中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

2018年06月29日 (金)

6/28 参議院法務委員会(配偶者居住権、自筆証書遺言保管:動画・速記録)

昨日の法務委員会の動画(20分)と速記録です。

「配偶者居住権」は、残された配偶者の「老後の安心感」を高めるものとして大いに評価しているのですが、場合によってはやや厳しい事態となってしまうことも想定されるため、その点への配慮を求める質疑となっています。
数字が出てきたりして、若干細かい話になりますので、詳しくは速記録をご参照ください。

○中西健治君 
おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 約四十年ぶりの相続法制の改正ということでありますけれども、私、地元の国政報告会などでよくこれについてお話をしますが、関心が極めて高いということではないかと思います。

 配偶者居住権の創設、遺言書の保管、さらに介護をした方への、どのように報いるかというようなことについて、全て関心は高いんですが、特に配偶者居住権について大きな関心が寄せられているなということを感じます。
 
私、いつも申し上げるのが、高齢社会の中で相続も大量に発生していると。そこで、大変増えているのが高齢の独り暮らしの女性であると。なぜ女性かというと、平均寿命が男性に比べて七歳ぐらい長いということもありますし、それに加えて、結婚する年齢が男性の方が女性より二歳ぐらい高いということです。

 男性は遅く結婚して早く亡くなるということでありますから、これ足し上げて、女性が平均して九年、十年一人で住むということになってくるわけですので、住む場所の確保とそして生活費、これに対して何らかの手当てをしてくれと、こういう関心が高いのだろうというふうに思います。
 そこで、まず大臣に、この約四十年ぶりの相続法制の改正の背景や意義についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(上川陽子君) 
相続法制につきましては、ただいま委員の御指摘のとおり、昭和五十五年に改正が行われて以来、四十年改正をされない状況がございました。当時は、配偶者の法定相続分につきましての引上げ、また寄与分制度の新設等の改正がなされてきたところでございます。
 この間、我が国の平均寿命、先ほど御指摘ありましたけれども、この四十年間だけ取ってみましても、男性の場合は約七歳、女性の場合は約九歳ということで、その四十年でも女性の方が平均年齢が高くなって、長くなっているということでありまして、その上で社会の少子高齢化が進展するという状況が起きているところでございます。

 高齢者間の再婚なども増加しているなど、相続を取り巻く社会経済情勢については大変大きな変化が生じているというふうに考えております。特に、平均寿命が長くなったことに伴いまして、相対的に相続開始時における配偶者の年齢も高くなっているということで、先ほど、独り暮らしの女性の高齢者の皆さんが増えていると、そういう実感をお話しいただきましたけれども、高齢の配偶者の生活を保護する必要性については大変高まっているというふうに認識をしております。
 今回の相続法の見直しにおきましては、残された配偶者の生活に配慮するという観点から配偶者の居住の権利を保護するための方策等を設けるほか、遺言、これを利用しやすくするとの観点から自筆証書遺言の要件緩和などを内容としておりまして、まさに社会経済情勢の変化等に対応した制度に改めるものというふうに考えております。

○中西健治君 
ありがとうございます。相続が骨肉の争いの争族、争う族に、親族になってしまうと、こういう悲しいことにならないようにするためにも、遺言書というのは大変重要なツールなんだというふうに思っております。

 この間、イギリスから帰ってきた友人と話をしましたけれども、イギリスでは遺言書を書くのが本当に当たり前である、みんな書くよと、こういうふうに言っておりまして、やはり自由社会においては自分の財産を処分するのは自己の意思に基づくんだと、こういう意識が徹底しているということなんではないかと思います。

 調べてみたんですけれども、イギリス、アメリカ、ドイツでは遺言相続が原則であったり、若しくは法定相続に優先するとされております。フランスでは法定相続が原則ですけれども、贈与や遺言によってそれを修正しており、遺言が活用されていると認識しておりますけれども、翻って我が国ではどうなのか、遺言相続の状況について伺いたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君)
 まず、自筆証書遺言でございますが、自筆証書遺言の作成件数そのものに関する統計データはございませんが、家庭裁判所において検認された遺言書の件数については統計のデータがございます。その件数は年々増加しておりますが、平成二十七年におきますと約一万七千件でございます。死亡された方が約百三十万人でございますので、これと比較すると約一・三%にすぎないという状況でございます。
 また、公正証書遺言の作成件数につきましては、これも年々増加傾向にございますが、平成二十七年は約十一万件作成されております。死亡者数との比較といたしますと約八・六%にとどまっていると、こういう状況でございます。

○中西健治君 
今の答弁にありましたとおり、一・三%ですとか八・六%ということですので、やはり利用状況は、活用状況というのは極めて低調であるということなんではないかと思います。
 今回の法改正の中で自筆証書遺言の保管制度というものが創設されて、これは重要な一歩となるということではないかと思いますけれども、保管ということだけですとやはりやや受け身であるという感じがいたします。遺言相続を推進するために今後何をしていくのか、それについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君)
 遺言は、遺産の分配方法等に関する被相続人の最終意思を明らかにするものでありまして、その意思を尊重し、遺産の分割をめぐる紛争を防止する観点から、遺言の利用を促進することは望ましいと考えられます。また、今回の法案におきましては、自筆証書遺言の方式緩和、あるいは今御指摘ありました自筆証書遺言の保管制度の創設という自筆証書遺言に関する改正が盛り込まれておりますが、遺言の利用を更に促進するためには遺言制度そのものを国民に十分周知する必要があると考えております。
 法案成立後の周知におきましては、自筆証書遺言に関する改正内容のみならず公正証書遺言の制度についても周知を行って、自筆証書遺言と公正証書遺言がそれぞれのニーズに応じて活用されるように、パンフレットやポスターの作成、配布、さらには全国各地における講演会などを通じて遺言制度についての積極的な周知を行ってまいりたいと考えております。

○中西健治君 
配偶者居住権は、先ほど申し上げたとおり非常に関心が高いというふうに思っております。住む家が必要ですし生活費も必要だという中で、この配偶者居住権の創設というのは高く評価できるものじゃないかというふうに思っておりますが、二点、これについて、新しい制度、新しい概念ですのでお聞きしたいと思います。

 一点目は、この配偶者居住権の評価、価値ということに関するものでありますけれども、この配偶者居住権、建物の耐用年数ですとか平均余命ですとか、こうしたことによって価値が決まってくるということでありますけれども、あと、法定利率なども関係するということですけれども、法制審で示された簡易な方法というのは、法定利率三%で将来の価値から現在に引き戻すということで、配偶者居住権付きのまずは所有権の価値を出して、そして普通の所有権からそれを引いたものが配偶者居住権になるんですよと、こういう説明になっております。

 これ、私がちょっと手元でこの法定利率三%を使って計算してみますと、これもうすぐ明らかなんじゃないかと思うんですけれども、配偶者、夫に先立たれた、妻に先立たれた配偶者が若ければ若いほど平均余命というのは長くなりますので、この配偶者居住権の価値というのが高まるということになってまいります。

 この三%で割り引くというのをやってみると、一・〇三の二十四乗というのをすると二を超えてくるんですね。掛け算を、ずっと掛けていくと二を超えてくるということになりますので、百を二を超えたもので割るということになると五〇を下回るということになります。これが配偶者居住権付きの所有権ですから、残りの配偶者居住権が五〇を上回るということになります。法定相続分の二分の一も上回るということになってきますけれども。

 そうした場合に、この配偶者居住権を得る方はほかの相続人に対して法定相続分を超える部分、超過部分というのを支払わなければならないのか、これについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君)
 配偶者居住権の価格の算定方法につきましては様々な方式が検討されておりますけれども、委員御指摘の簡易な方式も含めまして、どのような方式によりましても、配偶者居住権の存続期間が長期にわたる場合などには、御指摘のとおり、配偶者居住権の価値が配偶者居住権の負担の付いた居住建物及びその敷地の価値を上回る場合があり得るものと考えられます。

 したがいまして、例えば、相続人が配偶者と子供であって、遺産が当該居住建物及び敷地のみであるような場合には、御指摘のとおり、配偶者居住権の価格が遺産分割における配偶者の法定相続分である二分の一を上回ることがあり得るものと考えられます。
 配偶者居住権は無償で居住建物を使用及び収益する権利でありまして、財産的価値を有するものでありますので、配偶者が遺産分割においてこの配偶者居住権を取得する場合におきまして、配偶者居住権の価値がその配偶者の遺産分割における取り分を超えているときは、やはりその配偶者はほかの相続人に対しその差額について代償金を支払わなければならないこととなります。

 しかしながら、このような場合でありましても、配偶者は、例えば居住建物の所有権を取得する場合と比べますと、低額な代償金を支払うことで居住建物に居住することができることとなりますので、そういったものを考えましても、配偶者居住権を取得するメリットはあるものと考えられます。

○中西健治君 メリットはあるとは思いますが、ちょっと厳しめかなというふうにも思います。
 フランスの民法では、同じように、配偶者に対して相続時に住んでいた住居の終身居住権というのが認められております。その価値が相続分を超える場合であっても配偶者は超過分についての償還義務を負わないと、このようにされております。

 じゃ、先ほど言った二十四年で、平均余命二十四年あったら法定相続分を超える可能性があるということですので、実際何歳のときなのかというのを簡易生命表を見て調べてみますと、女性が平均余命二十四年になるときというのは六十五歳なんですね。
 六十五歳の高齢に差しかかる女性に対して、法定相続分を超えるんだからその分を払えというのはちょっと厳しめかなというふうに私自身は感じておりますけれども、これは今後の状況を見ながら考えていかなければいけないことではないかというふうに思っております。これが価値に関わるところ、一点目であります。

 もう一点が、配偶者居住権の登記についてお伺いしたいと思います。
 改正案では、所有者が配偶者に登記をさせる義務を負うと、こうされております。ただ、現実問題としては、登記をしないままに住み続けるというケースが多数発生するかなと、このようにも思っております。
 
 そうしますと、物件が売却されてしまった、物件が売却されて、物件を購入した第三者が、いや、配偶者居住権が付いていることは知らなかったと、こういうケースもあり得ると思いますが、未登記で居住中の配偶者というのは対抗できるのか、これについてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君) 
お答えいたします。配偶者は配偶者居住権の設定の登記を備えなければ、その後に配偶者の居住建物をほかの相続人から購入した者などの第三者に対して配偶者居住権を対抗することができないこととしております。したがいまして、設定の登記がされていなかった場合につきましては、第三者が配偶者居住権が存在していることを知っていた場合でも、配偶者は原則として当該第三者に対して配偶者居住権の取得を主張することができないこととなります。
 もっとも、例外的に、その第三者におきまして、配偶者居住権の登記がされていないことを主張することが信義則に反するとか、あるいは権利の濫用に当たると認められるような場合には、配偶者居住権の登記がされていなくてもその第三者からの明渡し請求を拒むことができることにはなるというふうに考えられます。

○中西健治君 
今の御答弁ですと、第三者が配偶者居住権が存在していることを知っていた場合でも、知っていた場合でも登記をしないと対抗できないということになっておりまして、これもやや厳しめなところがあるかなというふうに思います。
 
これ、非常に難しいと思うんです。非常に難しいというのは、配偶者居住権というのは無償で住み続けられる権利でありますから、そこはその権利を野方図に広げていいのかどうかというところで、バランスをどこに取るかという問題だと思います。
 先ほどもそうなんじゃないかと思いますが、ここら辺は一つの論点としてやはり今後に向けても頭に入れておかなければいけないところじゃないかというふうに思っております。

 では、その上でですけれども、高齢者の保護という観点から、権利の上に眠る者は保護に値せずということはよく分かっておりますけれども、ただ、これ高齢配偶者の保護のためにということでつくられる権利でもありますので、登記以外にも何らかの保護策、救済策、これは考えられないんでしょうか。

○政府参考人(小野瀬厚君)
 この配偶者居住権につきましては、御指摘のとおり、登記以外としては、例えばその建物の引渡しを対抗要件とするということも考えられるところでございます。これは建物の賃借権と同様のものでございます。
 しかしながら、この配偶者居住権が無償で建物を使用することができる権利であるということから照らしますと、やはり第三者に権利の内容を適切に公示すべき必要性が高いものと考えられます。また、配偶者居住権につきましては、相続開始時に配偶者がその建物に居住していたことがその成立要件とされていますために、建物の引渡しを対抗要件として認めたといたしましても、その建物の外観上は何らの変化もないこととなりまして、公示手段としては極めて不十分になるものと考えられます。このようなことから、配偶者居住権については、建物の引渡しを対抗要件として認めることとはしておらないものでございます。
 このように、配偶者居住権につきましては、原則としてその設定の登記がされなければ第三者にその権利を取得することができないことになりますので、この法律案が成立した場合には、その点も含めて、改正内容について広く国民一般に対する周知に努めてまいりたいと考えております。

○中西健治君 
先ほど申し上げましたとおり、そもそも登記をさせる義務というのが所有者にあるということであります。そして、その所有者が登記もさせないままに売却をしてしまうということは、この配偶者というか、この配偶者居住権の保有者に対しては法的債務の履行義務違反ということじゃないかと思うんです。

そのしわ寄せがこの配偶者、配偶者居住権の保有者に来るというのはいささか、いささかと疑問のあるところでもありますので、やはり救済策というのは考えていく、その周知なのかもしれませんけれども、していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。

 所有者不明土地問題でもクローズアップされたとおり、登記というのが一般の人にとっては、なじみのないとは言いませんけれども、当たり前のものにはこの国、我が国ではなっていないということではないかと思います。

 そこで対抗できるかできないかというのは大きな問題になるということじゃないかと思いますので、この配偶者居住権については、より広く知らしめる形、これを取っていかなければいけないんだろうというふうに思います。せっかくつくった制度でありますので、そのようにお願いしたいと思います。

 そして最後に、相続人以外の介護などの貢献について、介護等の労務を提供した人を相続人ではないという形式要件で排除せず、その貢献に対して正当な評価を行うという今回の改正を評価したいと思いますが、請求権者は親族に限定されていますが、そちらについて、その背景、理由等についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(小野瀬厚君) 
お答えいたします。この特別の寄与の制度を新設することにつきましては、法制審議会における調査、審議の過程において、相続をめぐる紛争の複雑化、長期化を懸念する指摘がされていたところでございまして、そのような事態をできる限り防止するためには請求権者の範囲を限定する必要性が高いと考えられます。
 また、この制度は、被相続人と近しい関係にある者が被相続人の療養看護等をした場合には、被相続人との間で報酬の契約を締結するなどの対応が類型的に困難であることに鑑み、これらの者の利益を保護することを目的とするものであることでございますので、請求権者の範囲を限定することには合理性があると考えられました。
 こういった点を考慮して、特別の寄与に関する請求権者の範囲は被相続人の親族に限定することとしたものでございます。

○中西健治君 
終わります。どうもありがとうございました。

2018年06月29日 (金)

大日本書芸院展

書道は「文字による自己表現」、わたしが今取り組んでいるペン字は「正しく整った文字による読みやすさ」と目的はちがいますが、どちらもまず良い手本に倣うという点では共通していると思います。
見事な作品群に圧倒されました。

IMG_1514VIMG_1519LIMG_1531L田村代表理事作品L

2018年06月28日 (木)

6/28 参議院法務委員会(相続法制の改正)

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今日の法務委員会は、相続法制改正の審議です。住み慣れた建物に終身住み、より多くの生活資金を得られる「配偶者居住権」の新設は、残された配偶者の「老後の安心感」を高めるものと期待しています。
ただ「法定相続分を超えた場合、その差額を支払う必要がある」「登記をしないと住めなくなる可能性がある」という点は、「高齢の配偶者を念頭に置いた制度」としては、やや厳しいと思います。質疑ではその点に関する配慮を強く求めました。

2018年06月25日 (月)

第9回館山わかしおトライアスロン大会

館山で開催されたトライアスロンに参加しました。
仕事の合間をぬってのトレーニングだったのですが、前回の記録を更新してのフィニッシュ!
さっそく次回に備えて、、、、(笑)

2018年06月19日 (火)

自民党横浜市連大会「平成31年度統一地方選挙」公認候補予定者発表

全員の当選を期して、しっかりと応援していきます!!

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2018年06月19日 (火)

アベノミクス、初心に立ち返れ

「道半ば」

  アベノミクスの基本は、デフレからの脱却に真正面から取り組むということである。現時点において「道半ば」と言われるのは、政府も認めているように、まだデフレから「完全に脱却した」とはいえないためだ。また、日銀の掲げた2%の物価上昇目標も達成できていない。

 ただ、経済政策で一番重要なことは雇用の創出、つまり「働きたい人に活躍の場を提供すること」である。その点ではアベノミクスは十二分に成功している。この先、賃金が上昇していると実感できるような状況を作り、消費の盛り上がりにつなげることが重要である。そこが問われている。

  景気に敏感なところ、労働市場の需給に敏感なところ、具体的には非正規労働者を中心に賃金が上がり始めている。また、大企業よりも中小企業で上がっている。賃金が上昇傾向にあるのは間違いない。

 しかし、大企業を中心としたいわゆる日本型雇用がつづいている部分では、「雇用の安定と引き換えに賃金は抑制しても良い」という感覚が労使ともに残っている。そのような労働移動が少ない正規の労働者に関しては、労働市場の需給がすぐには賃金に反映されにくい傾向となりがちである。

 景気に敏感な部分に関しては、アベノミクスというマクロ経済政策をきちんと継続してゆけば、「見えざる手」による賃金の上昇がこの先も期待できる。しかし、この制度や習慣によって経済政策への反応が鈍くなっている部分に対しては、「政府の企業への賃上げの要請」といった「見える手」も必要である。官製春闘などと揶揄(やゆ)すべきではない。

 また中長期的な視点からすると、生産性の向上こそが持続可能な賃金の上昇につながることを忘れてはいけない。そのためには、賃金が能力や成果に応じて上がるという仕組みに変えていく必要がある。その部分はまだ「道半ば」。働き方改革を進め、生産性革命をやろうという現在の政策の基本的な方向性は間違っていない。

 

 当初の熱気薄れた

  ただ、第2次安倍内閣が発足した当初の、「なんとしても経済を成長させる」という熱気がやや薄れたように感じられることが気になる。

 新三本の矢では、かなり分配政策のほうに重点が移っているのではないか。消費税率の引き上げについても、社会保障を充実していくという。もちろん、そうした政策は必要ではあるが、その分、経済成長に対する熱意の部分が見えにくくなってしまっている。

 

規制改革にもっと力点を

 2014年にスイスであったダボス会議(世界経済フォーラム年次会議)で、安倍晋三首相は「いかなる既得権益といえども、私のドリルから無傷ではいられない」と述べていた。あのような「明日から絶対やる」という熱気が、政府の中から発信されなくなってきている。国家戦略特区をめぐる加計学園の問題があったことも影響しているのかもしれない。

 規制改革は半歩先、一歩先を行かなければならないので、冒険をしなければならない部分がある。しかし、現状を見ていると、やや安定を目指すことに傾いているように思われる。社会保障の充実を前面に押し出すことは、野党との争点を消すという意味から政治的には正しいのだろう。

 しかし規制改革というものは、事柄の性格上アクセルを踏み続けないと止まってしまう側面がある。「最初の三本の矢はどこに行ってしまったのか?」という感覚を持つ人が、増えてしまっているのではないか。規制改革を行い中長期的な成長の基盤を確立するというメッセージを発信しつづけることが重要だ。

 成長するためには、生産性の向上が必要不可欠である。生産性が上がれば、企業収益も上がり賃金も上がる。そのためには技術革新が必要だが、それを妨げている規制がたくさんある。起業一つとっても、大量の書類が必要だし、まだまだハードルが高い。思い切った規制改革に挑むことが不可欠だ。

 

出口戦略はゆっくりと

 日銀が「2%の物価上昇目標について、達成時期を明示しない」ことにしたのは、現実的であり良いことだと思う。これまでは金融政策決定会合で達成時期を先延ばしするたびに、後手に回っているという印象を与えてしまっていた。

  そもそも最初に2年と年限を切って、物価上昇目標を掲げたこと自体に無理がある。発表当時は明確に言い切ることがサプライズにつながり、政策の効果を後押しする側面もあったが、2年先の世界経済の状況など分かるはずがない。

  オーソドックスな金融政策論的にいうならば、物価目標は期限を区切って設定すべき性格のものではない。大事なことは、人々が「物価は2%ぐらい上がるものだ」との期待を持ちつづけるように、分かりやすい旗印を掲げることである。その上でさまざまな金融政策を実行し、中長期的に2%程度が維持できれば、物価上昇目標政策は成功したといえる。

  金融政策を今後どうするかという点では、長い時間をかけてゆっくりやっていくことが大切だ。デフレが20年もつづいているのは日本だけ。そこから脱却するのに、即座に出口戦略にいけるわけがない。まずマイナス金利をゼロ金利に戻し、量的緩和の買い付け量は徐々に減らす。国債は満期を待ちながらゆっくり償還していく。そういうやり方しかない。

  いま、中東の緊張で原油価格が上昇し、米国の金利も上昇傾向にある。物価が上がる可能性は高まっていると思う。ただ、物価上昇が本格化した時に、日銀がすぐさま利上げなど金融の引き締めを考えて、それが効き過ぎてショックを与えることが一番怖い。

  たとえばバブルの末期に、不動産の総量規制というショック療法にダメを押す形で、大幅な金利の引き上げを一緒にやってしまった。そのために景気が一気に冷え込んで、そのまま立ち直れなくなった。あの繰り返しだけは避けなければならない。だから、時間をかけてゆっくりやるしかない。

  そういう意味でのいわゆる「出口戦略」は、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁の今の任期では終わりきれないだろう。「黒田後」がどういう政権かはわからないが、いずれにせよ出口戦略であせって失敗しないようにしなければならない。

  中途半端に「出口戦略に行く」となった時に、市場はそれだけでショックを受ける。下手をすれば、また「失われた10年」の繰り返しになる。それだけは避けなければならない。

 

TPPは米国の参加を辛抱強く待つ

  日米の貿易交渉では、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表で協議の枠組みができたが、基本的には環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を基本に置く日本と、2国間の自由貿易交渉(FTA)を求めてくる米国との間で、双方の主張がなかなかかみ合わないということになる。

 

 日本としてできるのは、まずTPPの参加国を増やす。タイ、インドネシア、韓国などが対象になる。そうしてアジアでの連携を強める。

 

 また、TPPが実際に動き出すとオーストラリアから牛肉が日本にどんどん入ってくる。そうなれば、政治的にも大きな力を持っている米国の畜産業界が黙っていない。米国の畜産農家が米政府を動かすことが期待できる。

  だから、TPPを早く発効させて、米国も最終的に参加せざるを得なくなるような実績を作っていくことが重要だ。

  ただ、米韓FTAでは米国が在韓米軍のことまでちらつかせて韓国を譲歩させ、米国に相当有利な協定を結んだ。トランプ米大統領にとってはこれが成功体験になってしまっており、日本にとってはあしき前例だ。

  自由貿易の議論の文脈のなかで、軍事力など別の要素を出してきて取引をするのはいけない。日米関係はかつてないほど良好だが、ここは譲れないところだ。

 

人口減下で工夫の余地あり

  人口減が経済への大きな押し下げ要因であるのは確かだが、人口が減っている国が必ずしもみな、低成長に陥っているわけではない。グローバル化がこれだけ進んだなかでは、どんな国でも世界に打ってでていくことができれば、そこに可能性がある。

  米国でも人口は増えているが、自動車産業の街であるデトロイトなどは非常に疲弊している。一方でシリコンバレーは非常にいい。要は成長の要因がハードからソフトに変わった。そういう意味では、米国だろうと日本だろうと、企業に依存しているいわゆる「企業城下町」のままでは衰退せざるを得ない。

  個別の面で見ていけば、日本では世界で戦えるソフトパワーが中央、地方に限らずたくさんある。香港やシンガポールの高級スーパーでは日本の果物や野菜に非常に高い価格がついている。

  ブランドをしっかり確立していけば、まだやりようはいくらでもある。たとえば福岡市は特区制度を利用して起業が盛んになっている。起業が増えることで、それを支えるインフラの部分である会計士や弁護士も増え、アジアからも起業家がやってくる。そういう相乗効果が生まれている。

  日本の人口が減っていくということ自体は前提として考えるしかないが、そのうえで工夫の余地は十分にある。

毎日新聞プレミア に掲載されています

2018年06月18日 (月)

川崎市春季少年少女空手道大会

小学生から高校生まで多くの選手の皆さんが、日頃の鍛錬の成果を発揮して「形」と「組手」に熱戦を繰り広げました。

2018年06月18日 (月)

第16回リバティー・ゲートボール大会

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 開会式でご挨拶をさせていただきました。早朝から多くの皆さんのご参加有難う御座います。

2018年06月14日 (木)

成年年齢引き下げ–お酒は20歳からですよ

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自民党法務部会長として取り組んできた成年年齢を20歳から18歳に引き下げる民法の改正案が、昨日の参議院本会議で可決成立しました、、、、、ので、今晩はこれ↓です!
18が良いのか20が良いのかという神学論争に終止符を打ち、スムーズな施行に向けて努力していきます。
あ、お酒は20歳からですよ(^_^;)

 

2018年06月12日 (火)

神奈川県洋菓子協会作品展

 見事な出来栄えに驚くばかりで、音声は「はー」「へー」「あー」しか入っていません(笑)

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