中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

質問主意書 《中小企業対策》

2010年10月22日 (金)

議長提出:2010年10月14日
内閣転送:2010年10月18日
回答     :2010年10月22日

「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における中小企業対策に関する質問主意書

中小企業が国際競争力を有しつつ活性化していくことは、我が国の経済成長戦略において、極めて重要な事項の一つであると認識しているところである。
かかる認識の中、本年十月八日に閣議決定された「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」において、具体策の一つとして掲げられている中小企業対策の中の一つ目の項目である「資金繰り支援」に関して、現在実施されている各種支援策においてその運用に懸念があることから、以下のとおり質問する。

一 中小企業の資金繰り支援策として、二〇〇八年十月三十一日より「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」(以下「緊急保証制度」という。)が実施され、当初二〇一〇年三月末までの期間であったものを、同年二月には制度の一年間の延長、対象業務の拡大、認定基準の緩和を実施したところである。そこで、緊急保証制度に関して、以下に示した事項につき、把握可能なできるだけ至近の時点での状況を明らかにされたい。
1 保証開始時期ごと、据え置き満了時期ごとの保証額
2 保証開始時期ごと、据え置き満了時期ごとの代位弁済額および代位弁済率
3 管轄省庁ごとの平均代位弁済額および代位弁済率
4 代位弁済額の会計上の処理方法および当初予算との差

二 一九九八年から二〇〇〇年にかけて実施した「特別保証制度」に関して、一の1ないし4で示した事項につき、同期間における数字を明らかにされたい。また、当該数字の比較を踏まえ、現在実施している緊急保証制度をどのように評価するか、政府の見解を明らかにされたい。

三 現在実施している緊急保証制度の契約済み融資に関して、今後想定される年度ごとの保証額の推移につき、明らかにされたい。

四 一ないし三を踏まえ、現在実施している緊急保証制度の今後の代位弁済額および代位弁済率の見通し並びにその評価につき、政府の見解を明らかにされたい。

五 今般閣議決定した「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に掲げられている中小企業対策の中の一つ目の項目である「資金繰り支援」の項における「日本政策金融公庫等の財政基盤を強化することを通じ」とは具体的にどのようなことを考えているのか、明らかにされたい。

質問主意書PDFファイルはこちら

内閣参質一七六第二八号
平成二十二年十月二十二日

                                         内閣総理大臣 菅 直人
参議院議長 西岡武夫 殿

参議院議員中西健治君提出「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における中小企業対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 
参議院議員中西健治君提出「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における中小企業対策に関する質問に対する答弁書

一の1及び2について

 安心実現のための緊急総合対策(平成二十年八月二十九日「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)において導入された原材料価格高騰対応等緊急保証制度、経済危機対策(平成二十一年四月十日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)において導入された緊急保証制度及び明日の安心と成長のための緊急経済対策(平成二十一年十二月八日閣議決定)において導入された景気対応緊急保証制度(以下「緊急保証制度等」という。)に基づき、各地の信用保証協会が平成二十年度(平成二十年十月三十一日から平成二十一年三月三十一日までの間に限る。以下同じ。)に保証承諾した額は九兆二千五十九億円、平成二十一年度に保証承諾した額は九兆九千三百八億円、平成二十二年度(平成二十二年四月一日から八月三十一日までの間に限る。以下同じ。)に保証承諾した額は二兆七千二百四十七億円であると承知している。
 また、平成二十年度に保証承諾した額のうち同年度から平成二十二年度までの間に代位弁済した額は千九百八十六億円、平成二十一年度に保証承諾した額のうち同年度及び平成二十二年度までの間に代位弁済した額は六百四十億円、平成二十二年度に保証承諾した額のうち同年度に代位弁済した額は八億円であると承知している。
 その結果、平成二十年度に保証承諾した額のうち同年度から平成二十二年度までの間に代位弁済した額を平成二十年度に保証承諾した額で除した率は二・一六パーセント、平成二十一年度に保証承諾した額のうち同年度及び平成二十二年度に代位弁済した額を平成二十一年度に保証承諾した額で除した率は〇・六四パーセント、平成二十二年度に保証承諾した額のうち同年度に代位弁済した額を同年度に保証承諾した額で除した率は〇・〇三パーセントであると承知している。
なお、お尋ねの据置期間満了時期ごとの保証承諾額、代位弁済額及び代位弁済率については、各地の信用保証協会において捕そくしていないため、お答えすることは困難である。

一の3について
 緊急保証制度等は経済産業省が所管しており、平成二十年度から平成二十二年度までの間に代位弁済した額は二千六百三十四億円、これを平成二十年度から平成二十二年度までの間に保証承諾した額で除した率は一・二一パーセントであると承知している。
 
一の4について
 代位弁済は、各地の信用保証協会が行うものであり、各々の信用保証協会において会計処理されることとなるが、信用保証協会は、代位弁済を行ったことにより取得した求償権の額から、株式会社日本政策金融公庫(以下「日本公庫」という。)からの保険金及び社団法人全国信用保証協会連合会(以下「連合会」という。)からの損失補償補てん金の額を差し引いた額を、貸借対照表の借方に計上することで処理していると承知している。また、お尋ねの「当初予算との差」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府は、日本公庫及び連合会が信用保証協会の代位弁済額の一部を補てんするに当たり必要な資金として、日本公庫に対して出資金を、連合会に対して補助金を支出している。
 
二について
 中小企業等貸し渋り対策大綱(平成十年八月二十八日閣議決定)において導入された中小企業金融安定化特別保証制度(以下「特別保証制度」という。)に基づき、各地の信用保証協会が平成十年度(平成十年十月一日から平成十一年三月三十一日までの間に限る,。以下同じ。)に保証承諾した額は十四兆四千二百二十三億円、平成十一年度に保証承諾した額は六兆四千九百三億円、平成十二年度に保証承諾した額は七兆六千八百七十七億円、平成十三年度に保証承諾した額は三千百三億円であると承知している。
 お尋ねの保証開始時期ごとの代位弁済額及び代位弁済率並びに据置期間満了時期ごとの保証承諾額、代位弁済額及び代位弁済率については、各地の信用保証協会において捕そくしていないため、お答えすることは困難である。
 特別保証制度は経済産業省が所管しており、平成十年度から平成二十二年度までの間に代位弁済した額は二兆六千二百三十四億円、これを平成十年度から平成十三年度までの間に保証承諾した額で除した率は九・〇七パーセントであると承知している。
 各地の信用保証協会による代位弁済後の各々の信用保証協会における会計処理については、信用保証協会は、代位弁済を行ったことにより取得した求償権の額から、中小企業信用保険公庫(当時。以下同じ。)、中小企業総合事業団(当時。以下同じ。)、中小企業金融公庫(当時)又は日本公庫からの保険金の額を差し引いた額を、貸借対照表の借方に計上することで処理していると承知している。また、お尋ねの「当初予算との差」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府は、中小企業信用保険公庫及び中小企業総合事業団が信用保証協会の代位弁済額の一部を補てんするに当たり必要な資金として、中小企業信用保険公庫及び中小企業総合事業団に対して出資金を支出していた。
 なお、緊急保証制度等については、平均保証期間が約八年である一方、制度開始から二年程度しか経過していないため、現時点で、特別保証制度の実績との比較を踏まえて評価することは困難であるが、緊急保証制度等は、平成二十年の経済危機後の混乱期を始め、これまで中小企業金融の円滑化に大きく貢献してきていると認識している。

三について
 御指摘の「保証額」とは、保証債務残高のことを指すと考えるが、今後の保証債務残高の推移については、経済状況の変化や制度を利用している中小企業の債務返済の状況等により変わるものと認識しており、お答えすることは困難である。

四について
 今後の代位弁済額及び代位弁済率の状況については、 経済状況の変化や制度を利用している中小企業の債務返済の状況等により変わるもの と認識しており、お尋ねにお答えすることは困難である。

五について
 御指摘の「日本政策金融公庫等の財政基盤を強化すること」とは、具体的には、日本公庫に対して出資金を、連合会に対して補助金を支出することである。

六について
 円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策(平成二十二年十月八日閣議決定。以下「緊急総合経済対策」という。)においては、景気対応緊急保証制度が期限切れを迎える平成二十三年度においても、借換保証の充実、セーフティーネット保証や小口零細保証等の対策の重点化を行うこととしたところである。

七について
 緊急総合経済対策における中小企業対策として計上される具体的な国費の額については、現在政府内で検討中であるが、資金繰り支援、技術開発及び海外展開支援、新規の事業活動への支援、地域商業の活性化並びに人材育成支援に係る措置について、総額五千七百億円余りを見込んでいる。

八について
 緊急総合経済対策に盛り込まれた資金繰り支援策は、厳しい状況にある中小企業を資金繰り面において下支えするものであるが、中小企業が国際競争力の向上に向けて取り組むために必要な資金の調達にも資する面があり、さらに、経済構造の変化等を踏まえた、転業や新分野進出等に取り組むために必要な資金の調達に資する面もある。

答弁書PDFファイルはこちら

(提出にあたって)

政府は10月8日に「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を閣議決定しました。至近の景気・雇用動向を踏まえ、主として今年度補正予算を編成するにあたっての経済対策をとりまとめたものです。

これまでにも何度も申し上げているとおり、政府による経済対策は有効な施策をスピード感を持って実施していく必要があります。前回は規制緩和策の中身が乏しい旨を質問主意書で指摘しましたが、今回は中小企業対策に関する質問主意書を提出いたしました。

中小企業対策については、これまでも1998年から2000年までは「特別保証制度」という名の下で、そして現在では2010年度末までを期限に「緊急保証制度」という対策が行われていますが、代位弁済(貸倒れ)が数多く発生し、結局は国の税金で補填し、国民が多額の負担をするという結果になってしまっているのが現状です。

今回新たに実施する対策はこうした現制度における実情をしっかりと把握し、分析を行った上で、より有効かつ国民負担の少ない施策としていくことが必要です。中小企業が競争力をより一層強化し、厳しい経営環境にあってもしっかりと自立していくことができるようになるための支援をしていくことは重要ですが、単に延命だけという支援策では中長期的には意味がありません。産業構造改革の推進にマイナスにならないような施策を行っていく必要があり、そうした観点から質問主意書を提出しました。

 

(回答を受けて)

回答のポイントは以下のとおりです。

1.2008年から始めた緊急保証制度においては、現在は据置期間中であり、これから本格的に返済が始まるにもかかわらず、既に2008年度に保証承諾した約9兆円のうち代位弁済額が約2千億円と、代位弁済率(貸し倒れ率)が2%を超え、想像通り大きい数字となっていること。

2.1998年から2000年にかけて実施した「特別保証制度」については、保証承諾額約29兆円のうち代位弁済額はこれまでに約2兆6千億円となっており、代位弁済率が実に9%を超えていること。

3.政府は保証開始時期ごと並びに据置期間満了時期ごとの保証承諾額、代位弁済額すら把握しておらず、今後見込まれる代位弁済の時期ごとの規模の予測ができていないこと。

4.政府は今般の緊急総合経済対策においても、従来と同様、日本政策金融公庫や全国信用保証協会連合会に対して出資金、補助金を支出する予定であること。

5.今般の経済対策において中小企業対策として5700億円程度の国費投入を見込んでいること。

6.産業構造の転換を阻害することにならないかとの意見に対し、国際競争力向上に向けて取り組むためや、転業や新分野進出等に取り組むために必要な資金調達に資する部分もあると証左もなく言い逃れていること。

質問の趣旨は、今回新たに実施する対策は現制度あるいは過去に実施した制度における実績をしっかりと把握し、分析を行った上で、より有効かつ国民負担の少ない施策としていって欲しいということなのですが、そうした意気込みがまったく伝わってこない「官僚の作文」の典型のような答えでした。中小企業が競争力をより一層強化し、厳しい経営環境にあってもしっかりと自立していくことができるようになるための支援をしていくことは重要ですが、単に延命だけという支援策では中長期的には意味がありません。産業構造改革の推進にマイナスにならないような施策を行っていく必要があります。

 

このページのトップへ