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国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2010年02月10日 (水)

科学技術の振興

「私の主張」の第一番目に掲げております通り、科学技術立国を基本とする中長期的な経済成長戦略を推進することが私にとっての重要政策課題です。成長戦略については今後も折に触れてお話ししていきたいと思いますが、まずその基盤となるべき科学技術の発展促進について、今日は書いてみたいと思います。

科学技術といっても横も縦も広いものです。横(分野)で考えると、少し前まで日本のお家芸だった半導体などの電子部品から鉄鋼、自動車、船舶などの重工業、携帯電話やポータブル・オーディオなどの小さな電気製品、養殖漁業や農産物の品種改良、製薬、医療技術や医療機器など、「科学」は私たちの周りにあふれています。一方で縦(領域)では基礎研究から応用研究、商品化といった流れが考えられます。日本はよく、応用研究や商品化には強いが基礎研究は弱いと言われますが、物理学や数学の世界的に重要な発見をいくつも成し遂げてきています。

非常に幅広い分野がある「科学」ですから、できればこれから重要になるだろう分野に絞って、研究者を教育、育成していきたいというのは自然な考えでしょう。しかし、研究者の教育、育成とその後の研究期間を考えると、20年、30年の予測をするようなことになり、現実的ではありません。大切なことは、様々な分野での研究能力を高めていくことだと考えています。

また、基礎研究と応用研究の間に優劣はつけられません。どちらも重要なのです。学問の世界で明らかになってきたことを現実の世界で応用して実用化していくことは、我々の生活に直接の利益をもたらします。

一方で、応用の仕方がわからなくても自然、宇宙、生物などに関する知識と理解を深めていくこともまた、我々の今後にとって非常に重要であり、確固とした基礎研究の基盤無しには本当に長期的な科学技術立国は成し遂げられません。

科学技術を支えるのはもちろん人(研究者)です。そして、その研究者たちの為の環境が重要になります。

人の育成で一番心配なのは、子供たちの数学、理科離れです。ゆとり教育の弊害も言われていますが、必ずしも指導要綱の問題だけではないでしょう。子供たちに興味を持たせて数学や理科の勉強に取り組ませるには、興味を喚起する能力と魅力を持った教師、そして家庭環境も必要です。数学や理科を楽しんだ大人が少なくなると、それを子供に楽しく伝える親や教師も少なくなり、子供たちも興味を持てなくなって次の世代ではさらに状況が悪化する。そんな負のスパイラルになっているような気がして仕方ありません。

勿論昔だって、理科系の家庭でのみ理科系の子供が育ったわけではありません。数学や理科を勉強して「科学者」や「お医者さん」になれば、人の役に立てる、偉くなれる、お金が稼げるようになる、そんな夢を持って、子供たちをそちらの道へ誘導していくこともあったと思います。ところが今では、努力して博士号をとったのに働く場所がない若手研究者があふれています。昔ならば大学の教員になったり、企業の研究所でバリバリ研究出来ていたのに、今では職場が無くなっているのです。これでは、数学や理科を勉強しようとする子供を親御さんが応援するどころか、無駄なことはやめなさいという話になりかねません。

最近では、日本からアメリカなどへ留学する学生や研究者の数が減る一方で、他のアジア諸国からの人数は増加の一途をたどっているようです。例えばシンガポールでは、国の政策として成績優秀者を世界的な研究機関、大学へ送って学ばせています。勿論これらのアジア諸国では帰国後の研究者の職が保障されており、そのために学生や若手研究者は留学先で勉学に集中できるのです。

私は、何もかも政府がやるという考えには反対で、できるだけ民間が中心になって主導していくべきだと考えていますが、結果があらわれるのに時間がかかるような分野においては民間はなかなか動くことができず、そのような分野では国や自治体が積極的に関与すべきだと思います。技術立国のための教育、研究環境づくり、あるいは若手研究者が働ける研究機関の設置と運営は、官が積極的に関与すべき分野です。

現民主党政権も昨年末に発表した新成長戦略で科学技術重視をうたっておりましたが、何故か2010年度予算案では科学技術振興予算が削減されています。今年度比455億円の減少で1兆3,321億円の予算案となっており、減額は27年ぶりです。また、人気を博した一連の事業査定でスーパーコンピューター開発予算が削減されたことは、まだ我々の記憶に新しいところです。「事業仕分け人」の「2番じゃダメなんですか」という発言は、政府がいかに科学技術を理解できていないかの証左と言えるでしょう。これらの科学技術振興予算削減に反対してノーベル賞受賞者、フィールズ賞受賞者などの我が国を代表する科学者や主な大学の学長達が緊急声明を発表しています。

優れた研究環境が整っていけば、日本人の若手研究者が増大するのみならず、その研究機関を目指して海外から日本に学びに来る人たちの数も増えていくことでしょう。マンガやJ-POPも大切なソフトパワーですが、日本で学ぶ海外研究者の数を増やすことも大切だと思います。このような事業は、政府が長期的な観点から立案して進めていかなければなりません。

子供たちが生き生きと学び、そして世界中から人々が学びに来るような国を作っていこうではありませんか!

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