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2011年02月23日 (水)

国の金庫が空になる?

 平成23年度の予算をめぐって、与野党の攻防が激しさを増してきています。

 国の歳出歳入計画である予算は、予算案とそれに付随する予算関連法案と呼ばれる法律群とから成り立っています。予算関連法案の中には公債特例法と呼ばれる赤字国債を発行する法律や、子ども手当の増額、法人税減税などの法律が含まれています。

日本国憲法の規定により予算案の審議においては衆議院が優越するため、衆議院が可決した予算案を参議院が否決しても、あるいは30日以内に議決を行わなくても、衆議院の議決通りに成立します。

しかし予算関連法案は通常の法案の扱いとなっていますので、衆議院が可決した後で参議院が否決した場合、衆議院は三分の二以上の多数で再度可決しないと法案を成立させることができず、成立しない法案は廃案となってしまいます。

 政府はこの法案が年度内に可決されなければ国民の生活に重大な影響を及ぼすとこれまで色々なところで発言し、危機感を煽っています。

予算関連法案については、例えばこれまで行ってきている税制上の減免措置を継続するための法案が可決されないことにより、4月からいきなり税金が上がってしまい、国民生活に直接影響を及ぼすようなものもあります。こうした最低限必要な法案については、3月末までに、政府提出の一括法案を、個別の案件に分割した上で個別に採決をしたり、当面の措置として減免を継続するといった「つなぎ法案」として採決をする等の与野党の工夫によって混乱を避ける取り組みをしていけば良いと考えています。

 今回、焦点を当てて考えてみたいのは、公債特例法と呼ばれる予算関連法案です。

 日本では政府の無駄遣いを抑えるため、財政法の規定によって赤字国債の発行が原則禁止されています。予算が通ればすぐに発行できる国債は建設国債と呼ばれるもので、将来に残る資産を作ることに使うお金を調達するためにだけ発行することができます。しかし1965年以降、政府の財政赤字を埋め合わせるための赤字国債の発行が必要となり、毎年公債特例法を可決制定することによって赤字国債が発行されてきました。もし3月末までに予算案だけが可決されて公債特例法が成立していない場合、国がお金を使う法律(予算)はあるのにそのお金を集める手段(公債特例法)が無いという状況に陥ります。

 ではこうした状況になった場合、本当に4月からすぐに国民生活に大きな影響が出るのでしょうか?実は4月になっていきなり国の金庫が空っぽになるという事はありません。少し具体的に数字を見てみましょう。

 平成23年度の予算規模は約92兆円です。この92兆円のお金の使い道に私たちは大きな問題があると思って反対していますが、衆議院は民主党が過半数の議席を有していますので、政府案を採決すれば衆議院の予算審議における優越により、このまま予算は成立してしまうでしょう。

 この92兆円をどの様にして集めてくるかですが、予算案によれば税収とその他の政府収入で48兆円、国債発行で44兆円を調達することになっています。この国債のうち、先ほど説明した建設国債が6兆円で、残りの38兆円は赤字国債になります。公債特例法が成立しないと、この38兆円分の赤字国債の発行ができなくなります。また、公債特例法には外国為替特別会計などから一般会計に繰り入れる、いわゆる埋蔵金利用についても定めており、法案が成立しないと、その他政府収入として計上している2.5兆円も入らなくなるので、合計で40.5兆円の資金が不足することになります。これは大変困ったことになります。

 23年度の予算案は22年度とほぼ同じ水準ですから、22年度の数字を使ってお金の動きを少し細かく見てみます。

 第1四半期(4月~6月)において、昨年は政府から民間に約19兆円が支払われました。一方この期間の平成22年度分税収は約2.5兆円でしたので、その他の微調整も加えると約17.5兆円の資金が不足し、これを国債発行によって賄いました。平成23年度の前提で考えると、建設国債が6兆円発行できるだけなので、あと11.5兆円足りません。しかし、予算案の中で財務省証券と呼ばれる短期債券の発行が20兆円まで認められていますので、この財務省証券(俗にFBと呼ばれます)を発行することで第1四半期を乗り切ることは可能です。ただしFBはあくまでも短期の資金繰りのために使われるものなので、平成23年度中に全額を償還しなければなりません。

 さて、第1四半期を乗り切ったとして、第2四半期はどうなるでしょうか?22年度の例ですと、第2四半期からは税収も増え始めるので政府の資金ショートは小さくなってきます。約10兆円の税収に対し、15.5兆円が民間への支払いや特別会計への振替えに使われましたので、約6兆円程度のショートでした。23年度も同じぐらいのショートだとすると、その分をFB発行で賄うわけですから、第2四半期が終わった時点でFBの発行枠20兆円はほぼ尽きてしまうということになります。9月末までは何とかお金が持つかも知れないけれども、それ以降は赤字国債が発行できないとお金が足らなくなるということです。

 つまり、政府はこの法案が年度内に可決されなければ国民の生活に重大な影響を及ぼすと危機感を煽っていますが、少なくとも夏ごろまでは何とか資金繰りを行うことができるのです。

 そもそも92兆円の支出計画のうち半分近くを借金で賄おうとしていること自体が問題なのですから、今回の騒動は健全な財政への回帰を促す良い機会になるかも知れません。

私たちみんなの党は政府予算案に対して、今週中にでも修正案を提案することを考えています。

マスコミでは4月までの勝負のような報道が目立ちますが、私はこの夏までが本当の勝負だと思っています。この勝負は別に民主党をやっつけるとかそういう低次元の勝負ではなく、私たち日本人が自分たちの政府に何を期待しているのか、どれぐらいの規模が望ましいのかという根本的な疑問に真っ向から取り組む勝負です。私たちも一生懸命考え、皆さんに向けて情報や考え方を発信していきます。

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