2016年09月26日 (月)
「最低5千万円から」などと言われたラップ口座(プロにお任せ運用)が小口化され、多くの方が利用できるようになりました。ただ、運用の世界にいた者としては、色々と気になる点があります。
最大の問題は、「手数料が割高となる構造」です。本来のラップ口座とは異なり、この小口ラップ口座は「投資信託に投資するファンドラップ」です。「投資信託の信託報酬など」と「ラップ口座の維持手数料」の両方を支払わねばなりません。
長期投資になればなるほど「手数料」が重要になりますから、「長期投資の為に」と言うセールストークには疑問を感じます。
しかも、プロが色々と頑張る「アクティブ運用」の平均が、地道に市場平均を目指す「インデックス運用」に勝てない事は、「運用業界の不都合な真実」としてあまりにも有名です。
窓口の社員が「3か月に1回資産配分の見直しの相談に乗ってくれる」程度で、しかも手数料が割高となる「ラップに似た口座」が、「顧客の長期投資を促す中核商品と位置づけ」られている事は「顧客本位の営業姿勢(フィデュシャリ・デューティー)」の観点からして問題だと思われます。