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2011年02月18日 (金)

地方財政について

今回は、地方の財政について少しお話しをしたいと思います。非常に難しく込み入った話ですが、できるだけ簡単にまとめます。

 地方財政の中で、仕事の効率化を図ったり、中央(国)との重複、あるいは都道府県と市町村の間での重複を省くなど、二重行政、三重行政の無駄をなくしていく事は非常に重要です。これはお金を如何に上手に使っていくかという問題です。今回お話ししたいのは、そういったお金の使い方ではなく、地方自治体にとっての収入、つまり財源の問題です。

 地方自治体は、大きく分けて二つの財源を持っています。一つは勿論地方税です。住民税や固定資産税、あるいは法人二税と呼ばれる法人住民税と法人事業税などがこれにあたります。もう一つは地方交付税や補助金など、国からの資金供与です。国はお金を出せば口も出すわけですが、今回の政府予算案ではごく一部に種目別の交付ではなく一括交付金が導入され、地方にお金を渡し、地方がそのお金をより自由に使えるようにすることになっています。

 地方税は自治体独自の財源であり、その自治体の経済力次第で多い場合も少ない場合もあります。高所得の人口が多い、あるいは利益の多い企業が多数存在するような自治体では税収が多くなります。地方交付税は、こうした自治体間の税源の違いが住民サービスに与える影響を緩和する為、言い換えると全国どこに行っても同じような住民サービスが提供できるようにする為の、富の再分配を目的として設立されました。国税である所得税、酒税、法人税、消費税、たばこ税などの一定割合が、国から地方自治体に交付される仕組みです。基本的には、財政が豊かな自治体の住民からそれほど豊かではない自治体への住民へと、国がパイプになって資金を移動させる結果になります。

 「地域のことは地域で決める」という地域主権を推し進めていく中で、地方自治体の自主性を最大限尊重していく一方、当然のことながら結果責任に対しても地方が負うことが必要になってきます。一人一人の国民に近いところに存在し住民監視が行き届くのは地方自治体ですから、地方ができることはどんどん地方がやるべきで、国から地方への権限と財源の移譲を進めていくことが重要です。一括交付金はこれまでの交付税、補助金という体制よりも地方自治体の自主性を重んじるという点において半歩進んだものだと思いますが、いま問われなければならないのは、国が国税として徴収したものを地方自治体に分配するという地方交付税という制度そのものです。

 先ほど地方自治体の財源が地方税と国からの資金供与であると書きました。地方自治体はこの他に債券(地方債)を発行して資金調達を行う事もできますが、本来は将来の税収によって返済されるべきこれら地方債も、実は国からの資金供与による返済を当てにした形が多くなっています。地方債には国の「暗黙の保証」があると言われていますが、それは地方自治体が債務返済に必要な税収を確保できない場合も国が何らかの形で資金提供を行うということです。税収に大きな格差があるにも関わらず「地方債は全て同じ信用力だ」という総務省のスタンスは、この考え方を認めるものです。もし国が地方交付税によって地方に分配しないとすると、各自治体は債券発行に際しても自分の将来の税収によってそれを弁済することを計画しなければなりません。地域住民も、追加の行政サービス実施や施設建設の為の資金調達が、他の地域の住民の税金ではなく、自分たちの将来の税金によって賄われることを考えた上で、その追加サービス、新規施設が必要かどうかを判断することになります。この自治体の自己責任と地域住民の行政監視は大変重要な視点であると考えています。

 私は地方交付税による地域間再分配制度は、今後縮小の方向に向かうべきであると考えています。各地域が競って住みよい環境を作っていく時、国による再分配制度を当てにするなどと言うのはおかしな話だからです。従って、今後の地方財政を考える時、私は「財源」ではなく「税源」を中心に考えていかなければならないと思っています。現行制度のまま財源を議論する限り、必ずそこには国からの資金供与が存在し、真の地方自治は達成されません。勿論、憲法が保障する最低限の国民生活や義務教育を行う為に必要な最低限の財源は、国が担保すべきです。しかしながら、それを超える部分で行われている地方行政に関しては、地域住民に一番近い地方自治体が主体的に、かつ財政的な責任を持って行うべきものです。そのためには国の意向に関わらず地方自治体が自由に使える「財源」が必要なのであり、それは「税源」なのです。

 税の議論は非常に奥深いものですが、ここでは一つだけ重要な点を挙げたいと思います。それは地方自治を支える税源が満たすべき要件です。地方税には様々な税源が存在しますが、これからの地方自治を考えていく上で税源が満たすべき要件のうちで重要なものは、東京と北海道、沖縄などの地域間であまり大きな違いがないことと、景気の変動などからあまり影響を受けないことです。現在の地方税において、法人二税への依存性がかねてから問題視されていますが、法人に対する課税は景気の変動を大きく受けるという意味で地方税源としてはあまり好ましいものではありません。また、大企業の本社は東京、名古屋、大阪などに集中する傾向があり、法人関連の税収は地方自治体によって大きな差があります。

 地方自治体の税源として最もふさわしいのは消費税であると私は考えています。消費は企業利益や個人所得と比べて安定しており、また住民の数に応じて多かったり少なかったりしますので、自治体の仕事の多くが住民数に応じたものであるとすれば地域間格差の少ない税源と考える事ができます。今後の社会保障を支えていく為に大きな安定した財源を国も求めており、消費税は社会福祉税化される動きになっています。勿論国の財政を安定させることは重要ですから、国税としてとっておきたい財務省の思惑が見え隠れするとはいえ、こうした議論が出てくるのは理解できます。しかし国のレベルの話は、所得税や法人税の様な直接税と消費税に代表される間接税の関係(直間比率)や、税と社会保険料の関係、あるいは富の再分配の問題など、多くの問題を同時に解決していかなければなりません。初めに結論ありきではないのです。消費税は国税であると決めつけるべきではありません。地方税源としての消費税の有用性がしっかり議論されるべきです。そのためにもまずは国が一括徴収後に5分の1を地方分として地方に支払うという現在の消費税の方式は、地方が独自に地方消費税を徴収する形に一刻も早く改めるべきです。

 地方財政を考える時、財源ではなく税源を中心に考えることが重要です。今後も真の地方自治の確立に向けて努力していきたいと思います。

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