中西けんじ公式ホームページ/自由民主党衆議院神奈川三区(鶴見区、神奈川区)

国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2021年12月24日 (金)

ARIFT:鈴木君のハーモニカ

211224_nakanishikenji_蜀榊・遞ソ-1
 
今日のARIFTに掲載されています。幼い時に友だちの鈴木君のハーモニカから学び、さらにその後の45年で感じたことを書き留めました。
+++++++++++++本文のみ+++++++++++

継続は力なり。

分かってはいるのですが、いつの間にかやめてしまっていた。そもそも自分が何かを続けていたことすら忘れていたという経験は、どなたもお持ちだと思います。

 私もその一人です。

 ただ、私は机の引き出しに入っている「あるもの」のおかげで、色々なことをやり続けることが出来ました。その「あるもの」とは、古びたハーモニカです。

 

鈴木君のハーモニカ

私が小学生の頃は今のような鍵盤型(ピアニカ)ではなく、手のひらサイズのハーモニカでした。プラスチックで出来た上下二段の吹き口を挟んでいる金属製のカバーに自分の顔が写るので、嬉しかったことを覚えています。

 1年ほど経ったある日、登校の途中で鈴木君のお母さんから「うちの子、音楽の授業があるのに持っていかなかったから」とハーモニカを渡されました。教室に入って「おい。お前の忘れ物」と言いながら取り出した時のショックは、今でも忘れることが出来ません。

 私のハーモニカは、いつの間にか見事なつや消し状態。顔は写らなくなっていました。それなのに、私の手の中にあったハーモニカはピカピカだったのです。

 我々はチャイムが鳴ると我先にと校庭に飛び出していたのですが、鈴木君はいつも「すぐ行く」と言って遅れて出てきました。ほんの30秒ぐらいのことですが、きれいに拭いていたのだと思います。その差は残酷なほどに明らかでした。

 家に帰ってゴシゴシ洗ったのですが、私のハーモニカに自分の顔が写ることはありませんでした。つや消しのまま今も引き出しの中で眠っています。

 

結果を出すために継続する

あれから45年。JPモルガンという大きな組織で20年以上揉まれ、さらに政治家としての活動を11年間続けてきて、この言葉には少し補足が必要だと思うようになりました。それは「続けること自体を目的にしてはならない」ということです。きちんと結果を出さなければ、その努力は趣味の世界のものになってしまいます。

 もちろん、すぐに投げ出してしまうようでは話になりません。継続して努力をしなければ、まともな結果が出ないことは明らかです。しかし、続けることそのものに大きな価値をおいてしまうことと、考えることをやめてしまうこととは紙一重のように思えてなりません。

 よくよく考えた上でとりかかり、常に頭を働かせながら努力を続けていれば、状況の変化に早く気づくことが出来ます。そこでやり方を変える。場合によってはやめて別の道を探ると言った姿勢がしなやかな強さとなり、物事をうまく進めて結果を出すことにつながると思います。

 ところで、我が家はこれから年の瀬の大掃除。台所の換気扇など大物と格闘を始めますが、水道の蛇口の周りだけは大丈夫。鈴木君のハーモニカを思い出して毎日拭いているので、水垢などなくピカピカです。

 よいお年をお迎えください。

 

私の主張

カテゴリ

バックナンバー

このページのトップへ