中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

台湾訪問報告(その1)

2011年09月11日 (日)

9月6日から9日まで江口克彦参議院議員を団長としてみんなの党の議員6人で台湾を訪問してきました。江口団長はこれまで30回以上台湾を訪れており、25年以上に及ぶ李登輝元総統との関係をはじめ、台湾の政界、経済界に多くの知己を持っています。今年は孫文の辛亥革命からちょうど100年の節目の年であり、また来年1月14日には総統選と立法院の同日選挙が行われます。政治的な関心が高まりつつある時宜を得たときであり、またなんといっても世界の国々に比して突出した台湾からの東日本大震災被災者への200億円という義援金について謝意を表する良い機会であったと思います。

王金平立法院長

まず初めにお会いしたのが王金平立法院長です。名前が示すとおり立法府の長ということで、一院制議会の議長として1999年から今日に至るまで12年の長きにわたって議会の要の仕事をしています。

日本の「国対政治」では各党の国対委員長が話し合って国会の日程や審議する法案などを決めてしまうわけですが、台湾では議長が主催する合議で議会の審議予定を取り仕切るということです。したがって議長の出席する会合の数は大変多く年間3000回に及ぶということでした。台湾の議会でもう一つ特徴的なことは、すでに議員定数の大幅削減が行われたということです。台湾では日本の衆議院の選挙制度と同じ小選挙区比例代表並立制を採用していますが、2008年の選挙から議員定数は225人から113人に半減となりました。日本でも議員定数の削減は叫ばれていながら議員自らが身を削る改革が進展していないのに対し、「では何故台湾で実現できたのか?」という問いへの答えは「民意がそれだけ強かったので、各党ともに公約として掲げないという選択肢はなかった」ということでした。台湾では常に中国との緊張感があるので、国民の政治に対する関心が高い、要求が強い、ということなのだろうと思います。

王金平院長は大変な親日家で、震災後だけですでに3回も日本を訪れており、5月には300人の北海道観光団を自ら率いて「日本は安全」というメッセージを送ったということですし、7月には家族旅行で小樽に行き台湾からの観光客が8割くらいに回復しているのを自分の目で確かめたそうです。

李登輝元総統

李登輝元総統にはご自宅に伺わせていただきました。88歳という高齢にもかかわらず矍鑠とされており、背が高く背筋をピンと張って機関銃のように話し続けられる姿は今でも強いオーラを感じさせられます。日本統治時代に京大で学び、その後コーネル大学で農業経済学博士号を取得し、政治の世界では、1978年に台北市長、88年に蒋経国総統が死去された際に副総統から総統となり、その後民主化を推し進めて96年には総統の住民直接選挙を実現させ、2000年に惜しまれる中、自らスパッと身を引いたという身の処し方も含めて、アジアのみならず世界で有数の政治家に挙げるかたが多いと思います。

日本の現状を大変憂えており、バブル崩壊以降の政府・日銀の政策が間違っているので日本国民は疲れてしまっている、というのが元総統の見立てです。元総統の考えの一端を紹介すると「経済が疲弊しているときに増税はおかしい」、「米国債をなぜ買うのか」、「日本国債をもっと発行して日銀が引き受けるべきだ。」、「台湾中銀は法令によって政府の指示で動くことになっている。日本では経済金融政策が政府と日銀の共同責任であることを明確化するためにも日銀総裁を内閣にいれるべきだ。」、「明治時代に決められた現在の都道府県という行政単位に変えて道州制を実現すべきだ。」といったもので、我々みんなの党の主張と重なり合う点が数多くありました。

民主党政権にも大変手厳しく、「民主党は党内のことしか考えていないのではないか。本当に国家のことを考えているか。」と疑問を投げかけており、「未熟な政治主導のもとでは官僚は時勢に合わない法律を守ることだけに汲々とする。」として、細部を熟知した政治家が指導力を発揮していかなければならないとおっしゃっておられました。

領土問題についても当然に明確な主張をもっており、馬英九現総統など他の台湾の政治家と異なり、「歴史的に見て尖閣諸島は日本の領土であり、台湾のものでも、ましてや中国のものではない」と言い切っています。日台間には領土問題はなく、尖閣は領土問題ではなく、漁場としてどう扱うかだけを決めるべきだとしています。歴史的に沖縄からも台湾からも多数の漁船が出てきた豊饒な漁場であり、沖縄の漁船も台湾で水揚げをすることも多く、台湾の漁港には沖縄の漁師の家族が多く暮らしている。そうした実態にあった取り決めをすればよい、と提案されています。中国の領有権については、清朝時代に西太后に対して釣魚島近くでとれた海藻をもとに作った薬が献上された、ということが微かに文献からうかがえるだけで、まったく正当性がないという立場です。

台湾政治に関しては、総統選では、かつて所属し、今は袂を分かった国民党の馬英九総統ではなく、野党民進党の蔡英文主席を支持しています。元総統は、現政権の中国寄りの政策に懸念を強く持っており、特に昨年締結され、今年から発効したECFA(Economic Cooperation Framework Agreement)に否定的で、中国市場を重視するあまり台湾が中国に取り込まれてしまうことに危機感をもっています。中国も台湾もWTOのメンバーであるのであくまでWTOの場で貿易の自由化を進めていくべきだという見解です。

自宅での面談のあとイタリアン・レストランに場所を移して話を続けたので、李登輝元総統には我々のために5時間もの時間を割いていただきました。ご高齢であり、かつご多忙だということを考えると破格の待遇をしていただいたのだと思います。それもこれも、元総統が日本での初めての著書を出版するにあたって、江口団長が大変な尽力をしたことに始まっているということです。お陰様で大変有意義な時間を過ごすことができました。

最後に李登輝元総統が国のリーダーはかくあるべきであるという5つの条件を挙げておられましたので、紹介したいと思います。

①    信仰をもて。自分以外の神の存在を意識せよ。

②    権力は自分のものではないと肝に銘ぜよ。

③    公私のけじめをつけよ。

④    嫌な仕事こそ進んで取り上げて解決せよ。

⑤    カリスマの真似をするな。誠実に国民に対峙せよ。

 

長くなってしまっているので続きはまた後日アップします。

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