中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年02月02日 (月)
議長提出:2015年02月02日
内閣転送:2015年02月04日
回答 :2015年02月10日
いわゆる支出官レートに関する質問主意書
平成二十七年一月十日付けの東京新聞朝刊記事において、「政府が二〇一四年度予算編成に当たって設定した為替レートが、実際の相場より円高の水準に設定され、追加的な財政負担が生じていることが分かった。」旨の報道がなされている。
平成二十七年一月十六日の財務省告示第二十六号により、アメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官事務規程第十一条第二項第四号に規定する外国貨幣換算率(以下「支出官レート」という。)は平成二十七年四月一日以降一ドルにつき百十円と定められたが、昨年十二月以来アメリカ合衆国通貨と本邦通貨の実勢為替レートは一ドルにつき百十六円から百二十円で推移しており、実勢為替レートと支出官レートとの乖離が著しい。
そこで以下質問する。
一 いかにして平成二十七年度におけるアメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官レートが一ドルにつき百十円と決定されたのか。具体的な金額を明らかにしつつ、一ドルにつき百十円と導いた算出過程を明らかにされたい。
二 平成二十六年度におけるアメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官レートはいくらか。また、いかにして当該支出官レートが決定されたのか。具体的な金額を明らかにしつつ、平成二十六年度における当該支出官レートの算出過程を明らかにされたい。
三 平成二十五年度におけるアメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官レートはいくらか。また、いかにして当該支出官レートが決定されたのか。具体的な金額を明らかにしつつ、平成二十五年度における当該支出官レートの算出過程を明らかにされたい。
四 平成二十四年度におけるアメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官レートはいくらか。また、いかにして当該支出官レートが決定されたのか。具体的な金額を明らかにしつつ、平成二十四年度における当該支出官レートの算出過程を明らかにされたい。
五 平成二十三年度におけるアメリカ合衆国通貨と本邦通貨の支出官レートはいくらか。また、いかにして当該支出官レートが決定されたのか。具体的な金額を明らかにしつつ、平成二十三年度における当該支出官レートの算出過程を明らかにされたい。
六 仮に、前記一から五における平成二十七年度支出官レート、平成二十六年度支出官レート、平成二十五年度支出官レート、平成二十四年度支出官レート及び平成二十三年度支出官レートにおける各算出過程が異なる場合、いかにして支出官レートの算出過程の客観性を担保するつもりであるのか、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
参議院議員中西健治君提出いわゆる支出官レートに関する質問に対する答弁書
一から五までについて
支出官事務規程(昭和二十二年大蔵省令第九十四号)第十一条第二項第四号に規定する外国貨幣換算率(以下「支出官レート」という。)については、毎年度の予算編成において、過去の一定期間の為替相場の平均を踏まえ設定している。
平成二十七年度予算における本邦通貨とアメリカ合衆国通貨の支出官レートについては、予算編成時における直近三か月間の為替相場の平均を踏まえ一ドル=百十円としたところである。
また、お尋ねのその他の年度についても、過去の一定期間の為替相場の平均を踏まえ、平成二十三年度予算においては一ドル=八十九円、平成二十四年度予算においては一ドル=八十一円、平成二十五年度予算においては一ドル=八十二円、平成二十六年度予算においては一ドル=九十七円としている。
六について
平成二十三年度から平成二十七年度までの予算における支出官レートは、いずれも、外国為替相場の動向等を踏まえ、過去の一定期間の平均により設定しているものであり、問題はないものと考えている。
≪提出にあたって≫
予算における為替見通しである「支出官レート」の算出方法について、質問しました。
政府は予算を編成するに当たり、当該会計年度の為替レートを設定します(支出官レート)。
しかし、実際の為替レートが支出官レートと乖離することも少なくありません。
実勢為替レートが支出官レートよりも円高となった場合には、剰余金は国庫に返納されますが、逆に円安となった場合には、貨幣交換差減補填金によって穴埋めする必要が出てまいります。
このように予算編成に不可欠な支出官レートですが、その算出方法については、不明朗な部分が少なくありません。
たとえば
平成27年度の支出官レート(1ドル当たり110円)については、平成26年9月~11月の「3か月間」の為替相場の平均値から算出した
平成26年度の支出官レート(1ドル当たり97円)については、平成25年1月~10月の「10か月間」の為替相場の平均値から算出した
というように、直近2年間だけでも不均衡があるように伺っております。
支出官レートは、為替の関わる予算編成に不可欠な数値であるため、その算出方法には高度な客観性が求められます。
そのため、年度によって、算出方法が異なるようでは算出方法の客観性を満たせるか疑問です。
そのため、過去5年間の支出官レートの算出過程の確認を通じて、算出方法の客観性を質してまいります。
≪回答を受けて≫
過去5年間の支出官レートについて、①各年度の金額と②各年度の算出過程について尋ねました。
①各年度の金額についての答弁はありましたが、②各年度の算出過程については答弁はなされませんでした。
②算出過程について、平成27年度の支出官レートは「直近3か月の為替相場の平均を踏まえ」とありますが、その他の年度については「過去の一定期間の為替相場の平均を踏まえ」と一緒くたにされ、各年度の算出過程は明らかにされませんでした。
質問主意書は同一テーマについて3回まで提出可能です。
このような意図的な答弁漏れは、近日中にあらためて質問主意書を提出して質してまいります。