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2013年03月11日 (月)

金融政策手段としての金利スワップの活用

本日の日銀総裁候補所信聴取の質疑の中で、日銀の金融政策手段として金利スワップを取り入れて長期固定金利の受け(変動金利の払い)を行うべきではないかと、私は黒田候補に対して提案しました。

伝統的な金融政策は、利子を持つが信用リスクの存在しない短期政府債務(国庫短期証券)の売買によって、市中の流通通貨量をコントロールするというものです。この政策の機能するチャンネルは金利の変動ですから、通常の金融政策の目標としては金利が使われています。ところが金利がゼロに近づくと通貨供給量を増やしても金利が低下する余地がなくなりますので、金利を目標とする伝統的金融政策ではなく、量的緩和など非伝統的と呼ばれる金融政策がとられるようになってきました。

これまで単純な量的緩和に加えて、株などのリスク性資産の購入や長期国債(と言っても2年、3年の満期までですが)の購入などを日銀は行ってきています。今回の金融緩和姿勢の強化においてさらに長期の国債を購入することが議論されていますが、政府債務(国債)を中央銀行(日銀)が引き受ける「財政ファイナンス」に成りかねないという危惧が、一部市場関係者の間には根強く存在します。そこで私は、国債とは無関係な金利スワップの利用を提案したのです。

単に市場に流通する通貨量という意味では、マネタリーベースを増やしてもマネーストックが増えない状況が続いていますので、長期国債を日銀が買ったからといってマネーストックが増えるとは期待できません。従って、長期国債の購入は長期金利の更なる低下を促すことによって投資を促進する等の効果を狙うものです。それならば、金利スワップによって長期固定金利の受けを日銀が行えば同じ効果を得ることができます。

また、期待インフレ率が上昇を始めた時に名目金利が上昇していく可能性がありますが、その際に国債を大量に保有する金融機関などが一度に国債売却に走ると、買い手不在のなか金利上昇がさらに加速されます。そのような動きがあった際に日銀が市場を買い支えれば良いという乱暴な議論も目にしますが、それではどこまで買えば済むのかわからず、日銀が長期国債の大半を保有するような事態にもなりかねません。そうなれば国債市場は消滅してしまいますし、財政ファイナンスという危惧も顕在化し、後に金利が正常化しても国債市場を作り直すことは大変難しくなるでしょう。こういった場合でも、金融機関は国債売却ではなく金利スワップ市場での固定金利の払いを用いてヘッジを行うことが可能で、日銀がその取引相手として市場を支えることができます。国債の現物ではなく金利スワップであれば、日銀が幾ら大量に受けていても問題は少ないと考えられます。

以前から私は、財務省の金利スワップの使い方が間違っているという主張をしてきました。財務省国債整理基金による金利スワップの取引は2005年からですが、2002年の証券決済システム改革法で2003年1月からの取引が可能とされました。黒田氏は法整備当時の財務官でしたから、現在の財務省の間違った金利スワップ取引を方向付けたのは黒田氏という可能性もあります。しかしここは、日銀総裁として仕切り直して正しい方向を向いていただきたいものです。

 

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