中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。
2015年02月06日 (金)
8:56~17:58
本日の参議院決算委員会において、中東地域への原発輸出について安倍総理の見解を尋ねました。
中東地域は、チュニジアのジャスミン革命(2010年12月)に端を発したアラブの春の後、政情不安が続いております。
つい先日もイスラム国(ISIL)に日本人2名の尊い命を奪われるという痛ましい事件が起こりました。
このように中東地域が政情不安を抱える中、日本は、東日本大震災による福島原発事故後にもかかわらず、ヨルダン・トルコ・アラブ首長国連邦と原子力協定を交わし(いずれも2012年~2014年発効)、原発輸出を進めています。
また、サウジアラビアとは、原子力協定の締結に向けて、現在協議中です。
ヨルダンの原発建設予定地は、当初アカバ湾沿い(イスラエル寄り)を予定していましたが、その後二転三転し、現在はアンマンの南東に位置するアムラ(シリア寄り)にすると公表されています。
日本は、ヨルダンの隣国イラクのアッカス地区において、円借款により火力発電所の建設を予定していましたが、イスラム国の攻撃にさらされたため、本体工事の入札が無期延期となりました。
添付の地図はイラク・シリア・ヨルダンにおけるイスラム国(ISIL)の勢力圏を表したものですが、アッカス地区(イラクの火力発電所建設予定地)が支配地域に組み込まれたこと、そして、アムラ(ヨルダンの原子力発電所建設予定地)が勢力圏とそう遠くないことが読み取れます。
トルコへの原発輸出については、日本が優先交渉権を取得しましたが、建設予定地のシノップでは、市長が原発建設反対を掲げて当選されています。
そのため、原発輸出に複雑な感情を抱いていることは想像に難くありません。
そこで、安倍総理に、今後の我が国の中東地域への関与を考える際に、原発輸出は控えるべきではないかと尋ねました。
安倍総理からは、「相手国の意向や政治治安状況、さらには原子力の平和利用に関する相手国の状況を総合的に勘案したうえで、政府として適切に判断していく。」とのご答弁を頂きました。
現在、サウジアラビアとは原子力協定の締結に向けて協議中ではありますが、政府の判断で控えるべきであると考えます。