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2011年07月20日 (水)

外為特会の復興財源への活用~菅総理の答弁に対して

先週金曜日、7月15日の参議院本会議で、みんなの党の柴田巧議員が、復興財源として外国為替資金、即ち外貨準備を活用すべきとのみんなの党の提案に対する政府の考え方を質問して下さいました。
党としてのこの提言は、私が取りまとめ役となったもので、「100兆円の思いやり予算-外国為替特別会計」として6月15日、16日の2日にわたって「中西の目ヂカラ」で詳細を説明させていただき、その後6月21日の財政金融委員会で野田財務大臣に質問したものです。 

今度は、本会議で総理に直接質問するという「みんなの党連携プレー」でした。それに対する菅総理の答弁は、まさに予想通り。内容は財政金融委員会で野田大臣が答弁されたものと全く同じでしたので、官僚の用意した答えをそのまま読んだということでしょうが、官僚の作文をたどたどしく読むのが精一杯という感じで、恐らく答弁しながらも何のことだか良くわかっていなかったのではないかと思います。 

いずれにせよ菅総理の答弁は、それが「菅総理の考え」であるということですから、今回はその考えの誤りをご説明したいと思います。

まず100兆円を超える外貨準備を復興財源として使うことに対して、総理は「外為特会は110兆円を超える借金をしており、それを返済するための財源が外貨準備なので、その外貨準備を復興財源として利用するのは新たな借金をするのと同じである」という主旨の答弁をしました。
これは、まさにその通りです。私たちは、外貨準備を活用することが、新たな借金をすることなしに復興財源が生まれる「打ち出の小槌」の埋蔵金だなどとは全く考えていません。6月の「目ヂカラ」でもご説明したとおり、外為特会は短期証券を発行して巨額の借金を作りながら、それを外債(主として米国債)に投資しています。つまり、日本国民から日本政府が資金を借り入れて、そのお金をアメリカ合衆国政府に貸し付け、それをアメリカ政府が米国内の公共事業や公務員給与の支払いに使っているわけです。その額は計算をわかりやすくするために仮に国民を約1億1千万人とすると、一人あたり約100万円になり、4人家族ならば約400万円をアメリカをはじめとする先進諸国政府や経済危機に陥っているギリシャやポルトガルなどに、為替リスクを取りながら貸し付けているということは前回ご説明した通りです。これはどう考えても筋が通らない。
私たちが「外貨準備を活用しろ」と言っているのは、国民からすでに集めている資金を、海外諸国の財政支援に充てるのではなく、未曽有の危機に直面している国内に使えば良いではないかということなのです。菅首相はその構造を全く理解していないようです。

次に、外貨準備の大きさについて、菅総理は「過去の為替介入の結果であり、特定の規模を念頭に置いて保有額を決めているわけではない」と答弁しました。この発言は言語道断です。「過去、黙々と介入を続けてきたらこんなに外貨が積み上がってしまいました。これが適切な規模であるかどうか、考えたこともありません」などというのは、全く笑えない冗談です。また総理は、「一般論としては、日本の外貨準備は比較的大きいが、国際的に適正規模に関しては様々な見方がある」という主旨の答弁をしました。6月15日にご紹介した数字ですが、2011年5月時点の外貨準備は、日本が1.14兆ドル、アメリカが0.14兆ドル、イギリスが0.11兆ドル(グロス)です。日本はアメリカ、イギリスの8倍以上です。日本より大きいのは中国だけで、日本とアメリカの間には先進国は一つも入っていません。これでも日本の外貨準備は「比較的大きい」だけであり、適正規模に関して「様々な見方がある」などと思考停止したようなことを言い続けていて良いのでしょうか。

外貨準備の大きさを変更することは、もちろん一朝一夕にできることではありません。為替市場へのインパクトなど、問題も数多くあります。しかし日本国民の資金が、思考停止に陥っている政府の手によってアメリカをはじめとする先進諸国等の財政サポートに使われ、しかも国家財政が大きな為替リスクを背負わされているという状況はどう考えても放置できません。

我々は今、復興のための資金が必要です。十分な思慮と議論の上で正しいと思う方向を定め、例え困難で時間がかかろうとその方向に進むような政治を目指して行きたいと思います。

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