中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年05月21日 (木)
5月19日(火)参議院財政金融委員会において、東京証券取引所が5月13日に発表しましたコーポレートガバナンス・コードについて質問しました。
コーポレートガバナンス・コードとは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための原則を定めたものです。
コーポレートガバナンス・コードは、意思決定過程の合理性を確保することで、経営陣をリスク回避的方向への重圧から解放し、健全な企業家精神を発揮しつつ経営手腕を振るえる環境を整えることを狙いとしており、旧みんなの党においても、コーポレートガバナンス・コードの策定を望んでおりました。
【参照】東京証券取引所「コーポレート・ガバナンス」
http://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/
コーポレートガバナンス・コードの実施に先立ち、パブリック・コメントの募集が行われ、コーポレートガバナンス・コードの公表に当たっては、寄せられたパブリック・コメントへの考え方も合わせて公表されました。
【参照】東京証券取引所「『コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備について』に寄せられたパブリック・コメントの結果について」
http://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/nlsgeu0000007k0q-att/20150513-1.pdf
ところが、公表直後の5月14日、「パブリック・コメントの結果について」というPDFファイルを文書のプロパティを調べたところ、本来、東京証券取引所が作成すべき文書であるにもかかわらず「Company 金融庁」というクレジットが残っていました。不審に思い、電子メールにて金融庁へ「パブリック・コメントの結果について」の作成過程における関与を尋ねたところ、翌15日に何の説明もないまま、文書のプロパティから「Company 金融庁」のクレジットが消えていました(資料①および②参照)。
一連の経緯からは、本来、東京証券取引所が作成すべき「パブリック・コメントの結果について」を金融庁が作成したために金融庁のクレジットが残った、中西事務所から問い合わせがあったために文書のプロパティに気づき、あわてて金融庁のクレジットを消した、という疑念が生じます。また、東京証券取引所が作成すべき文書のプロパティに金融庁のクレジットが残ってしまうほどの結びつきは、監督者である金融庁と監督を受ける立場にある東京証券取引所の管理監督関係を損なうことにもなりかねません。
そこで、以下の2点についてお尋ねしました。
①「パブリック・コメットの結果について」を作成したのは誰か。どうして金融庁のクレジットが残ったのか。なぜ、翌日に金融庁のクレジットが消えたのか。
②一連の金融庁と東京証券取引所の結びつきは、金融庁の管理監督関係を損なわないか。
①については、金融庁より
「作成したのは東京証券取引所である。」
「東京証券取引所と金融庁でコーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議の共同事務局を担った関係で、パブリック・コメントの結果の素案についても担当者同士でやり取りしており、その過程で金融庁のクレジットが残ったものと考えられる。」
「東京証券取引所では、PDFファイル等のプロパティを削除してから公表することとされているため、プロパティ情報が削除されていないことに気付いた担当者が5月15日にファイルを差し替えた。」
②については、麻生大臣より
「この種の誤解を招かないように、今後とも十分に東証と詰めていくという対応が必要なんだと思います。」
「そういったような形でプロパティのところに少なくとも金融庁の名前が残るということは好ましくない、はっきりしております。」
とのご答弁をいただきました。
細かいところを見ているなと思われるかもしれませんが、細部にこそ真実が宿る、ということでもあります。今後も細部にまで目配りをして金融市場の発展に貢献して参りたいと思います。