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2013年06月10日 (月)

スッキリしない厚生年金基金制度の存続

現在、参議院では政府提出の厚生年金保険法改正法案の審議が行われています。
昨年のAIJ投資顧問の資金消失問題を機に、厚生年金基金をめぐる諸課題があらためて顕在化したことも踏まえ、年金基金制度について見直しを行う内容の法案です。

厚生年金本体に多大な影響を及ぼしかねない年金基金制度については、前民主党政権下においては基金制度を一律で廃止していくという方向性で検討がなされていたもので、私自身も、将来的に廃止・縮小していくという基本的な考えのもと、基金の新設を認めない、あるいは基金の自主的な解散を阻害してきた「事業所間の連帯債務」を外すといったことは従来から主張してきたことであり、本法案の趣旨には大いに理解を示すものでありますが、いくつかの気になる点、問題点をはらんでいることも事実です。

まずは基金の存続に関わる点です。政権交代後、自民党政権になって出された今回の改正案では、健全な基金については存続も認めていくという整理がなされております。

田村厚労大臣は「もともと国が作った制度をいきなりつぶすのは不合理」と委員会で答弁していますが、現時点での推計では特例期間経過後に存続が認められる基金は極めて限定的と考えられる中、そうした少数の基金のために制度を存続させることによる厚生年金本体のリスクや、第三者委員会を創設し今後もずっと財務状況をチェックしていくといった行政コストと、制度を続けるメリットとを比較すれば、いくら健全な基金とはいえ、将来にわたって存続を認めていくという積極的な理由はないと思います。年金基金の資金を受託している資金運用業界から制度存続のロビー活動が行われたと言われており、釈然としないものがあります。

政府法案提出後、衆議院での審議過程において、「10年以内に存続基金が解散、または他の企業年金制度等に移行するよう検討し、必要な法制上の措置を講じる」という一文が追加修正されましたが、実は「移行するよう検討し」という表現は、もともとの野党修正案では「移行するよう」という文言だったのを、与党の要請により変更がなされたものです。まさに今後の方向性に関する基本的な考え方が、あいまいな表現によって同床異夢のまま進んで行ってしまう可能性があり、修正法案の解釈について、はっきりとさせておく必要があります。
健全な基金であっても、最終的にはすべて解散あるいは移行させていくということで、検討するのは解散・移行に向けての諸課題の整理であり、存続させるための検討ではないということなのかどうかが明確にされていないところが本法案の最大の問題点だと思っています。

次に、基金に解散を促していくための特例措置の期間についての問題点です。今回5年間という、ある意味では長い期限を設けて様々な特例を措置することとなっているわけですが、既に代行割れを起こしている基金あるいは予備軍といわれる基金が、アベノミクス効果による運用利回りの改善に期待して、「5年もあるのだから、もう一度何とか積立金を増やそう」「そのためには多少のリスクをとっても、失敗すれば特例措置を受ければよいし、成功すればもうけものだ」といった考えで行動することも可能性としては排除できません。AIJ問題を繰り返さないためにも、そうしたことへの具体的な防止策が示されていないことも気になります。

更には、特例措置の一つである最低責任準備金の精緻化に関しても気になる点があります。精緻化の一つに、厚生年金本体でのその年の利回り実績を適用するのか、前々年度の確定値を適用するのか、どちらか少ない方を適用するという対応を行うとしており、これにより現在の代行割れ基金の積立不足1.1兆円のうち約5000億円もの額が減少し、その分厚生年金本体に影響を及ぼす内容となっていますが、今回、適用時期に関する考えを変えて、制度そのものを変えるということであればまだ理解できるのですが、どちらか一方、少ない方を選択できるという方式に変更するということですので、既に解散をしていたり、あるいは代行返上が完了した基金との公平性も問題となってくると考えられます。

こうした点について、きちんと法案審議の中で政府の見解を質しながら、みんなの党としての法案賛否を決めていきたいと考えています。

 

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