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活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

4/17 法務委員会(人事訴訟法等の一部を改正する法案:動画・速記録)

2018年04月18日 (水)

昨日(4月17日)の法務委員会の動画(約15分)と質疑の速記録です。
人事訴訟法等の一部を改正する法案に関して、国際裁判管轄問題(国際的な離婚、養子縁組、相続など)、国際裁判の準拠法、外国での判決の執行、親権に関する取扱いなどについての質疑を行なっています。

<速記録>
1.国際裁判管轄法制整備の国際的な位置付け
(1)国際裁判管轄については条約で
○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 本日は人事訴訟法、家事事件手続法の改正案、これについて質疑を行うということでありますけれども、国際的な要素を有する人事に関する訴え、例えば国際的な離婚ですとか養子縁組ですとか相続などの案件について、どのような場合に日本の裁判所が管轄権を有するのかということを定めるということでありますが、こうした管轄権についての法案の審議のとき私いつも思うんですけれども、本来条約によって決めるべきものなのではないかということをいつも思います。
 この本源的な疑問について、法務大臣の方からお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(上川陽子君) 国際裁判管轄法制は自国の裁判所の管轄権がいかなる範囲に及ぶかを定めるものでありまして、各国がその国内法において規定することができ、現にそのような取扱いをしている国が少なからず存在しているというものと認識しております。

 例えば、ドイツ、フランス、韓国等におきましては、国内法によりまして、国際裁判管轄に関する規律が明らかにされているところでございます。御指摘のとおりでございますが、国際裁判管轄に関する規律が条約により定められれば、各国の法制の抵触を防ぐことができ、また法的安定性を確保する観点からも望ましいものと考えられるところでございます。

 しかし、国際裁判管轄につきましての各国の法制の在り方は必ずしも一致しているものではございません。特に身分関係に関わる制度につきましては、文化的、社会的背景に基づく差異があるのが現状でございます。そのため、このような現状に鑑みると、近い将来、国際裁判管轄についての一般的かつ広範なルールを定めた多国間条約が作成されることは期待することがなかなかできないという状況にあるというふうに言えます。

 そこで、今般、国内法を整備することによりまして、人事訴訟事件及び家事事件につきましての国際裁判管轄法制を整備することといたしたところでございます。

(2)「国際裁判管轄に関するハーグ条約」を批准していない理由
○中西健治君 条約があれば法的安定性を確保する意味からも望ましいというお答えでありましたけれども、国際裁判管轄の合意に関するハーグ条約という条約があります。名称としてはそのものずばりの条約かなというふうに思います。

 EUやアメリカなどを含めて三十か国ぐらいが署名ないし批准を行っているという状況のようでありますけれども、このハーグ条約では国際的な人事案件には対応できないということでしょうか。

○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。今委員御指摘のこの国際裁判管轄の合意に関するハーグ条約でございますけれども、ハーグ国際私法会議におきまして二〇〇五年に採択されて二〇一五年に発効したものでございます。

 この条約でございますが、国際的な商取引の、当事者間で選択した裁判所のみに管轄を認めてそれ以外の裁判所の管轄を排除するという専属的管轄合意を適用範囲とするものでございます。この条約でございますけれども、商取引の当事者間の専属的管轄合意の有効性を保障するものでございまして、そのような合意に基づく訴訟において下された判決の承認及び執行についても規律しております。

 この条約でございますけれども、その規定の内容が、この外国判決の承認、執行についての我が国の民事訴訟法等の規定と異なる点があります上に、また現在の国際商取引の実務に合致したものであるか否か、こういった点につきましても慎重な検討を要するものと考えられます。このため、我が国は現在のところこの条約を締結していないという状況でございます。

 またさらに、この条約でございますが、先ほど申し上げましたとおり、国際的な商取引の当事者間の専属的管轄合意を適用範囲とするものでございまして、国際裁判管轄一般についてのものではございません。また、婚姻関係や相続などの家族法上の事項につきましては適用対象外とされております。したがいまして、人事訴訟事件及びこの家事事件の国際裁判管轄については、この条約では対応することはできないというものでございます。

2.国際裁判における準拠法と執行
(1)準拠法の問題
○中西健治君 家事事件などには対応、この条約ではできないというお答えでありました。そして、大臣の方からは、諸外国でも韓国やドイツなど国内法によって規定を定めているということでございました。

 今回、管轄権については定められるということになりますけれども、管轄権とはまた別個独立した問題で準拠法というものがあります。

日本の裁判所が取り扱うことにはなるんだけれども、じゃ、準拠法は必ずしも日本の法律とは限らないと、これは別個の独立した課題ということの問題だということなんじゃないかと思いますが、そこで、我が国の裁判所が裁判をする場合において、準拠法はどのように決まるのかということ、これらについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。我が国の裁判所に提起されました訴えにつきましてその国際裁判管轄が認められると、こういう場合におきましては、その事件に適用されるべき法律、すなわち準拠法がいずれの国の法律になるのかどうか、こういう点につきましては、法の適用に関する通則法等の国際私法によって定められることとなります。

 具体的に申しますと、例えば夫婦の一方が他方に対して離婚の訴えを提起した場合、被告の住所が日本国内にあるときは、改正後の人事訴訟法の規定によりまして、我が国の裁判所に国際裁判管轄が認められることとなります。

そして、離婚請求が認められるか否かにつきましては、一般論としましては、法の適用に関する通則法の二十七条によって定められます準拠法によって判断されることとなります。

 例えば、当該夫婦が外国人同士という場合でありますれば、この二十七条本文の規定によりまして、この夫婦の本国法が同一となりますので、その本国法、すなわち外国法が準拠法となります。

他方、原告が外国人でありましても日本に住所を有する被告が日本人であると、こういった場合には、この二十七条のただし書の規定によりまして日本法が準拠法となると、こういったようなものでございます。

(2)外国法が適用される事案への対応
○中西健治君 今、例にありましたとおり、日本に居住している外国人同士の裁判など、離婚裁判などというのもあるわけでありますが、実際に平成十七年に東京地裁でアメリカのテキサス州法が適用されて離婚請求が認容されるという事例がありました。

今後、外国法を準拠法とする事案というのも増えてくるのではないかと思いますが、それについてどのように対応されていくのでしょうか。

○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。先ほど申し上げましたとおり、我が国の裁判所に管轄権が認められる場合、どの法律が適用されるのかと、準拠法につきましては、国際私法、法の適用に関する通則法等の国際私法によるということになります。

 そういった国際私法に基づきまして外国法が準拠法となるような事案におきましては、裁判所におきまして当該外国法の内容を調査する必要がございます。

この調査でございますけれども、基本的には裁判所が職権で行うものとされておりますけれども、実務上は事件の当事者や代理人の弁護士がその訴訟手続の中で外国法の内容に関する資料を提出することがあるものと承知しております。

また、裁判所が外国法の内容を調査する方法としては、公刊されている文献の調査をする、こういった方法のほかに、外国の領事館等に調査の嘱託をする方法などが考えられます。こういったことでこの準拠法の調査がされるというふうに理解しております。

(3)判決の外国での執行
○中西健治君 管轄権、そして準拠法というものについてお伺いしましたけれども、続きまして、判決の外国での執行ということについてお伺いしたいと思いますけど、日本の裁判所が管轄して、そして日本の裁判所で勝訴の判決を得たとしても、その判決を外国で執行できるかどうかはまたまた別問題ということになるかと思います。
当該国の外国での判決の承認ルールに左右されてくるということになります。

 今回、どのような場合に日本の裁判所が管轄権を有するかが明文化されるということになりますけど、これはこれで予見性を高めるという意味で高く評価できるものだというふうに思いますけれども、判決の実効性が他国において担保できるのかという懸念は残ってくるということになるかと思いますが、その点について、現在の状況はどのようになっているのか、御答弁いただきたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。委員御指摘のとおり、日本の裁判所でされました確定判決が外国で効力を有するか否か、こういった点が問題となることがあります。

 典型的な場面といたしましては、例えば、日本において離婚訴訟がありまして、そこに勝訴した原告が外国において再婚をしたいと、こういった場合に、その従前の婚姻関係が解消されているかどうか、こういったことの確認を当該外国から求められる、こういった場面もございます。

 まず、ある国がどのような場合に外国の裁判所の判決の効力を認めるかという問題につきましては、これは本来、各国がその国内法におきまして自由に規定をすることができるものでございます。

したがいまして、仮にある国におきまして外国の判決を承認する制度が設けられていないと、こういったような場合には、日本の裁判所でされた判決の効力はその国では生じないということにもなるわけでございます。

 もっとも、主要国では、我が国と同様に一定の要件の下で外国の判決の効力を承認する制度を設けているというふうに承知しております。したがいまして、そのような制度の下では、その国で定められた要件に該当するか否か、こういったような問題は存しますが、その要件を満たせば日本の裁判所でされた確定判決はその国でも効力を有することとなりますので、その意味でその判決の実効性が担保されると、このように考えております。

3.法律案の規定について
(1)親権に関する審判事件の取り扱い
○中西健治君 ありがとうございます。今回の法案の個別具体の規定について一点お伺いしたいと思うんですが、それは親権に関する審判事件の取扱いということでございます。

法案を読んでいて少し矛盾がひょっとしてあるのではないかというふうに思いましたので、質問をさせていただきます。

 家事事件手続法第三条の八という条項によりますと、親権に関する審判事件などについて、子の住所、住所がない場合又は住所が知れない場合には居所が日本国内にあるときは日本の裁判所が管轄権を有すると、このようにされております。

住所か居所がある場合に管轄権と、こういうふうにされているわけであります。

それに対して、人事訴訟法第三条の四によりますと、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えに対して管轄権を持つ場合には、その夫婦の子の親権者の指定についての裁判に係る事件については管轄権を有すると、このようにされています。

この人事訴訟法の条文によりますと、子の住所の有無にかかわらず日本の裁判所が管轄権を有することと、こういうふうに読めるんじゃないかというふうに思います。

 家事事件手続法とこの人事訴訟法、二つの規定に矛盾があるようにも感じられますけれども、この点はいかがでしょうか。

○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。改正後の家事事件手続法の三条の八におきましては、親権に関する審判事件あるいは子の監護に関する処分の審判事件につきましては、子の住所、住所がない場合又は住所が知れない場合には居所ということになりますけれども、これが日本国内にあるときに日本の裁判所が管轄権を有するものとしております。

 この規定が適用されます典型的な場面といたしましては、父母が離婚する際に一旦子供の親権者が定められたものの、離婚から一定の期間が経過した後に父母の一方が親権者の変更や子の監護に関する処分の審判を求めて申立てをしたという場面が想定されます。このような場面を想定しまして、子供の住所、子の住所等を管轄原因としておりますのは、親権に関する審判事件におきましては裁判所が子の生活状況等を十分に調査する必要がある、しかしながら、あるところ、子の住所が日本国内にあれば、我が国の裁判所がその調査を実効的にすることができ、適正かつ迅速に審理、裁判をすることができると考えられるからでございます。

 他方で、父母が離婚する際には、あわせまして、その子供の親権者や監護の在り方が同時に決定されることが子の利益に資するものと考えられます。そういった観点から、改正後の家事事件手続法三条の四におきましては、離婚の訴えについて我が国の裁判所に国際裁判管轄が認められる場合に、子の親権者の指定や子の監護に関する処分についても管轄権を認めるものとしております。

 そして、その離婚の訴えが係属する裁判におきましては、一般的に申しますと、当該夫婦のこれまでの家庭環境に関する資料が提出されることとなりますけれども、ここには子の生活状況等に関する資料が含まれるのが通常でございますので、子の住所等が日本国内になくても当該裁判所が親権者の指定や子の監護に関する処分について適正かつ迅速に審理、裁判をすることができると考えられます。

 このように、委員御指摘の二つの規定でございますが、それぞれ想定されています異なる場面におきまして、子供の利益の保護を考慮して子供の親権者の指定等に管轄原因を定めたものでございまして、矛盾するものではないというふうに考えております。

○中西健治君 想定される場面が違うということでありました。私の方はこれで質問の方を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 
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