中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

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2012年10月22日 (月)

「一人一票の実現」と「定数削減」は両立できる!

私が当選させて頂いた2010年7月の参議院選挙に関して、先週10/17に、最高裁大法廷は「違憲状態」とする判決を下しました。 

判決理由骨子を抜粋引用します。
「選挙区間の投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていた」
「選挙までの間に議員定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、その規定が憲法に違反するに至っていたということはできない」
「選挙における投票価値の平等の要請や国政の運営における参議院の役割に照らせば、より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的処置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生じる上記の不平等を解消する必要がある」

この選挙は、議員1人当たりの有権者数の格差(1票の格差)が最大5・00倍だったのですが、この5.00だったのが私の選挙区である神奈川県でしたので、私は全国の中で一番一票の価値が低い有権者の方々から約79万票という票を得て、何とか当選させて頂きましたが、一番価値の高い高知県で当選された方の得票数は約14万票でした。

原告が求めていた「選挙無効(やり直し)」自体は棄却されましたが、判決では、現行の都道府県単位の選挙区割の見直しを初めて明確に求める内容となっており、これにより国会は、衆参両院とも違憲状態とする司法判断を突き付けられる、極めて異例の事態となりました。

特筆すべきは、15人の裁判官のうち、弁護士出身の3人が「違憲」とする反対意見に回ったことです。田原・須藤裁判官は、これまでの数々の大法廷判決で選挙制度の抜本的見直しの必要性を具体的に指摘されながら是正措置が講じられていない不作為は違憲であるというべき、次回の平成25年の参議院選挙の枠組みの見直しがなければ選挙無効とすべきとまで踏み込んだ発言をされていますし、大橋裁判官に至っては、先の通常国会で可決成立した「4増4減」措置にも言及し、「抜本的な改革につき本格的な検討を行っていたようには見受けられない」と厳しく批判しています。私自身の当選は無効とはなりませんでしたが、このまま来年の参議院選挙を実施すれば無効となる可能性にまで言及したということです。

衆議院選挙についても、昨年の3月に、小選挙区間の「1票の格差」最大2.30倍だった2009年8月の衆院選の小選挙区の区割りについて「違憲状態」という判決が最高裁で下され、「近いうち」に行われる衆院選において、格差を少なくとも2倍未満にする措置が求められています。自民党は300ある選挙区について「0増5減」措置を行い、格差を辛うじて2倍未満にするという緊急対処のための法案を提出しており、消費税増税についての国民の信を一刻も早く問うべきとするみんなの党も、これでは抜本改革には程遠く不十分ではあるものの、まずは違憲状態の緊急回避という点においてこの法案に賛成する意向をすでに表明しています。

話しを複雑にしているのは、この「投票価値の不平等の解消」ということに加えて、「国会議員の定数削減」の考え方に政党間で大きな隔たりがあるということです。自民党案では選挙区での定数削減は自動的に5のみに留まることになってしまいます。衆議院は現在小選挙区300名、比例区180名の計480名の国会議員がいるわけですが、民意をできるだけ忠実に議席に反映するため、比例代表制の比重を高めていくのが世界の趨勢となっている中、選挙区での削減が5名というのはあまりに少なすぎます。ましてや民主党案のように、残りの定数削減は比例区のみで、ということでは少数政党をはじめとする野党が賛成できるはずはありません。
「定数削減は民意」と主張し比例区削減に固執する民主党も、参議院では定数削減ゼロの法案を提出したのですから、理屈がありません。野田総理も私の国会での質問に対して「私は衆議院議員だから」などと、自分でもさすがに苦笑いを浮かべてしまうほど答えに窮し、理のある説明はできませんでした。これでは衆議院の解散を少しでも先に延ばしたいという政局で衆院選挙制度改革を利用していると批判されても致し方ありません。

衆議院も参議院も同じですが、選挙区の区割をどうするかを、その時の各区の人口を基にいくら線引きをしても、その後に人口の流動があったり、定数削減がされたりすれば、また格差は変動してしまいます。これまで参議院選挙制度においても1994年に8増8減、2000年には選挙区定数6名減、2006年には4増4減といった措置がそのたびに取られましたが、結局それでも投票価値の不平等の問題は解決しないでいるわけです。

今回仮に衆議院で「0増5減」案を緊急避難的に実施した場合でも、各々の選挙区内の有権者数の調整、すなわち選挙区の区割の見直しが全国レベルで行われます。有権者にしてみたら、急に投票すべき候補者が変わってしまうということとなり、選挙直前の変更は決して好ましいことではありません。そうした作業が、今後小選挙区の定数をさらに削減するとした場合に、もう一度実施しなければならなくなるのです。抜本的な解決は次回選挙までにやることとし、とりあえずは一票格差の是正のための法改正を早急にやる。最高裁に「違憲状態」と判断された今に至っては致し方ないことではありますが、それでも2ステップを踏むのであれば、できるだけ有権者の混乱を少なくしていくことを考えていくのは、政治家としての当然の努めです。
参議院における今回の最高裁判決でも、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する方式を見直すべきとまで言われてしまったのですから、区割変更は避けて通れません。

私はこれまで、みんなの党の選挙制度改革本部長として、各党による衆議院選挙制度協議会、参議院選挙制度協議会の委員を務めてきており、みんなの党として、投票価値の不平等を抜本的に解消できる「全国集計比例代表制度」を提案してきました。政党名で投票された票は全国で集計し、その得票数に応じて各政党の総議席数を決定し、その上で各政党は政党内での得票率に応じて各々のブロック(あるいは県など)に議席を割り振っていくというものです。この制度には「投票価値の不平等」ということが未来永劫発生しません。人口が流動しようが、議員定数が見直されようが、全国集計ですので、どこに住んでいても国民の全有権者が等しい投票価値を持つことができるのです。「一票の格差の是正」ではなく、「廃止」が実現できるのです。加えて「定数削減」を同時に議論することができる画期的な制度となっています。ブロックをどう設定しようが、関係ありませんので、参議院選挙で使用されているブロックをそのまま使うのか、県単位にするのか、あるいは新たに設定するのか、与野党間の話し合いでどのようになろうとも、投票価値には影響を全く及ぼさないのです。これから衆参とも抜本的な制度改革の議論を進めていかなければなりませんが、「一票の格差」と「定数削減」がお互いに影響を与えないような仕組みを取り入れていくことこそが、各政党の個別の思惑に左右されないための大事な要素であると考えています。

衆院の早期解散、総選挙のための環境を整えるために「0増5減」の緊急措置はまず早急に実施すべきということは言うまでもありませんが、その上で抜本的な改革に向けて、「投票価値の平等化」「定数削減」という2つの課題を同時に解決できる、持続性のある、効率的な制度の導入に向けて、これからも力を尽くしてまいりたいと思います。

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