中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

3/11 議院運営委員会報告(日本銀行総裁候補黒田参考人に対する意見聴取)

2013年03月11日 (月)

本日、先日の衆議院での意見聴取に引き続き、参議院の議院運営委員会において、みんなの党を代表して政府が日銀総裁候補として提案をした黒田東彦ADB総裁への意見聴取を行いました。

これまでとは次元の異なる金融政策を行うという使命を果たしていくことが本当にできるのか、その覚悟はどのぐらいのものか、これまでの枠にはとらわれない具体的な手段を提示しながら氏の考えを質しました。

みんなの党は出自の問題だけで賛否を決めるということではありませんが、財政と金融の分離が行われた過去の経緯からも、財務省出身の官僚が中央銀行の総裁になるのは慎重であるべきとの立場をとっています。本日も、過去の日銀の採ってきた金融政策を大きく変える、レジームチェンジを行っていくことに対して、財務省財務官という経歴を有している黒田氏の答弁を注視していましたが、全体的な印象としては、官僚答弁に徹し、スピード感をもって新たな政策を打っていこうという積極的な意欲はあまり感じられず、また具体的な金融政策手段に関わる私の提案に対しても「十分に検討を行う」程度の答弁に終始し、出自を超えるような前向きな答弁は感じられなかったというのが意見聴取を終えての私の印象です。

しかし、日銀の自主性についての質問で、目標については「日銀に完全な自主性があるわけではない」という趣旨の答弁を明確に行ったことには驚きました。まさにみんなの党は、現行法ではそれが明確でない日銀法の改正を行うべきと主張しているからです。しかし逆に言えば「現行法でもそういう解釈をしている」という姿勢を示すことによって日銀法改正の必要性はないということを主張するための戦略的な答弁かもしれませんので、引き続き本件は機会があれば質していきたいと考えております。

議院運営委員会での意見聴取は非公開ということで、参議院のホームページにも審議の模様が公開されません。そもそもこれだけ世間の注目を集めている日銀総裁人事の意見聴取が非公開の場で行われること自体が不自然だと思います。みんなの党は公開の場、例えば財政金融委員会のような通常の委員会での意見聴取を求めていましたが、残念ながらこれまでの慣例に則り、非公開の議院運営委員会で行われることとなりました。冒頭の黒田氏の所信表明演説以外はマスコミのカメラもシャットアウトしての審議ですが、院内放送では放送されていましたので、動画もアップします。

以下、質疑の概要です。

(基本的認識)

○まず日銀の政策目標についてお聞きする。日銀法には金融政策の理念として「国民経済の健全な発展に資すること」とされている。次元の異なる金融政策、レジームチェンジということであれば、現行日銀法のもとでも政府との協議を通じてFRBのような「雇用の最大化」やイングランド銀行次期総裁カーニー氏が提唱する「名目GDP」を政策目標に加えることを考えないのか。

(黒田総裁候補)2%の安定目標を達成していく中で雇用の安定化等を検証していく必要はあるが、まだデフレという状況下で、まずは物価安定目標2%の達成を最大の目標として邁進していくことが大事と考えている。

○われわれは日銀法を改正して日銀が物価だけでなく実体経済にも強く配慮を行っていくべきだと考えている。
○次に責任の取り方についてうかがう。衆議院での質疑では、黒田参考人は総裁の解任権が規定されているニュージーランドと異なり、金融政策を総裁一人で決めるわけではなく委員会で決定するわけだから説明責任を果たせばよい、という趣旨の発言をしているが、それでは総裁と審議委員は責任が同等で大差がない、いわば連帯責任ということになってしまうのではないか。その程度の覚悟ということか。

(黒田総裁候補)金融政策の決定は政策決定会合で決められるということとなっており各委員が1票という委員会方式で決定していることは事実。決められた政策の実現について総裁はより高い責任を有している。2%の安定目標をできるだけ早期に実現することについて最大限の努力を払っていく所存であり、必ずや実現すると考えている。説明責任についても日銀法に則ってしっかりと果たしていきたい。

○目標達成責任については執行部である総裁、副総裁には特別の責任を負っていると考える。しっかりと覚悟をもって任務にあたるべきと考えている。
○日銀法3条に規定される日銀の自主性について、これは目標の独立性と手段の独立性との両方を併せ持っているという理解か。

(黒田総裁候補)物価は日本経済全体に多くの影響を与えるので、政府との十分な調整が必要であると考えている。それは日銀法4条にも定められているところである。目標自体は政策決定会合で決定したが、それに先立ち十分政府と調整をして共同声明を出した。十分に意見を調整することは適切であるが、目標自体は日銀政策決定会合で決定したもの。

○完全な独立性ではないということか。

(黒田総裁候補)その通りだと思う。共同声明に向けて政府と調整を行い政策決定会合で決定されたということ。

○デフレの原因について端的にお答えいただきたい。安倍総理は国会答弁で「デフレは貨幣的現象である」とのみずからの考えを明言している。インフレ・デフレは貨幣的現象であると考えているか。

(黒田総裁候補)フリードマン氏の著書以来、そうした議論が広く共有されていることも事実であるが、その時々の物価上昇率がすべて中央銀行の行為で引き起こされたと言っているわけではない。色々な要素が重なっているわけであり、デフレの原因すべてが日銀にあるとは言えない。しかし結果としての物価安定に対する責任が日銀にあることは確かである。

○金融政策だけで2%の物価目標を達成できると発言しているが、その発言との整合性は。

(黒田総裁候補)できると考えている。色々な要因に対抗する措置として日銀の責任を果たすということ。もちろん政府の機動的な財政政策も助けになるが、日銀の責任が阻却されることはないと考えている。

(今後の金融政策ならびに政策決定会合の運営)

○具体的に期限は区切らないまでも2年を念頭に物価目標を達成したいとのことだが、730日というのは長いようで非常に短い。安倍政権はロケットスタートを切ったと胸を張っているが、政権同様、4月3日・4日の決定会合でロケットスタートをするつもりだと考えてよいか。3月20日の新体制発足直後に前倒しで政策決定会合を開く考えはないか。

(黒田総裁候補)早急に具体的な金融緩和策を行いたいと考えているが、まだ総裁就任前であり、具体的な話については言及できないことをご理解いただきたい。

○市場の期待に応えるにはスピード感がなんといっても大事であることを申し上げておきたい。
○日銀の当座預金の金利を引き下げるということは考えないのか。

(黒田総裁候補)欧米で議論になっているが、賛否両論あり、政策決定会合で十分に審議したい。現時点でどうだと申し上げる立場にはない。

○購入する資産の対象として、インデックス債、仕組債などに言及しているが、市場価格が不明確な資産でも日銀は進んで購入していくということであれば、中小企業円滑化法終了によって中小企業の資金繰りが苦しくなることが想定されており、仕組債を購入するぐらいなら、銀行の中小企業向け債権を束ねて日銀が購入するというのはいかがか。

(黒田総裁候補)リスクプレミアムが適切な幅よりも高すぎるのであればそれを緩める努力をすべき。検討に値するが、具体的にどういう形でリスクプレミアムを縮めることができるか、中央銀行の役割が大きくなりすぎるのはいかがかという議論もあり、十分に検討していきたい。

○金融調節の手段としていまは現物資産の売買ばかりが行われている。国債の購入額を増やすのも結構だが、財政ファイナンスとの批判を回避し、かつ、直接的に金利市場に影響を与える手段として、金利スワップで固定金利を受けることで金利低下を促すことが可能である。スワップ市場は規模も大きい。こうした新しい取組みを意欲的に行うつもりはないか。

(黒田総裁候補)趣旨は十分に承った。十分に検討させていただきたい。

○物価目標の指標には消費者物価指数(総合)が使われているが、それでは、円安によってエネルギー価格や小麦などの食料品価格が上昇して物価目標が達成されてしまいかねない。変動率の高いエネルギー価格と食料品価格を除いた消費者物価指数を指標とすべきという意見もあるが、それに対する見方を教えて頂きたい。また国民生活上なんといっても重要なのは物価が上がった時に賃金が上昇するかどうかだ。厚労省が月次で公表している賃金データなどを指標として加える考えはないのか。

(黒田総裁候補)具体的な物価指数の選択については欧米でも議論が行われていて、アメリカFRBではコアを使用しているし、一方イギリスECBでは普通の総合指数を使用している。議論の余地はあるが、現時点ではエネルギーをほとんど輸入している中、他の価格への影響も大きく、それを抜いてしまうのはいかがかと思う。総合で良いと思っているが、一時的なエネルギー価格の上昇や下落は十分に割り引いて見ていくべきだとは思う。賃金についても当然注視していくべきであるが、まずは物価について総合指数をターゲットにしていくのが良いと思う。

(日銀総裁としてのマーケットに対する姿勢)

○2002年の海外格付け会社による日本国債格付け引き下げに際して、当時黒田財務官はムーディーズ社に対して執拗なまでに3度にわたって財務官書簡を送付し、定量的な根拠を示すように迫っている。国などソブリンの格付けは定性的なものとならざるをえないのは明らかであり、格付け会社の主たる論点が日本国政府の債務削減に対する努力の真剣さであることも明白だったにもかかわらず、民間企業であるムーディーズ社の格付け手法に対し、納得がいかないからと言って指導を行おうとするような姿勢、ここには大きな政府、父親のように民間を指導し、率いようとする大役人的な感覚がにじみ出ているように感じられる。日銀総裁の重要な責務である市場とのコミュニケーションは決して指導といった種類のものではない。日銀総裁に就任した際には、財務官時代と比して、ご本人は何か変えていかなければならないこと、心がけていかなければいけないことはあると考えているか。

(黒田総裁候補)総裁に任命されたらマーケットとのコミュニケーションは大事。指導とか規制するとかということではない。市場は自由に動くことで使命を果たしており、指導をするということは全く考えていない。

 

黒田参考人の所信聴取以降、非公開となり、立ち入りが禁止された為、参議院内のテレビ中継での写真撮影。

このページのトップへ