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国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2010年01月10日 (日)

自由貿易協定(FTA) について

Wikipediaによると、FTAとは「物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした、2国間以上の国際協定」のこと。日本はこれまで、単にFTAにとどまらずより包括的なEPAを推進してきました。同じくWikipediaでEPAは「自由貿易協定(FTA)を柱として、関税撤廃などの通商上の障壁の除去だけでなく、締約国間での経済取引の円滑化、経済制度の調和、及び、サービス・投資・電子商取引等のさまざまな経済領域での連携強化・協力の促進等をも含めたもの」と説明されています。(出典:Wikipedia)

日本のFTA/EPA交渉を見ると東南アジア諸国とのEPA締結は進んでいますが、オーストラリアなど農業大国との交渉では農産物輸入自由化の問題が立ちはだかり、交渉がなかなか進んでいません。メキシコのようなすでに締結済みのEPAにおいても、農産物輸入の問題は今後の継続課題となっています。

国際貿易の理論を見ると貿易を行うことで当事者両国はより繁栄するわけですが、両国のすべての産業が以前より栄えるわけではなく、国際分業の進展によって比較劣位にある産業は衰退することになります。あくまでも国家全体の立場から、あるいは消費者の立場から考えると貿易の発展は益をもたらしますが、生産者の立場からは全く違った構造が見えてくるのです。

国民は皆、生産者としての立場と消費者としての立場を持っています。どのような形であれ、貿易が盛んになることは消費者としては購入する財やサービスの選択肢が増えたり、質が向上したり、価格が低下したりと、ほぼ良いことばかりになるでしょう。一方生産者としての立場から考えると、自分の生産する財、例えば精密機器が貿易相手国との間で比較優位の関係にあれば、貿易自由化によって当然輸出が増大し、自由化は生産者としての自分にとっても素晴らしいことになります。

ところが相手国との関係では比較劣位になる産業、例えば農業に従事している立場の人から考えると、FTA締結による関税撤廃、輸入拡大は、生産者としての自分の立場を脅かし、生活を破壊してしまうことにもなりかねません。

ここまでは経済学のお話です。経済学だけだと、じゃあどうしたらよいかという結論が出てこないのです。消費者としての国民を考えるとFTA/EPAは善です。ところが生産者としての国民を考えると、FTA/EPAは一部の人には善であるが他の人には悪ということになります。こういう矛盾があるところには、政治が介入しなければなりません。

私の考えは、まず自由主義経済を基本とし、その中で生まれてくる歪みは政治がしっかりと手当てをしていくというものです。この考え方からすると、FTA/EPAは全般的に推進すべきであり、農業を保護する必要を理由としてその進展を阻害することがあってはなりません。

しかし一方で、農業に多大な影響を与えることは事実であり、これらの産業に直接、間接に従事する国民が大勢いらっしゃること、また食糧安全保障や国土保全の立場からも農業をしっかり守っていくことが必要です。

現政権の戸別補償もひとつのやりかたですが、もっと農業の効率化を促進する、輸出量を拡大するといった、将来に向けての農業の育成にこそ、知恵やお金を使うべきではないでしょうか。日本の農産物は中国を始めとしたアジア諸国で価格は高いながらも高く評価されているわけですから、そうした高付加価値品へのシフト,更なるブランドイメージの向上を通じて、農産物の増産、輸出促進を図っていく。こういうことが必要になって来るのではないでしょうか。

貿易は自由に、しかしそこからダメージを受ける産業に対しては単純な保護ではなく明日を見つめた建設的な施策を行うのが、私の考えです。

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