中西けんじ公式ホームページ(参議院議員:自由民主党 神奈川県選挙区)

国際金融のプロ。最前線にいたからワカル!日本のココが変!

2013年04月01日 (月)

金融庁はどうしたのか

3/31の日経新聞に、「中小企業の債務返済を猶予してきた金融円滑化法が3月31日で期限切れとなり、金融機関が融資姿勢を厳しくする懸念があるため」、金融庁が「中小企業の資金繰りや経営再生に向けた民間金融機関の支援状況を5~6月に一斉調査」し、「4月以降も一転して融資の回収に走らないよう調査を通じてクギを刺す」との記事が出ていました。

記事の真偽のほどはわかりませんが、もし内容に誤りがないとすれば、何のために中小企業金融円滑化法の延長を打ち切ったのかがわかりません。

私はこれまでに何度も(2010年12月17日、2011年10月14日、2012年3月26日)、中小企業の延命を闇雲に求めるのではなく、労働者の生活への配慮を十分に行いながらも、健全な「新陳代謝」をはかるべきだと訴えてきました。アベノミクスはまだ実質的には何も実行に移されておらず、株式、為替市場だけが期待によって動き始めています。いわゆる「リフレ派」の理論によればこれが実体経済に影響を与え、物価水準が上昇し始めることになります。そうなれば良いと思っていますが、経済に真の活力を取り戻すには更にマクロレベルでの生産性を高める必要があり、資源配分の適正化を進めていかなければなりません。中小企業金融円滑化法は急激な経済情勢悪化に対する緩和策としては有効でしたが、副作用として経済の新陳代謝を停止させました。その為に私は、中小企業金融円滑化法の延長に反対してきました。

経済を再活性化させようという安倍首相の決意は頼もしく共感するものですが、仮にこの記事が本当であるならば、参議院選挙を前にして「ご機嫌取り」が始まっているのか、消費税をあげられるような経済情勢を短期的にでも達成しようとしているのか、あるいはその両方なのかも知れませんが、全く支持をすることはできません。中小企業金融円滑化法が終了しても、金融庁が相変わらず民間金融機関に対して中小企業への融資を無理強いしているようでは、実質的には何も変わっていないことになります。円滑化法の延長に関して金融庁は、本当はこんなことを続けていてはいけないので早期に廃止したいと話していました。あれは真っ赤な嘘だったのか、あるいは政権交代したり、大臣が替わったりすればこんなものなのでしょうか。

何度でも繰り返して申し上げますが、本来退場すべき中小企業を延命させることは経済のためになりませんし、労働者にとっても短期的にはプラスでも中・長期的にはマイナスです。政府が行うべきことは、「ゾンビ」と呼ばれるような中小企業の延命ではなく、労働市場の流動化と、離職、再就職が労働者の生活に大きなダメージを与えない様な社会作りです。その為には医療、年金など社会保障の雇用形態(正規、非正規)による差別の撤廃や、雇用と社会保障の分離(職場が変わっても社会保障制度が引き継げる社会保障制度体系の再構築等)、再雇用に向けての再教育の拡充など課題は数多くあります。

経済の新陳代謝を高めることには痛みが伴います。しかし、これを恐れて先延ばしにし続けていては、経済再生はいつまで経っても叶いません。アメリカ経済が何故にリーマンショック後これほどの回復を見せているのか、その理由は幾つもあるでしょう。私はその中で最も重要なものが、労働市場の流動性だと考えています。雇用の流動化が進まないからそれをサポートする制度作りが不要だというのでは、いつまで経っても鶏と卵で先に進みません。経済活性化のためには労働市場の流動化が必須であるという確固たる認識があれば、すぐにでもそれをサポートする体制作りが進められるはずです。

産業競争力会議においても、労働市場の流動化を促していくための第一歩である解雇要件の緩和について議論が進められるようですので、私も本件については引き続き注視していきたいと考えております。

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