中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2014年06月04日 (水)

「ゆうちょ銀行は株式売却前に5兆円程度の減資を行うべき!」(1)

本日から3日間、「ゆうちょ銀行は株式売却前に5兆円程度の減資を行うべき!」と題し、「中西の目ヂカラ」に掲載していきます。長い文章となりますが、是非ご一読いただければ幸いです。

皆さんは、財務省のホームページに「国有財産」というページがあり、そこに政府保有株式の一覧が掲示されているのをご覧になったことがあるでしょうか?合計で27兆円ちょっとの株式を政府は保有していますが、その約半分、12.4兆円が日本郵政の株式です。皆さんご存じの通り、東京メトロ株式、JT株式とならんで日本郵政株式は復興財源確保法において、その売却収入を復興財源に充てることとされています。つまり、震災からの復興を確実に進めるための、貴重な財源です。

この12.4兆円というのは、日本郵政の「純資産」、つまり資産から負債を除いたもの、言い方を換えると、日本郵政を解体して資産を全て現金化し、負債を支払った後に手元に残るはずの価値を表しています。清算価値ということも出来ます。この日本郵政の純資産はゆうちょ銀行、かんぽ生命、郵便事業に分散して存在するのですが、圧倒的な量、約11兆円が、ゆうちょ銀行に存在します。今日はこのゆうちょ銀行について皆さんと考えてみたいと思います。

政府は2015年度にも日本郵政の株式を売却していく方針ですが、一体どれぐらいの値段で売れるのでしょうか。これは復興財源の多寡にも関わる大事な問題です。上述の通りゆうちょ銀行が純資産の大半を占めていますから、ここにフォーカスを当てて考えてみます。

まず、株式市場でどのように株価が決められるかを考えると、株価収益率(PER)という数値をもとに決定されることが主流になっています。これは、企業の生み出す将来の収益の総額がその企業の価値であるという考え方に基づき、将来収益の大小やその確実性などを考慮して株価を決定する手法です。業種や会社の規模にもよって変わってくるのですが、メガバンクの平均PERはおよそ10です。つまり、一年あたりの純利益の10倍をその企業の時価総額と考えるのです。日本郵政の中期経営計画を見ると、ゆうちょ銀行の純利益目標は2,200億円なので、この手法を用いると時価総額は2.2兆円にしかなりません。純資産が11兆円もある会社を上場すると、恐らくこれぐらいの値段しか付かないということです。

株式市場の企業に対する評価である時価総額と、経済的な企業の価値である純資産を比較する指標に、株価純資産倍率(PBR)というものがあります。これが1を上回っていれば、株主にとって会社を清算するよりも企業として存続させて株式を保有する方が得ですが、1を下回れば株主は会社を清算して現金化してしまった方が得ということになります。メガバンクのPBRは現在では0.8程度です。ゆうちょ銀行では純資産11兆円に対して時価総額が2.2兆円程度と予想されますから、PBRは0.22です。ゆうちょ銀行も立派な銀行なのですから、特別な固有の問題が無いのであればPBRが少なくとも0.8程度になっても良いのではないでしょうか。11兆の純資産に対してPBR0.8ならば、8.8兆円の時価総額になります。国民の貴重な財産にはこれぐらいの値段が付いて欲しいものです。

因みに過去の例を振り返りますと、NTT株を売却したときのPBRは5.4でした。この頃はバブルですから7~8というPBRも有りました。JR東日本株の売却ではPBR3、JT株でも2倍前後でしたから、今回の日本郵政株式売却が非常に奇異に見えます。市場環境が違う、業種が違うと言ってしまえばそれまでですが、手をこまねいて見ているだけというのではあんまりです。

何故この様なことが起こっているのか、そしてゆうちょ銀行にとって、あるいは日本国民にとって、これが何を意味しているのか、次回以降ご説明したいと思います。

 

中西けんじの国会動画
facebook twitter youtube

私の主張

カテゴリ

バックナンバー

このページのトップへ