwAR2Rn-eDDoMdJsHMJGN3H_-OSAudLjMeaamWGwRTeTJLS8PBB1IBQoIDPSU
昨日の質疑では、この2点がメディアの注目を集めました。
「倒産しても退職金がもらえる制度があることの周知を!」という点も取り上げて欲しかったと思います。
2020年01月31日 (金)
2020年01月31日 (金)
2020年01月17日 (金)
2020年01月01日 (水)
2019年11月20日 (水)
「個人アカウントの友達は5000人まで。公人(政治家)としてのアカウントを作りなさい」というアドバイスをいただき、ゼロからスタートした「参議院議員 中西けんじ(自由民主党:神奈川県選挙区)」↓
https://www.facebook.com/Nakanishi.Kenji.giin/
あれから3年。おかげさまで5000人以上の方にフォローしていただけるまでになりました。より多くの方とつながっていける様に、これからも内容を充実させていきます。
2019年11月14日 (木)
はい。アーリーバードの朝の日課は、1.ニュースのチェック、2.軽い運動、3.字の練習です(^^)/
+++++記事本文+++++
JPモルガン証券で副社長だった中西健治参院議員も手書きに目覚めた一人です。「会社にいたころのやりとりは全てメール。手書きの手紙なんてほとんど書いたことがなかった」と言います。
きっかけは所属する派閥のトップ、麻生太郎副総理・財務相です。「麻生先生の字をみて自分ももっとうまくなりたいと思った」。教本を傍らに毎朝早起きして練習しています。今やペン習字3段の腕前です。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52136740T11C19A1000000/
2019年11月11日 (月)
○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。
これまで一年間は財政金融委員長を務めさせていただき、その前の一年間は法務委員会の理事として、民法改正、成年年齢の引下げですとか相続法の改正、こちらで質疑に何度も立たせていただきました。財金での質疑は二年以上ぶりということになりますので、どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
ちなみに、中西祐介委員長と私、名字が同じで紛らわしいという声をいただいているわけでありますけれども、親族関係はございませんので、親族間で委員長職を引き継いでいるということはございませんので、念のため申し添えておきます。
1.賃上げについてー従業員の声が経営側に届く仕組みを
さて、一問目の質問は賃金の引上げについてであります。
私は、経済政策の最も重要な課題は何かと聞かれたときに、いつも私は、働きたい人に活躍の場、すなわち職を提供することが一番の目的であると、このように答えております。
働くことを通じて生活の糧を稼ぐこと、さらには、社会とつながっている、社会の一員として認められていること、認めている、認められていると思えること、感じられることが多くの人にとって極めて大切だと思うからであります。この雇用の創出、活躍の場の創出という意味では、アベノミクスは大きな成果を上げていると考えております。
しかし、活躍の場を提供して、それで終わりということでは当然ありません。当然のことながら、次の段階として賃金の上昇へとつなげる必要があります。
まず、金融庁にお伺いいたします。 企業から個人に支払われるもの、これは、賃金、そして直接、間接的に配当というものが支払われるということになります。
この、まずは配当でありますけれども、東証一部上場企業の配当総額、まず、二〇一二年三月期、アベノミクスが始まる直前でありますけれども、配当の総額は五・四兆円でありました。そして、直近の二〇一九年三月期、配当総額は十一・八兆円ということになりました。五・四兆円から十一・八兆円、この七年間で倍以上になったということであります。この要因についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
お尋ねの配当総額の増加については様々な要因が考えられるところではありますが、中長期的な企業価値の向上に資するべく、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードが策定されて以降、投資家と企業との建設的な対話が増加しており、そうしたことも配当総額の増加をもたらした可能性があるものと考えております。
○中西健治君 今局長おっしゃられるとおり、スチュワードシップ・コード、そしてコーポレートガバナンス・コード、大きな役割を果たしているんだろうというふうに思います。
この間、外国人投資家が増えて、外国人投資家からの要求も増えたということもあるんだろうというふうに思いますが、九〇年代から二〇〇五年くらいまでは配当総額というのは二兆円ぐらいだったんです。それが今は十一・八兆円ですから、六倍まで増えてきているということであります。
コーポレートガバナンス・コード自体は二〇一五年六月に制定されたものです。割と直近で、割と近いときに制定されているわけでありますが、この議論はもうさんざん随分前からやってきましたので、それが経営者に対する株主からの圧力の高まりということにつながっていったんではないかというふうに考えております。
ただ、このように株主の取り分は増えたのですけれども、これは私、この委員会で度々取り上げていますけれども、世界的に見て労働分配率が元々低い、それが更に下がり続けているという問題があります。
また、政府も、官製春闘などとやゆされる向きもありましたけれども、経済界に対して六年連続で賃上げを要請するだけはなく、さらに、中小企業向けに所得拡大促進税制、大企業には生産性向上のための税制など、賃上げを後押しする政策を推し進めてきております。
しかしながら、なかなか著しい成果につながったとまでは言えないということではないかと思います。
私自身は、自由主義経済体制に生きる者として、政府が民間企業の賃金の上げ下げといったミクロベースの話に口を突っ込むことには抵抗を感じないわけではありません。したがって、賃上げは経営側と労働側の折衝によって決まるものという大原則に異論を唱えるつもりはありません。
しかし、現状を見ると、もはや経営側と労働側の折衝に任せておいてよい段階は過ぎたのではないかというふうにも感じております。それは、就業構造がホワイトカラー中心、サービス業中心へと大きく変化したことで、かつての製造業の現業部門などを中心とした労働組合は今の労働市場とミスマッチを起こしていると感じられるからであります。
よって、もう少し従業員の声が経営側に届く仕組みが必要なのではないかと思います。
株主の声は、コーポレートガバナンス・コードによって経営側に強く届くようになりました。このコーポレートガバナンス・コードの中に、従業員を始めとした株主以外のステークホルダーの権利などに関する記述はあるのでしょうか。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。コーポレートガバナンス・コードの基本原則二において、上場会社は、株主以外にも、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会を始めとする様々なステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。
また、取締役会、経営陣は、これらのステークホルダーの権利、立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化、風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきとされているところであります。
○中西健治君 今おっしゃられたこと、お配りいたしました資料の一ページ、これがコーポレートガバナンス・コードの基本原則でありますけれども、株主以外の部分については、株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努めるべきと、ふんわりと書かれております。
それに対して、基本原則の一では、株主の権利、平等性の確保ということはしっかり書き込まれているということでありますので、このコーポレートガバナンス・コードは非常に役に立っていると思いますけれども、あくまで株主の権利の保護を目的としたものであるということがお分かりいただけると思います。
従業員の声を取締役会に届かせる仕組みを考えるに当たって、まず個々の企業経営と日本経済全体との関係についてちょっと頭を整理してみたいと思います。
デフレの時代には、コストをカットして投資を極力抑えることが正しい経営戦略であります。人件費を単純にコストと考える発想には全く賛成できないものでありますけれども、そう考えてしまった経営者が人件費の削減に至ったことは、利益云々の前に、会社を存続させたい、企業を存続させたい、そして雇用を守っていきたいと、こういう観点からも合理的な部分があったということは認めるべきであろうというふうに思っています。
ただ、個々の企業として合理的な行動が経済学で言う合成の誤謬を引き起こし、日本経済全体にとっては悪い結果、つまり、需要不足を引き起こしてデフレを更に深刻化させてしまったこともまた事実であろうと思います。
しかし、異次元と称される大規模な金融緩和政策が維持される中、機動的な財政出動が行われるなど正しいマクロ経済政策が実行され、デフレからは脱却しつつあると、こういう状況になってまいりました。こうしたデフレから脱却しつつあるという状況の中でコストカット経営をして現預金をため込んでいる、これはいかがなものかと思います。大きな疑問があります。
個々の企業が賃上げをすることによって個人消費という巨大な需要が拡大する。つまり、日本経済をデフレから確実に脱却させるためには賃上げが必要不可欠であると思います。そのためには従業員の声が経営側に届く必要があります。
そこで、今日の質疑では幾つかのポイントについて提言をしたいと思っているわけでありますが、その一つ目として、この賃上げについてはコーポレートガバナンス・コードの改訂をお考えいただけないかというふうに思います。それは、コーポレートガバナンス・コードの中に、従業員との対話を担当し、他の一般の業務を執行しない取締役を置くなどといった文言を入れて、ステークホルダーとしての従業員の権利を明示してはどうかという提言でございます。
これは、他国を私はいろいろ見てみましたけれども、企業組織の在り方というのは国によって異なっていますからそのまま他国の制度が参考になると言えるわけではありませんが、例えばドイツでは、二〇〇四年のいわゆる三分の一参加法により、労働者代表には企業の監査役会の三分の一を占める権利があると定められております。また、昨年改訂されたイギリスのコーポレートガバナンス・コードでは、従業員代表の取締役招聘が三つの選択肢内の一つとして明記をされております。
自由民主党の議員がこういう提案をするのは難があるかもしれませんけれども、是非検討を進めていただきたいと思います。麻生大臣に見解をお伺いします。
○国務大臣(麻生太郎君) そうですね、野党の方が長かったから今みたいな意見が出るのかなと思いながら聞いていないわけじゃありませんけど。
最近、おっしゃるとおり、これは、財政諮問会議においても、賃上げの話を経団連にしているのは自民党というのが実態ですもんね。そして、連合の立場を我々が代表しているんですけど、選挙は民主党ということになっていますので、自民党というのは人がいいんですわなといって僕はいつもからかって、もう五、六年同じようなことを言っていると思いますが。
現実問題として、昔に比べて、労働分配率というものを使われましたけど、労働分配率は、私たち経営者している頃は七五、六%あったと思いますけど、今は七〇切りましたでしょう、六六か七ぐらいに下がっているんだと思いますから。そういった意味では明らかに、今言われたような、流れとしては間違いなくそういう傾向になっているのは確かです。
そうですね、バブルがはじけたと言われますのが、多分、三十年前の令和のあのときが三万八千九百円ですから、あの頃から株価は三万八千円行ったことないので。そういった意味から、あれからずっと日本の賃金と欧米との賃金の比較差を見ても、欧米は百五、六十%まで、もうちょっと上がっているか、七〇%ぐらい行っていると思いますが、日本は一一〇ぐらいのところでずっと低迷している。
この差は何だといえば、それは間違いなく、日本の場合はいわゆる賃金を抑えて自己資本比率を上げる等々のことをやらないとやれない時代が、特に銀行等々でそういう事態になったというのが背景でこの流れができてきたんだと思いますけれども。
いずれにしても、今、現実問題として、この七年間、安倍内閣になってからを振り返りましても、少なくとも給与の伸びが五、六兆、設備投資の伸びが七、八兆に比べて、内部留保が二十兆とか二十五兆とか。一昨年ですか、その前でしたか、四十兆。去年は十八兆ぐらいでしたけれども、そういったような形になってきている背景というのは、やっぱり今までは、じっとお金を持っておきゃ、物価が下がってきますから、金の値打ちが上がったんだと思いますけど、今からそういったようなことではなくなるんじゃないんですかという感じはしますけれども、今のところその習慣が二十年以上続いているんだと思って。
基本的には、随分わんわん言って少しずつ少しずつ二%台のベアなんという言葉が、絶えて久しく聞かなかったベースアップなんという言葉が出てきて、ベアって言葉が通じなかった新聞社もいっぱいいるぐらいですから、随分変わってきつつあるなとは思いますけど、
今言われたように、それをコーポレートガバナンスを使ってやるのかといえば、今既にやれるように書いてはあるんですけど、基本的に経営者の基本的な哲学というか考え方の方が一番の問題なんだとは思いますけれども、どこかがやると何となくみんな上げていくという傾向がこの日本という会社というか社会にはありますので、
そういった意味では、今言われたように、この、そうですね、コーポレートガバナンス、スチュワードシップ・コード、そういったものをてこにして一つずつ上げていくというようなことをやるというのは、これドイツが成功しているとも思いませんけれども、そういった意味で一つのアイデアとしては参考になり得る御意見だと思って伺っておりました。
○中西健治君 コーポレートガバナンス・コードの改訂を通じて、株主だけではなくて従業員の権利にも資するような、そして賃上げ、賃金が上がっていくと、そんなルートも一つのルートとして是非強化していただきたいと、このように思って提言をさせていただいております。お考えいただきたいと思います。
2.マネーロンダリング問題(LEIの普及促進。外国人の銀行口座売買)
(1)LEIの普及促進を
続きまして、マネーロンダリング問題を取り上げたいと思います。財政金融委員会にとっては特に重要な問題であります。二つの具体例を通じて金融庁の姿勢を聞いていきたいと思います。
先週の月曜日から、マネーロンダリングに関するFATFの第四次対日審査が始まりました。前回、二〇〇八年の審査で我が国が大変厳しい評価を受けた苦い経験を御記憶の方も多いと思います。
まず、LEIというものについてお伺いします。
リーガル・エンティティー・アイデンティファイヤーという識別ナンバーなんですが、マネロン対策のポイントというのは、何といっても金融取引の透明性の確保であります。そのために、世界的にはLEIというものの普及が急速に進んでおります。取引主体識別コードと訳されていますが、金融取引などを行う主体を識別するための二十桁の国際的な番号であります。
元々は、リーマン・ショックのときに監督当局でさえ取引のリスクを正確に把握することができなかったという反省に立って、リスクの管理の高度化を意図して考案されたものでありますけれども、取引が透明化されることで、脱税やマネロン、テロ資金対策としての効果が期待されることから、二〇一一年のG20カンヌ・サミット首脳宣言により導入が合意され、世界各国でその利用が始まったものであります。
資料の二枚目、御覧いただきたいんです。
私、二年半前にこのLEIについてこの場で質問をいたしました。そのときの資料が上の資料であります。二年半前の我が国の取得状況を示したのが上の資料、そして下が現在の状況を示したものであります。
当時、私はこの委員会で、こんな状況では次回の対日審査でマネロンに甘い国という指摘を受けかねないと、こう指摘をさせていただいて、利用の促進に力を入れることを強く要望いたしました。しかし、現状は御覧いただいたとおりであります。数は増えたかもしれないけれども、相対的には順位は更に落ちていると、こういう状況になっております。
二年半前に私が指摘した時点で、アメリカの金融機関は既にLEIを取得していない主体との取引をもうやめていました。欧州の金融機関は、昨年一月に、EUの金融規制であるMiFID2が施行されたことで、やはりLEIのない相手との取引を一斉にやめました。したがって、以前はアメリカだけが突出した形となっていましたが、御覧のとおり現在はEU諸国を中心として急速に追い付きつつあります。
ところが、これが嫌なんです。いまだに我が国では、我が国の企業、金融機関が、うちはあんなものを使わなくてもいいですよ、取引しますよなどということを言って金融機関と企業の間での取引が行われ、日本の金融機関はガラパゴス化しているという指摘が多くなされているところであります。
外資系の金融機関の中で、やっぱり本国からの要請で、厳しい要請によって、こうした取引番号を持っていないところとは取引ができない、やりたくてもできないという状況になっています。しかし、我が国の状況はこんな現状であります。この現状をどう見ているのか、金融庁にお伺いします。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。本邦法人等のLEI取得件数を見ますと、御指摘のとおり、足下、件数としては伸びているものの、欧米に比べ普及が十分に進んでいないというのはまさにそのとおりと考えております。その理由としては、金融機関を含め、本邦法人においてLEIの重要性に対する理解がいまだ十分に浸透していないこと、また、LEIの取得及び更新に費用を要することも少なからず影響しているものと考えております。
このため、金融庁といたしましては、当庁職員が講師となってLEIの普及促進を図るセミナーを開催しているほか、この十月からは、LEIの付番業務を行っております東京証券取引所において、取得、更新に掛かる手数料を大幅に引き下げるなどの取組を進めているところであります。
○中西健治君 今お答えのあったとおりで、前進はゼロとは言いません。しかし、アメリカやEUなど主要国では、LEIを制度上必要なものとして定めて、利用を強く促しております。一方、我が国では、あくまでこれまでは推奨ベースと、あくまで取得しましょうねと呼びかけているだけで終わります。そのため、東証一部上場企業、それも相当な規模の企業でも取得しておりません。
しかも、世界は更に前に進んでおります。このLEIをベースに、金融取引の透明化とリスク管理、データの管理や利用を更に高度化することを目的として、ここでは詳しくそれぞれのことは申し上げませんが、来年からUTI、UPI、CDEといったコードなどが国際的に導入されることが予定されております。これは申し上げたとおり、全てLEIを取得していることが前提となっております。
ここで、私の提言でございます。LEIを早急に義務化すべきであると考えます。そして、まず、今の状況を早く解消するために、喫緊の問題として、取得を促す通知などを速やかに発出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中島淳一君) 議員御指摘のとおり、欧米等においては店頭デリバティブ取引の報告制度に関し、金融機関等に取引当事者のLEIの報告義務を課していると承知しております。我が国においても、現在、金融商品取引法に基づく店頭デリバティブ取引報告の記入項目に取引当事者のLEIを追加する準備を進めているところであります。
今後とも、LEIの取得状況や国際的な動向を注視しつつ、国内でのLEIの更なる取得促進のため、ただいま御指摘のありました報告の義務化も含めて、適切に対応してまいりたいと考えております。
○中西健治君 是非、速やかに行っていただきたいと思います。
麻生大臣も、二年半前に、私の質疑に対して、もし数字が伸びていないようであればそのときにはしっかり考えなきゃいけないと、こういうことをおっしゃって、答弁されていましたので、これ二年半たっていますから、私としては、もっと早く、スピード感を持って動いていただきたいと、こう思っておりますので、お願い申し上げます。
(2)外国人による銀行口座の売買問題
もう一つのマネーロンダリングの具体例として、外国人の銀行口座の管理の問題を取り上げたいと思います。
マネーロンダリングを始め、不正な金融取引をやる人間が喉から手が出るほど欲しいのが銀行口座であります。ところが、外国人が口座を売っている、こうしたことを、銀行口座を売っている、聞いたことがある方いらっしゃるんじゃないかと思います。
私、いろんなところで聞いてまいりました。地銀だったら二万円、メガは三万円、インターネットバンキングが付いていたらその倍、さらに、大手でコルレス口座という、いろんな銀行との取引ができるものが、ところは七万円で売れると。外国人が帰国するときに、帰国する前に口座を売っていくんです、二万円、三万円、七万円。それは、帰るときですから大きなお金だと思います。あと、帰る人からすると、これ口コミやSNSで広がっているんですけれども、余り罪の意識というのが感じられないという、もう日本を去るわけですから、そういったことも起こり得るのではないか、起こっているのではないかというふうに思います。
ちょっと資料を御覧いただきたいんですけれども、預貯金通帳等の譲渡の検挙件数、これは警察から取り寄せたデータでありますけれども、五年前のほぼ二倍近くにまで増えております。ただ、この検挙の網をくぐり抜けている件数なんというのは多分相当多いだろうということが想像ができると思いますし、さらに、今後これが非常に大きなスピードで伸びていくということも想像ができてしまうのではないかというふうに思います。
この口座の売買は金融機関を舞台とした犯罪でありますけれども、金融庁としてどこまで実情を把握しているのでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。日本で口座を開設した外国人の中に帰国前に銀行口座を売却してしまうという者がいるという実態があることは我々としても十分承知をしております。件数につきましては、警察の公表されている資料ということになるわけでございますが、先生のお示しになっている資料にあるとおり、これは平成三十年に預貯金通帳の譲渡等として犯罪収益移転防止法に係る罰則を適用された件数でございますけれども、これは日本人、外国人合わせてでございますけれども、二千五百四十六件であったというふうに承知しております。
○中西健治君 申し上げましたとおり、見えていない数というのは大変多いのではないかと思います。そして、これから外国人は増えるわけですから、こうしたことが広まっていけば、級数的に増えていくということになるんじゃないかと思います。
この銀行、金融機関としては、正規の手続を踏んで開いた口座がその後売られて他人に悪用されても、悪事に使われていると銀行が即座に判断するのは非常に難しいということになります。要するに、今は売られてしまったらアウトということになります。
資料の下の段を御覧いただきたいと思います。これは、口座開設時に提示される在留カードであります。御覧のとおり、在留期限が明記されております。そこで、私の三つ目の提言であります。口座を作る段階であらかじめ在留期間の満了日をもって口座の有効期限とすると決めてしまえば、不正な用途に使われることが相当程度防止できるということになるかと思います。
銀行によっては、リスク意識の高い銀行によっては、在留カードの在留期限、これは記録しているところは結構あるんです。ただ、記録しているだけです。それが過ぎれば、資金移動があったらフラグが立つということになっていますけれども、銀行口座を閉めるというところまでには至っておりません。
これは全ての銀行が、金融機関が一斉にやらなければこれは意味がないんです。易きに流れますから、緩いところに流れるということになりますし、一つ一つの金融機関では口座を五年で閉めるという判断も決断もしにくいだろうというふうに思います。ですから、監督官庁が旗を振るべきだと私は思いますけれども、金融庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。今お話がございました期限付の口座ということに関しましては、在留期限の到来前に帰国された場合の取扱いですとか解約時の口座残高の取扱いなど、その導入については更に様々な論点について検討する必要があるというふうに現時点では認識しております。
そうでございますので、現時点におきまして金融庁におきましては、金融機関に対しまして、口座開設時の本人確認の際に在留カードを利用する、それによって帰国される際には口座解約を促すということを促すとともに、それに伴うガイドラインですとか規定の整備に取り組むように要請をしているところでございます。
また、外国人向けに関しましては、十三言語の外国語のパンフレットを作成しております。また、受入先の企業ですとか登録支援機関などの受入先向けのパンフレットも作成しておりまして、そういうところにおきまして、帰国時には口座解約を行う必要がある旨の注意喚起を行っているところでございます。こういうような取組を更に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○中西健治君 それでは緩いだろうというふうに思います。今局長の方は、在留期限前に帰る人もいるから万全じゃないんだと、このようなことをおっしゃられましたけれども、私は、在留期限というのを最長として、期限はここで切りますと、在留期限前に帰られる方の情報、これが、出入国在留管理庁もできたわけですから、そこから届くような仕組みをつくるべきだと、こういうふうに私は次の提言をしようと思っていたんです。
だから、期限はもう切る、その上で帰国情報などがちゃんと共有化できるようにする、そうしたことをしなければいけない、それを金融庁は働きかけるべきなんじゃないでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) 外国人の在留期間そのものにつきましては、個人情報に当たるものでございますので、これを一律に出入国在留管理庁からいただくというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えておりますけれども、金融機関がこの在留カードを確認するということは当然できるわけでございますので、その徹底をまずは促していきたいというふうに考えてございます。
○中西健治君 いや、もうちょい、あれですね、法務省や金融庁、そして法務省の外局でありますこの出入国在留管理庁、さらには警察、ここら辺の情報の共有というのがなされなければ、これは増える一方ということになるだろうと思います。
そして、どこかの番組がまたその実態を取り上げるということになるんじゃないかと思いますよ。ですから、やっぱりその前に主体的に手を打っていくということが私は求められているのではないかというふうに思います。
(3)金融庁の今後の取り組み
この問題全般について大臣にお伺いしたいと思います。
マネーロンダリング対策として、期日管理付口座を日本の全金融機関に一斉に導入できるのは監督官庁だけであります。また、サミットで合意されたLEIの取得を義務化して、業界全体としてマネーロンダリングやテロ資金対策に取り組むよう背中を押すのも監督官庁の重要な役目だと思います。金融機関の役割を超えていると思うんです、これは。
こうしたマネーロンダリングに対して、我が国が全体として、全体としてマネーロンダリングを許さないと、こうした犯罪を許さないということを行っていくためには、やはり申し上げたような省庁横断的な情報の共有も必要になると思います。こうした点について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは御指摘ありましたように、これは金融機関というものにとりましては、これはマネーロンダリングに悪用される危険性が高いという業者なんですので、その監督官庁に当たります金融庁としては、このマネロンの対策についてこれは重要な役割があると考えておりますので、
今言われたようにLEIの話等々、前に比べると少しは進んでいるとはいえ、まあ二十位から二十五位というけど、新しく中国なんか入ってきていますから、いろいろあるので、まあ中国より悪くちゃ話にならぬとかいろんな御意見もこれあるのは知っていますけれども、確実にこれは前に進めていかないと、この間のUNIとかいろいろああいうのが入ってきますので、ユニーク何とかといういろんなあれが入ってきますので、その意味ではこれを更に進めていかねばならぬと、私どももそのように思っております。
その上で、これまでのいろいろ、何ですかね、マネロンの資金供与対策等々で、これ、ガイドラインの策定とか、それに基づいた監督とか検査とかを通じて高度化を促していくんですけれども、やっぱり分かっておられぬ方もいっぱいおられますんですな、これは、正直申し上げて。
それで、外国人の、まず口座を作ることができない外国人労働者もいっぱいいますので、そういった意味では、それをまずは、なぜ作れないかというと、扱う額が小さい上に手間が掛かるから銀行としては全く利益になりませんからというので、ほとんどやりたがらないんです、これは。それで、上ですから、この口座というのは極めて大きな値打ちが、また逆の面で出てくることにもなっているんですけれども。
そういった意味で、マネロン対策というものに対して、このマネーロンダリングというものに、重要性の理解をまず浸透させてもらわなきゃいかぬというところからスタートさせていただいているんですが、いずれにいたしましても、これ、警察庁に限らず、いろいろそこの働いている人の場所から関係からいろんなことに他の省庁とも関係をしておりますので、職員の研修等々、そういったことなんですよという講師を派遣することも行っておるんですけれども。
いずれにいたしましても、引き続いて、このマネーロンダリングというのは、フィンテックが更に進歩してくるといろいろそういったものにいい意味で利用されればいいけど悪用する確率も上がるわけですから、そういった意味では、私どもとしては、他省庁とも緊密に連携をしていく必要があろうと思っておりますので、
その場合においても金融庁の役割が一番大きいところになろうかと思いますので、今の御指摘を踏まえて、こういったものが今後更にインターナショナルになっていく世の中の中においてきちんと対応できるように、更に精査をさせていかねばならぬなと思っております。
○中西健治君 金融機関で行われる犯罪である以上、やはり金融庁が旗を振っていくべきであると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
3.キャッシュレス化の推進
キャッシュレス化について、経産省さんに来ていただいていますので、少しだけ質問をさせていただきたいと思います。
次のページに資料を出させていただきましたけれども、皆さん御存じのとおり、キャッシュレス決済比率というのは日本はかなり低い数字であります。二〇%ぐらいということになっております。しかしながら、資料の下の段ですけれども、カードの保有枚数というのは日本はシンガポールに続いて二番目に多いと。八億枚ぐらいカードがあるということなんですね。クレジットカード等が八億枚ぐらいは持っているということなので、キャッシュレスの手段は大いにあるということであります。
しかも、日本人がキャッシュレス、嫌いかというと、皆さん、SuicaやPASMOを使っていらっしゃる方多いと思いますけど、以前鉄道のあの路線図を見ながら切符を買ったのはいつ頃だろうかと、もうこの前買ったのはいつ頃だろうかと思い出せないという方も多いと思います。ETC、高速道路で使っていない人の後ろに付いて一般のところで待たされると、ちっと言う人も多いと思います。それだけ使い出したら普及するものだろうというふうに思うんですけれども、出だし好調のようであります。十月一日から出だし好調のようであります。
これ、一問だけ聞かせていただきます。来年の六月でこれ切れるということになっています。麻生大臣、記者会見で、それまでに予算が尽きたとしてもやると、こういうようなことをおっしゃっていただいたようでありますけれども、
私がここで申し上げたいのは、こうしたものというのは、やっぱりある閾値を超えると、どっと行くということになりますから、六月までに四〇%というのはきっと無理だろうと、比率は難しいと思います。けど、四〇%、各国並みにするためには、更に延ばす、六か月延ばす、来年いっぱい、若しくは九か月延ばす、来年度いっぱい。いかがでしょうか。経産省にお伺いします。
○政府参考人(藤木俊光君) お答えを申し上げます。キャッシュレスに関しましては、大変、これから伸ばしていくということでございますが、今行っておりますポイント還元は、消費税率引上げに伴う需要平準化ということがございますので期限を設けてやっていくということでございまして、来年夏、オリパラのインバウンド消費ということも見込まれる中で、来年六月末までということで考えているところでございます。
一方で、おっしゃっていますように、今行っておりますことは大きなきっかけではありますが、このキャッシュレスの動きを定着、そして更に伸ばしていくためには、更なる努力が必要だというふうに思っております。カード会社、店舗、ユーザー、様々な角度から、また新しい角度で政策を推進してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○中西健治君 クレジットカードというのは、もう装置産業でありますから使う人が増えても別にコストは掛からないんです。増えれば増えるほど手数料は下がりますから。ですから、手数料を下げるためにも、是非ゲームチェンジャーとして、これからの七月以降も使っていただきたい、そしてゲームを変えるということを是非やっていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
2019年11月10日 (日)