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活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

質問主意書≪安保法制⑧吉國長官答弁≫

2015年06月29日 (月)

 

議長提出:2015年06月29日

内閣転送:2015年07月01日

回   答:2015年07月07日

昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会における吉國内閣法制局長官答弁に関する質問主意書

政府は、平成二十七年六月九日の「新三要件の従前の憲法解釈との論理的整合性等について」において、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)で示された「武力の行使」の三要件(いわゆる新三要件)は、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会へ政府が提出した「集団的自衛権と憲法との関係」で示された政府見解(以下「昭和四十七年の政府見解」という。)の基本的な論理を維持したものであると主張する。

そして、昭和四十七年の政府見解が提出されるきっかけとなった昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会において、吉國一郎内閣法制局長官(当時)は「憲法の前文においてもそうでございますし、また、憲法の第十三条の規定を見ましても、日本国が、この国土が他国に侵略をせられまして国民が非常な苦しみにおちいるということを放置するというところまで憲法が命じておるものではない。第十二条からいたしましても、生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利は立法、行政、司法その他の国政の上で最大の尊重を必要とすると書いてございますので、いよいよぎりぎりの最後のところでは、この国土がじゅうりんをせられて国民が苦しむ状態を容認するものではない。」との答弁を行っている(以下「吉國長官答弁」という。)。

吉國長官答弁に関して、私が本年六月十八日に「昭和四十七年の政府見解における「自衛の措置」及び「外国の武力攻撃」に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第一七〇号。以下「本件質問主意書」という。)を提出したところ、本年六月二十六日の政府答弁書(内閣参質一八九第一七〇号)一についてで、「(吉國長官答弁における)「第十二条」は、「生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利は立法、行政、司法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする」旨を規定している憲法第十三条のことであると考えられる」(以下「答弁①」という)、二についてで、「(吉國長官答弁における)「日本国が、この国土が他国に侵略をせられまして」及び「この国土がじゅうりんをせられて」という部分は、吉國一郎内閣法制局長官(当時)が、我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたものと認識している」(以下「答弁②」という。)との答弁があった。

しかし、本件質問主意書で求めていた憲法第十二条から第十三条への訂正については、答弁①で「憲法第十三条のことであると考えられる」と述べるにとどまり、訂正するか否か明らかでない。とりわけ、吉國長官答弁は、昭和四十七年の政府見解の解釈を巡り、衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会においても度々言及されており、集団的自衛権を巡る今後の議論を整理する上で、議事録の訂正まで行う必要があると考える。

また、吉國長官答弁は、憲法前文及び第十三条の条文解釈という形をとっているため、答弁②で示された吉國内閣法制局長官の答弁に対する政府の認識(「我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたもの」)が、憲法前文及び第十三条の条文解釈にまで及ぶのかが問題となる。

以下、質問する。

一 政府は、吉國長官答弁における「第十二条」を「第十三条」に訂正しないのか。仮に訂正するのであれば、昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会の議事録も訂正する必要があると考えるが、政府の認識はいかがか。

二 答弁②で示された吉國内閣法制局長官の答弁に対する政府の認識(「我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたもの」)は、吉國長官答弁における憲法前文及び第十三条の条文解釈にまで及ぶか。仮に、及ばないというのであれば、答弁②で示された政府の認識と吉國長官答弁における条文解釈の関係をいかに理解すればよいのか、明らかにされたい。

右質問する。

参議院議員中西健治君提出昭和四十七年九月十四日の参議院決算委員会における吉國内閣法制局長官答弁に関する質問に対する答弁書

一について

先の答弁書(平成二十七年六月二十六日内閣参質一八九第一七〇号。以下「先の答弁書」という。)一についてでお答えしたとおりである。

二について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、先の答弁書二についてでお答えしたとおり、御指摘の答弁の「日本国が、この国土が他国に侵略をせられまして」及び「この国土がじゅうりんをせられて」という部分は、吉國一郎内閣法制局長官(当時)が、我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたものと認識している。

 

≪提出にあたって≫

政府が、限定的な集団的自衛権行使の根拠として主張する昭和47年の政府見解を提出するきっかけとなった、吉國一郎内閣法制局長官(当時)の発言について、質問主意書を提出しました。

吉國一郎内閣法制局長官(当時)は、昭和47年9月14日の参議院決算委員会において、憲法前文及び第13条の条文解釈として、「日本国が、この国土が他国に侵略をせられまして国民が非常な苦しみにおちいるということを放置するというところまで憲法が命じておるものではない。(中略)いよいよぎりぎりの最後のところでは、この国土がじゅうりんをせられて国民が苦しむ状態を容認するものではない。」と答弁しています。

この「侵略」及び「じゅうりん」について、「我が国に対する武力攻撃に限定されるのか。」と尋ねたところ(平成27年6月18日質問主意書)、政府から「吉國長官が我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたものと認識している。」との答弁がありました(平成27年6月26日政府答弁書)。

政府は、限定された集団的自衛権を導く前提として、昭和47年の政府見解が言及する「外国の武力攻撃」とは、我が国に対する武力攻撃に限定されない(他国に対する武力攻撃の結果、我が国に対する重大な影響を及ぼす場合も含みうる)と説明しています。

そのため、吉國長官答弁における「我が国に対する武力攻撃を念頭に置いたもの」という認識が、昭和47年の政府見解で示された憲法前文や第13条の条文解釈にまで及びうるのかが問題となります。

あわせて、吉國長官答弁の中には、憲法「第12条」と「第13条」を誤ったと思われる部分も見受けられるため、その訂正も問題となります。

そこで、以下の点について、質問しました。

①政府は、吉國長官答弁における憲法「第12条」を「第13条」に訂正しないのか。

②「我が国に対する武力攻撃を念頭に置いたもの」という吉國内閣法制局長官(当時)の認識は、憲法前文及び第13条の条文解釈にまで及ぶのか。

政府の主張する憲法解釈の変更については、憲法学者や内閣法制局長官経験者からも疑義が示されています。政府の主張する憲法解釈の変更は許されるのか、憲法の条文解釈という切り口から追及して参ります。

 

≪回答を受けて≫

政府の答弁は以下の通りとなります。

①政府は、吉國長官答弁における憲法「第12条」を「第13条」に訂正しないのか。

→平成27年6月26日政府答弁書でお答えしたとおりである。

②「我が国に対する武力攻撃を念頭に置いたもの」という吉國内閣法制局長官(当時)の認識は、憲法前文及び第13条の条文解釈にまで及ぶのか。

→ご指摘の部分は、吉國内閣法制局長官が、我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたものと認識している。

前回の答弁書を補足する意味で「訂正」や「条文解釈」という切り口から、改めて質問主意書を提出いたしましたが、極めて短い言葉で同じ内容を繰り返すだけの答弁となってしまいました。

今後は委員会審議を通じて、政府の見解を質していきたいと思います。

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