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国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2012年10月30日 (火)

日本郵政 金融二社こそ先に上場を !

臨時国会が開会され、ようやく国会でのさまざまな重要な審議を再開するスタートラインに立ちました。今国会は普段にも増して政局に影響されるものになるでしょうが、国会議員としての職務を忠実に全うしていきたいと思っています。

 

さて、国会開会の間際に二つのニュースが出て来ています。2015年秋までの日本郵政株式上場と10年以内の厚生年金基金廃止の方針です。郵政民営化と厚年基金の問題には皆さんご存じの通り私は大きな関心を持っています。今日は郵政問題に関しての私の考え方をあらためて整理してご説明したいと思います。

 

日本郵政に関して、私は常に一刻も早い民営化、株式売却を訴えてきましたが、現在の方向性には大きな問題があると考えています。問題は大きく分けて二点です。

 

まず、郵政グループの中でどの企業体を上場させるのかという問題です。事業持ち株会社としての日本郵政ではなく、ゆうちょ銀行とかんぽ生命を先に上場すべきだと私は考えています。

 

郵便事業というものは、採算最優先ではなく国民に提供されるべき公共サービス、社会インフラという観点を持ちながら運営されるべきです。従って、私は郵政グループの中でも郵便事業だけは民営化にそぐわないという考えなのですが、民主党政権による郵政グループ改組によって郵便局と郵便事業が日本郵便として統合されました。政府はこの日本郵便をも傘下にもつ事業持ち株会社を先に上場しようとしています。おかしなねじれ構造を作り上げようとしているように見えます。

 

勿論郵便事業に公共性があるからといって赤字をただただ垂れ流して良い訳ではなく、事業、経営の効率化を図っていかなければなりません。例えば取扱量が減っているゆうパックなどを今後どうするのかなど、検討課題は山積しています。しかし、上場すれば良いという問題ではありません。

 

一方で、持ち株会社傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命に関しては可及的速やかに上場すべきだと考えています。これら二社が提供するサービスは民間金融機関と完全に競合するものです。しかも、巨大であり、一刻も早く国の影響下から外して競争にさらし、事業内容と規模の適正化をはかるべきです。親会社だけが上場、民営化するのでは、これら金融二社が不採算な郵便事業を支える構図が変わらず、郵便事業効率化の妨げにもなりかねません。政府案の日本郵政上場では、まず持ち株会社が上場され、その後持ち株会社の政府保有割合が五割を切った段階で金融二社の株式売却を考えるというわけですが、金融二社を先に上場させてしまうと郵便事業会社は絞りかすのようになってしまい、株式売却などできないという考えなのでしょう。先に述べたとおり、郵便事業会社の上場を無理に行う必要はなく、金融二社をこそ上場すべきだと私は考えています。その場合、先に持ち株会社を上場してしまうといわゆるコングロマリット・ディスカウントが発生して、金融二社を個別上場する場合との比較で政府収入が減少する可能性もあります。金融二社をその後で上場するとその売却資金は持ち株会社の株を購入した投資家が手にすることになり、政府には入らなくなってしまうことも問題です。あくまでも金融二社の株式を上場、売却し、それが完了した後で日本郵政をどうするのか考えなければなりません。

 

第二に、今回の上場プランは金融二社の新規事業参入の条件として、ある意味で本質から遠く離れたところでの上場話がなされています。先の国会でこれまでのゆうちょ銀行、かんぽ生命の完全民営化を含む郵政民営化の方向性が変わりました。新たに選ばれた郵政民営化委員会はこれら金融二社の新規事業参入に関して以前より積極的に認める方向で、条件として株式上場に向けて経営の効率化や成長の可能性を示すことを求めています。今回の上場話は、その条件を形式的にだけでも満たそうとするものとするものです。しかし本質的に重要なのは、上場スケジュールではなく上場に向けての事業計画の実現性です。

 

そもそも上場に向けての事業計画を策定することが新規事業参入の条件とされているのは、民間金融機関並の事業展開に向かって進むというならば国の庇護下から離れて「イコール・フッティング」になりなさいという理由の他に、民間金融機関並の安定的な収益力を目指しなさいというより重要な理由が存在するのであり、その為にはリスク管理能力などの向上が重要であることは明らかです。外部の投資顧問会社が運用するファンドを郵便局の窓口で販売することだけでも、適合性の問題など郵便局にとってこれまで経験したことのない課題を背負い込むことになりました。貯金を集めるのと同じ感覚では出来ないし、やってはいけないことなのです。同様に、住宅ローンや法人向け融資などを自ら主体的に貸し付けることは、証券化された住宅ローン担保証券や社債を二次的な投資家として購入するのとは訳が違います。特に、今の計画では他の銀行が積極的ではないセクターを狙っていく様ですが、本当に収益性をあげ、リスク管理を行う事ができるのでしょうか。ゆうちょ銀行に新規事業参入を認めるのであれば、その事業性をゆうちょ銀行の能力も勘案しながら十分に検討することが必要です。

 

本質的な議論を忘れて小手先の形式的な議論だけを始めてしまうと、何のための民営化なのかわからなくなってしまいます。議論の正常化、本質への回帰を訴えていきたいと思います。

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