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活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

11/10(木)財政金融委員会(議事録全文:米大統領選、賃上げ、相続税と賃貸住宅)

2016年11月15日 (火)

192-財政金融委員会-3 平成281110

 

○中西健治君 

おはようございます。

 今日は、消費税法の審議ということでありますけれども、昨日の大統領選を受けて初めての財政金融委員会ということになりますので、やはりこの問題から入らざるを得ないというふうに思いますので、この大統領選についてまずお伺いしたいというふうに思います。

 昨日のアメリカ大統領選の結果は、大方の予想に反してトランプ新大統領となることが決まったということでありますけれども、この大統領選の受け止めについて、まず大臣、そしてこの大統領選が世界及び日本に与える影響についての所見をお伺いできればと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

他国の大統領選挙の話なので、私どもとしてこの種のことに関する感想等々を述べるのは差し控えさせていただきたいと思うんですが、大方の予想を裏切ってというのは多分新聞予想を裏切ってというのが正確な表現で、多くの方は、トランプを予想した方も世の中にはいっぱいいらっしゃいますので、そういった意味では、アメリカの新聞予想、特に偏った新聞、まあ名前を挙げると問題ですけれども、偏った新聞予想、テレビもかなり偏ったのがいっぱいありましたけれども、ほとんど間違えていましたので、日本の選挙予測の方がよっぽど当たるなと思いながら見ていて、正直な実感はそんな感じです。

 私どもとしては、いずれにしても、経済面においては、これは日米関係というのは最も重要な関係だろうと思っておりますので、この新政権とともに緊密な経済関係、引き続き継続していくということをまず念頭に置いて考えておきたいと思っております。

 今の時点でと言われても、なかなかまだ組閣をされていませんし、どういった人が財務長官、国務長官、国防長官になるか等々がまだ全く分かっておりませんので、その人たちの組閣を見てこの内閣というかこの大統領の政策の全体像が少しずつ見えてくるんだと思いますので、いましばらく時間が掛かりますが、いずれにしても、中西先生御存じのように、ここ半年間は、政権が替わって、しかも政党も替わっていますから、かなりの時間を要するのはもう毎回のことですから、今回もかなりの時間を要するだろうと思っておりますし、事実、今回の場合は、今までだと大体これがというのがよく出ていまして、そういう名前も挙がっているのは二人ぐらいなものですから、全然分かっておりません。

 ただ、上下両院とも共和党が数を制しておりますから、その意味においては、政権としては前のようにねじれたような状況ではないという点は、我々としてはいろいろ話の仕方としてはあるのではないかと思っております。

 

○中西健治君 

市場の方は乱高下という状況になっておりますけれども、六月のイギリスのEU離脱、このときも乱高下いたしました。

 あのとき、参議院の選挙戦中で、この離脱が投票が行われた日に、私は、余り票にはならないなと思いつつもブログを夜眠い目をこすりながら書いたんですけれども、そのブログで何を書いたかといいますと、九二年にポンド・ショックというのがありました。ジョージ・ソロスとイギリス政府が闘ったと。ひょっとしたら藤巻先生は参戦していたかもしれませんけれども、そういうショックもありました。それから、〇八年には御存じのとおりリーマン・ショックというのもありました。

 この二つに共通しているのは、経済のひずみがどこかに集中していて、リーマン・ショックであればサブプライムという問題が証券化商品という形になって、そして一つのところにマグマのように集中して、そしてそれが爆発してショックになったということで、経済にひずみがあったということでありますけれども、イギリスのEU離脱、これは政治的には大変大きなショックだったというふうに思いますが、経済に大きな問題があったということではないというふうに思います。

それから、今回のトランプ大統領、これも大きな驚きではありますけれども、今のアメリカ経済が悪い状況だということではないだろうというふうに思いますので、過度に悲観することはないというのが私も六月に書いたことであります。

 ただ、気になることは幾つかありますのでちょっと今日はお聞きしたいと思うんですが、選挙戦を通じて、トランプ陣営もそしてクリントン候補もかなり保護主義的な姿勢を示していたのではないかと思います。

イギリスのEU離脱もやはり保護主義的なにおいというのは感じられるものであります。どうも、国を閉ざそうとする誘惑に駆られる傾向、内向きの傾向が世界的に強まっているのではないかというふうに思います。

 ただ、歴史を振り返りますと、経済をオープンにすることによって世界の多くの国が発展を遂げて様々な恩恵を享受してきたということでありますし、その恩恵を多大に享受してきたのは日本経済ということだろうというふうに思います。一方、ブロック経済ということをしたことが、戦前行っていったことが大戦にもつながったということも事実なんだろうというふうに思います。

 ですので、このようなときにこそ我が国は民主主義、自由、人権、法の支配、そして特に市場経済といったこの普遍的価値を守る姿勢を堅持して、むしろこの自由世界の旗手としての立場を貫く、声高に主張していく、こうしたことが必要なんじゃないかと思いますが、そうしたことについて大臣の覚悟と決意というのをお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

今般の大統領選挙における両候補者の発言についてのコメントというのはちょっと避けさせていただきたいと思っておりますし、選挙戦のときに言ったのと終わってから言う話はかなり違っていくのはどこの国でもある話ですから、余り気にするような話ではないんだと、私は基本的にそう思っておりまして、事実、大統領に就任した昨日の第一回目の、私はアメリカ合衆国の大統領になると昨日演説したあの演説で、いきなり株価はどうなったかというのは御存じのとおりですから、そういった意味では、一言というので簡単に変わったものになってくるんだと思っております。

 自由貿易につきましては、やはりさきの大戦が終わるまで、少なくとも国家の持っている領土の大きさに比例して大体経済力が決まっているというのが戦前までの世界の経済というものの常識だったと思いますが、戦後、領土が急激に縮小した国がドイツと日本、その二つだけが急激な勢いで経済力を伸ばしたというのは戦前の経済の常識を完全にひっくり返したんだと思いますが、その根本は自由貿易というものをアメリカがギャランティーしたというのが一番大きかったんだと思っております。

 それから七十年たっておるんですけれども、そのアメリカもだんだんだんだん国力というものが相対的には落ちたことになりますので、そういった中にあって、日本は、やはり、今度のTPPに限らず、きちんとした自由貿易というものは間違いなく弱小国、零細国でもやり方によって極めて大きな経済力を有することになり得るというのを証明した数少ない国の一つですから、日本としては、それをきちんとして、引き続きそれを引っ張っていくぐらいの見識なり矜持を持って臨んでいくぐらいのことは必要なんじゃないかと思っております。

 

○中西健治君 

選挙戦中に言ったことは後で変わるということはよくあることだろうというふうに思いますが、ちょっと、この選挙戦中に言ったこと、これをもう少し取り上げさせていただきたいというふうに思いますけれども、通貨政策に関してトランプ次期大統領はこういうことを言っていました。

 強いドルの概念は好きだが、ドル高は米国経済に大きな損害をもたらし、中国を喜ばせるおそれがある、中国は米国の製造業者に対する競争優位を得るために長年為替操作を行ってきた国であると、こう中国を念頭に置いた形でのドル高批判というのをしておりました。

 一方で、我が国についても、これはもう八〇年代に聞いたようなせりふをまた聞いたなというふうに思うんですが、キャタピラーは円安のせいでコマツと競争ができなくなっている、こんなことも言っておりまして、この両方ともちょっと気になるのは、為替の水準が今の水準ではいけないんだと、こういうことを含意しているということだろうというふうに思います。

 これまで我が国は、G7各国と同様に、為替水準は各国の財政金融政策の結果として自由な市場において決定されるものである、こうしたことを貫いてきたということだと思います。これ、大統領が替わっていろいろと市場の変動はあるかもしれませんけれども、我が国の政策は不変であるということを確認したいと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

重ねて大統領候補の選挙中の個々の発言についてのコメントは差し控えさせていただきますが、その上で申し上げさせていただきますと、今、中西先生言われましたように、G7またG20、OECD、いろいろありますけれども、そういったところで通貨の競争的な切下げは回避すること、また競争力のために為替レートを目標とはしないというのは、これは全員で一致してコミットをしているところでありますので、この点に関しましては他国から十分理解をされているところでもあろうと思います。

 また、過度の変動や無秩序な動きというものは、これは金融とか経済の安定に対して悪影響を与えるという意見に関してもこれ各国全員一致しておりますので、認識は共有されておると思いますが、私どももその方向できちんとやりたいと思っておりますし、また、このトランプという候補者だった人があの発言の次の日に、ほかの局の人から、あれはCNNだったかABCだか忘れましたけれども、聞かれたときに関して、まあしまったと思ったんだと思いますけれども、それを修正することなく、例えば今のキャタピラーの話もそうだし、為替の話もそうでしたし、防衛に関してもフリーライダーだという話を、まあどこかで聞いたような、随分昔の話をしているなと思って聞いてはいましたけれども、次の日に、質問に、あなたがゆうべ、昨日こんなこと言っていたけれどこの視点は違うんじゃないかと質問をされたら、訂正するかと思ったら、サインしながら言ったせりふは同じせりふを四回、アイ・ラブ・ジャパン、アイ・ラブ・ジャパン、アイ・ラブ・ジャパンと四回言ってそれで終わりです。それでもうきれいにこの質問は消えた。

 俺は、答弁ってこれだけで、予算委員会でアイ・ラブ・ジャパンで通れば大したものだなと思ってあれを聞いていたんですけれども、なかなか、修正するに当たってはもう候補者の立場と大統領の立場というのはよく分かっているんじゃないかな、この人はと思いながら、この人は確実になり得る可能性を自分の中に持っている人だなと、あのときあの言葉で確信したんですけれども。

 いずれにしても、私どもとしては、為替というようなものに関しては、基本的には政府が介入するとかいうのは極めて、よほどのことでない限り差し控えないかぬところだと思いますが、今は御存じのように何とかファンドとか巨大な何兆ドルの金が動いているという時代ですので、そういったものに対してきちんとした対応が各国協調してやっていかないとできないという点は確かだと思っております。

 

○中西健治君 

今までにないタイプの指導者ですからどのような手法を使ってくるかは分かりませんけれども、やはり我が国としては正論、正攻法を貫いていくことをお願いしたいというふうに思います。アイ・ラブ・ジャパンというのは、確かに候補者としては、変わり身は早いのかもしれませんけれども、いい答えになっているんだろうというふうに思います。

 それでは、消費税引上げの見送りについて少しお伺いしたいと思いますけれども、内需の腰折れが心配だということで引上げが見送られたということでありますけれども、ちょっと関連して質問していきたいと思います。

 私は、経済政策の最も重要な目的を一つだけ挙げよと、こういうふうに問われましたら、働きたい人に活躍の場を提供することであるということをいつもお答えしております。最近、GDPの数字の信頼性なんというのも少し疑問が呈されておりますけれども、GDPが何百兆だというのはやはり最終目標ではないということだと思います。ましてや物価上昇率も最終目標ではあり得ず、中間目標でしかないということだと思っております。

今の雇用の状況を見てみますと、有効求人倍率が全都道府県で一を超えたということであります。つまり、働きたい人に活躍の場を提供するという最も重要な目的が達成されてきているということではないかというふうに思っております。

 総理も麻生副総理も、総合的な観点からはアベノミクスは道半ばという評価をされておられますけれども、この最も大事な雇用をつくり出す、創出するという点に関しては十二分に成功しているということではないかと思いますが、その点に関する所見をお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

政権交代以降かれこれ四年になろうとしておりますけれども、安倍政権下で、有効求人倍率という言葉が使われますけれども、百人の学生が就職を希望したら、昔は八十社しか求人広告が来なかったものが百三十七社から来るようになった、それが一・三七とか〇・八一という数字の意味ですけれども、そういった状況に大きく変わった。

 高知の県連の幹事長が、高知新聞に求人広告が載った、高知新聞始まって以来だと言って、それがニュースになったというほどやっぱり人が、高知で人が足りないということになったというのは大きいと思いますし、失業率というのが三・〇といえばほぼ完全就職に近いような状況だと思いますので大きく改善をしていると思いますし、就業者数を見ましても百十万人増えておりますし、大きな状況というのは、やっぱり戦後初めてだと思いますけど、とにかく有効求人倍率が全都道府県で一を超えたというのは多分戦後初めてのことだとは思っておりますので、その意味では雇用環境は大きく変わっておると思いますんですが、まだまだやらないかぬことが幾つか残っておると思ってはおりますけれども、今確実に方向としては、数字を見ても正規、非正規、間違いなく正規も増えてきていますので、いろんな意味で変わってきつつある、いい方向に変わりつつあると思ってはおります。

 

○中西健治君 

ただ、おっしゃるとおり雇用は増えているということでありますけれども、アベノミクスの恩恵を実感できないという声があるのもやはり事実だろうというふうに思います。その最大の原因が受け取る賃金が目立っては増えていない、思ったほど増えていない、こんなことにあるんじゃないかというふうに思います。

 アベノミクスによって労働市場の需給は明らかに好転したと思いますし、企業業績も上がってきています。しかし、賃上げにこうして必要なマクロ経済環境がきちんとでき上がってきているのに、ミクロ面を受け持つ企業部門がまだまだデフレマインドにとらわれてしまっていて、その最初の一歩の、この循環の一歩が踏み出せていないということは極めて残念なことじゃないかというふうに思います。

 三月のこの委員会でも指摘させていただきましたけれども、企業が手元に現預金を積み上げて、労使共に賃上げに消極的というようなことが見られるわけでありますけれども、これではGDPの最大項目を占める個人消費に勢いが付くとは思えないという状況であります。

このままでは果たして消費税率を引き上げる環境が整えられるのか不安が残るということだと思います。二年半というのは長いようで短いということは、これまでの二年間もそうだったんじゃないかと思います。

 この状況に関する大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

これは、今、多分最大の関心事、私にとりましてはこれは最大の関心事に近いんですが、確かに、賃金引上げ率三年連続プラスとか実質賃金は八か月連続プラスとか、いろいろなそういったマクロの数字は出てきているんですけれども、例えば、余り使われない言葉で労働分配率という言葉がありますけれども、昔は、こっちは組合員の人がおられるのでお詳しいと思うが、七七、八あったと思うね、違う。今そんな詳しいのはいないのか、ああ随分変わっちゃったんだね。七七、八あったと思いますけれども、今六八切ったでしょう、一〇%ぐらい労働分配率下がっていますよ。

 これはちょっと私らに言わせるといかがなものかと思いますのが一点と、やっぱり過去に比べて企業が税金を、何というの、法人税下げろとか言って、下げた分を何に使ったんですかというと、常識的には配当を増やすか賃金を増やすか設備投資をするか、基本的に企業はその三つのうちのどれかに突っ込むはずなんですけれども、見ますと、三百八十兆ですから、今この三年間で七十四、五兆円内部留保が増えていると思います。

その七十四、五兆円のうちで企業が賃金に回したのは約三兆、設備投資が八兆だと思いますので、そういった意味ではしかるべき賃金がもっと、賃金というのは、何も本給とは言いませんけれども、ボーナスであろうといろんな形で労働者というか働いている人たちに対してやっぱり分配率を上げていかないかぬのだと思っておりますので、三百八十兆円のうち現預金が二百二十兆円に達しておりますから、金利が付かない金ため込んで何するんだと。私正直そう思って、ちょっと正直話していても、何か自信がないのか何か知らぬけれども全然ないし、また、組合員の方も、今おっしゃるように、賃上げってストライキもしないのに組合の会費だけ集めて、その金何しているんですかと思ったことないですか、そちら側の方は。俺はつくづくそう思って、いつも言うんですよ、私は、あんたら何しているんですかと。俺たちが言って賃上げをやって、それで票は民主党で、俺たちはそんな人がいいことをいつまでもやらせ続けるんですかと、私はいつも言い続けているんですけれども。

 是非、こういったものは強い経済をやっていくときに、やっぱり、リーマン・ショックのときを一〇〇としても、あのときからの給料の伸び方を各国比べてみたら、これは日本の伸び率が一番低いですよ、はっきりしていますから、そういった意味では。だから、そういった意味では、きちっとした方向でいかないと、消費というものがGDPに占める比率がこれだけ高いということになってきますと、そこが伸びてくるということは非常に大事なことだ、経済を回復させるためにも大事なことだと、基本的にはそう思っております。

 

○中西健治君 

ありがとうございます。

 高知で求人広告が載ったのが久々だと、ニュースになるということでありましたけれども、横浜の関内、私の事務所の周りのコンビニに行きますと、コンビニの求人広告ありますけれども、昼の時間帯でも時給千百円、こういう千百円というのを見かけるようになりました。ちょっと前から比べると何割も上がっているということなんじゃないかと思います。

それから、景気変動とか労働市場の状況を敏感に反映するパートやアルバイトの給料というのは確実に上がってきているのに、大臣おっしゃられたとおり、給料の部分、これがちょっと上がりが鈍いと、追い付いていないということだというふうに思います。

 これ、働き方の改革というのもそういう点でも大変重要だというふうに思いますけれども、大臣おっしゃられたとおり、これまで政労使会議、三年連続で開かれて、そして賃金を上げる要請をされてきたということでありますけれども、少しは上がっていてもまだまだだということだと思います。

 そこで、私ここで引き合いに出したいのがコーポレートガバナンス・コードなんですけど、企業には社会的責任もあります。そして、このコーポレートガバナンス・コードというのが第二次安倍政権の新成長戦略に入ったのは、これは何も株主の権利を重視するように促すということだけではないということだと思います。

利潤を内部留保としてため込んでしまうのではなくて、配当や設備投資、そして賃金などに反映して、そして成長戦略を描くと、そういうことを促していきたいということなんじゃないかと思います。

 どういう目安をつくるのか、どういう目安を訴えて要請するのかというのはいろいろあるんじゃないかと思います。

企業に単に賃金を上げてくれと言うのだと今のところ動きが鈍いわけですので、大臣がおっしゃられた労働分配率をこれぐらいまで上げなければ、コーポレートガバナンス・コードというのはコンプライ・オア・エクスプレーンですから、こうしたやってくださいと言ったことについてできなければ説明責任を果たさなきゃいけないと、こういうものですので、政府の方から何%上げろということは言いづらいと、ですので目安ということになるかもしれませんが、収益が上がったらそれに見合うように賃金は上げるようにと、こういう要請をして、そしてそれができないのであれば少なくとも説明責任を果たすようにと、こういったことを言っていくのはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

御存じのように、日本という国は統制経済、計画経済をやっているわけじゃなくて自由主義経済をやっておりますので、私どもとしては、少なくとも賃金の水準というものは労使間の交渉によって決められるものであって、第三者の例えば政府とか公共機関がそれに介入していくというのはいかがなものかと、もうずっとそう思っているんですけれども、全然動かぬものですから、政労使会議というのも、これつくるときには、職務放棄されるんですか、労働組合側はと、そう申し上げてえらい嫌な顔をされましたけれども。だって、何をするんですと、俺たちにさせるわけでしょうというふうな話もさせていただいたんですけれども、とにかく官民対話を通じてというような話で、官が介入する話じゃないと思いますけどねとは申し上げたんですけれども。

 今言われましたように事情が事情でありますので、やっぱり賃上げの引上げ率というのは、確かに過去三年間最高になってきたことは確かですけれども、それはこれまでが低過ぎたんだということもひとつ考えてもらわなきゃいけませんし、結果として、先ほど申し上げましたように、内部留保だけじゃんじゃんたまって、毎年二十四、五兆円ずつたまっていっているというのがここ三年間の実態ですから、そういった意味では、私どもとしては、今言われましたように、コーポレートガバナンスというのでやるか、どういうあれを使うかはちょっと考えないかぬところだと思いますけれども。

 いずれにしても、生産性が向上しない限りは賃金は引き上げられませんので、生産性向上に資するということに関しましてはいろんなことにいろいろ支援をしてきたと思っておりますので、民需の主導の経済成長というのを考えたときに、やっぱり個人消費の伸びというのは非常に大きな要素を占めると思いますので、いわゆる未来への投資を実現する経済対策等々を始めとして、今そういった意味では強い経済の実現を目指していろんなことをやっていく中、今言われたように、企業の中におけるそういった労働分配率等々の話を私どもとしては一つの指標として考えるというのは一つのアイデアかなとは思いました。

 

○中西健治君 

是非そういう方向で考えていただければというふうに思います。

 続きまして、資料をお配りさせていただいていますけれども、こちらを御覧いただきたいと思います。

 こちら、九月三十日の日本経済新聞に掲載された記事です。「アパート空室率悪化、泣くオーナー」と、こういう題の記事でありました。これ御覧いただきますと、首都圏のアパートの空室率なんですが、神奈川県が最も高く三七%と過去最高を記録しているということが報じられておりまして、大きなショックを受けたということであります。

 まず、麻生大臣、このグラフを御覧になってどうお感じになられるか、教えていただきたいと思います。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

空室率が上がっているというのは知っていましたけれども、神奈川県が一番というのはちょっと正直知りませんでした。これ、相続税対策、いろんなものがあるという話は聞いてはいたんですけれども、私どもとしてはこれほど数字が急激に上がっているというのは知りませんでした。

 

○中西健治君 

だからこそ私もショックを受けたということであります。こういった統計というのはなかなかないんです、アパートの空室率の統計。ですので、これも政府が出している統計ではありませんけれども、こうしたものを見てやはり少し、というか大きく驚くということになりました。

 三月の当委員会で遠藤局長と議論をさせていただきました。それは何かというと、地域銀行で不動産融資への集中度が上がってきているということを私が指摘をさせていただきました。

人口減少傾向というのは地方でより顕著な中でこの不動産融資の集中度が上がっているというのはいかがなものかと、こうした貸す側のリスク管理に関してお話をさせていただきました。局長の方からは、バブル期の水準にはないけれども伸びが高まっていることは認識されていると、金融機関のリスク管理体制のみならず、賃貸業界向け融資がビジネスモデルとして持続可能なのかという観点までも含めて注視しているという踏み込んだ答弁もいただきました。

 ただ、借金をして賃貸住宅を建てるという現象、もう全国的に起きているということじゃないかと思います。もはや地域金融機関のリスク管理の問題を超えてきているようにも思います。

今後、この金融機関の潜在的な不良債権が大量に生産されて、将来的に金融制度の安定性を損なう種がまかれているのではないかと思いますが、ここら辺、金融庁の改めて認識をお伺いしたいと思います。

 

○政府参考人(遠藤俊英君) 

中西委員御指摘のように、まず金融機関の賃貸ビジネスに関する増加の事実でございますけれども、二〇一六年六月末時点では、銀行貸出し全体の伸びが前年比二・五%である一方、個人、中小企業が営む貸家業向け融資を含めて不動産向け貸出しの伸び、前年比六・七%になっており、増加傾向にあるというふうに承知しております。

 三月の答弁でも御説明させていただきましたけれども、我々もこういった不動産業向けの貸出し、あるいはそれについての集中ということに関して問題意識を持っておりまして、金融機関に対するモニタリングというのを継続しております。特に、金融機関の貸家業向けの融資審査ということについていろいろと金融機関と議論しております。

 金融機関は、将来の収支シミュレーションというものを実施した上で、物件の賃料収入でありますとか、物件の賃料収入以外の借主の収入でありますとか、借主のその他資産の保有状況までも総合的に勘案して、融資対象の物件収支のみならず、債務者の返済能力を重視した融資判断を行っているというふうに理解しております。

こうした融資の実態に鑑みますと、金融機関の健全性という観点からは現時点において必ずしも重大な問題があるというふうには考えておりません。

 ただ、これ債務者は、建設業者から将来の借り上げ家賃の変動リスク等の重要事項について説明を受けて理解することが、これが重要であるというふうに思っております。金融機関におきましても、顧客本位の貸出しを行うという観点からは、借主に対して適切なこのリスクについてのアドバイス、これを行うことが重要ではないかなというふうに考えております。

 金融庁としては、こうした点を踏まえまして、金融機関において顧客本位の良質なサービスが提供されるように引き続き促してまいりたいというふうに考えております。

 

○中西健治君 

ここは是非注意して見ておいていただきたいというふうに思います。

 今局長おっしゃられた家賃保証など、三十年間家賃が保証されているというふうに誤認しがち、誤解しがちです。あれは、二年しか家賃が保証されていないですとか五年ですとか、そうしたものが非常に、というかそれが全てと言っていいかと思います。

しかし、この家賃保証があるんだということで安易に貸家を建ててしまって、しかも借金までして建ててしまうということですと、一般の人がやるんですけど、一般の人はこの場合はもう事業主、事業者ですから、事業としてこれが成り立つのかどうかということ、これはやはり厳しく見ていっていただきたいというふうに思います。

 こうした空き家が増えてしまっている、空室率が高くなってしまっているというのは、先ほど大臣も一言触れていらっしゃいましたけど、やはり相続税と絡む部分というのは大きくあるのではないかというふうに思います。二〇一五年から急増しているということも含めて、この相続税の改正ということも大きく関連しているということだと思います。

 預金、現金は相続税のときは残高の一〇〇%、そして上場株式は被相続人が死亡したときの時価の一〇〇%で評価されて、そして相続税が掛けられるということでありますけど、土地は公示地価の八〇%程度、これを賃貸を目的としますと貸家建て付け地となって更に二〇%下がります、建物も建築費の五〇%程度の固定資産評価額が貸家となれば更に三〇%も下がると、こういうようなことになっております。

つまり、株を持っている人はさっさと売り払って、そして現預金にも留め置かないで不動産に変えて、さらに借金までして、そうすると大幅な節税ができて何か合理的な行動になってしまうと、こんなようなことになっております。

 空き家問題がこれだけクローズアップされている中で貸家がどんどん建てられていて早くも空室に悩んでしまうというのは、それぞれの人の行動は税制上は合理的なのかもしれませんけど、合成の誤謬みたいなものが生じてしまっているということなんじゃないかと思います。

 これは、ちょっと大臣、大づかみの話で結構ですけど、税制によって社会全体として適切かつ合理的な資産配分がゆがめられてしまっているということなのではないかというふうに思うんですが、この辺どうお考えになられますでしょうか。

 

○国務大臣(麻生太郎君) 

今言われました賃貸アパートというのの、その敷地に係る相続税ですけれども、当然賃貸アパートということになると自分で使えない、自由範囲が制限されますので、そうすると、当然のことで評価額が減額される、もうこれは当たり前の話なんだと思いますが、今言われましたように、賃貸アパートで約三割、その敷地は借地割合に三割を掛けた割合がそれぞれ減額されることになっておるというのはもう御存じのとおりなので、借地権割合は土地によって異なりますのでいろいろ違うんですけれども。

 いずれにしても、この制度を利用して相続税対策というのが行われるというのは分からぬことはないんだと思いますが、そういった報道があるということも承知をしておりますけど、ちょっと実態についてはまだ精査しておりませんので、この辺は実態をよく精査する必要があるのではないかなと、伺っていてそう思いました。

 

○中西健治君 

是非、精査して、改めるところは改めていっていただきたいと思います。節税のためにタワーマンションを買っていて、この固定資産税については見直しを図るというようなことが国税庁の方で検討されているということでありますけれども、これは何も固定資産税だけではなくて、相続税のところでもしっかりと改めるところは改めるということが必要なんじゃないかというふうに思います。

 最後に、保険について質問しようと思っておりましたけれども時間が限られてきましたので、保険については、保険を販売するときの保険料の開示というものが十月一日からメガバンクを始め多くの銀行でされるようになりました。五月の委員会で私も取り上げさせていただいて、そして金融機関に促していくと、こうしたことを金融庁していったということだと思いますが、実際にこういう開示が始まったということについては高く評価をしたいというふうに思います。

 それだけ申し上げまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

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