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活動報告

中西けんじの国政報告をはじめ、所属している各委員会での議論内容などについてご報告させていただきます。

国会活動

財務金融委員会:議事録と動画--外国人旅行者の消費税免税廃止を

2024年12月21日 (土)

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「金利のある世界の到来と我が国の財政運営」「外国人旅行者の消費税免税措置の廃止」というマクロとミクロの両面の質疑を行ないました。
 
 
++++++++++ 議事録 +++++++++++++

○中西委員

おはようございます。自由民主党の中西健治です。私は、2010年の参議院当選以来、当時の民主党政権の野田財務大臣に始まり、以来、歴代全ての財務大臣に対して質問に立ってまいりました。財務大臣としての加藤大臣には初めての質問ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

加藤財務大臣が就任され、所信を述べられた際の経済、市場の環境がこれまでの大臣のそれと決定的に異なるのは、日本銀行が金融引締めに動き、実際に金利が上昇し始めているということであります。

 

私自身は、三十年にも及ぶ粘着性のデフレに苦しんできた我が国ですから、金融引締めは決して急ぐことなく、消費者物価や賃金に関するデータを一つ一つ確認した上で、いわゆるビハインド・ザ・カーブになっても構わない、ゆっくりと進めていくべきだと主張しているところであります。

 

ただ、引締めのスピードの考え方に関する差はあるとはいえ、利上げ局面であることは変わりないだろうというふうに思っております。こうした中で、この金利上昇局面で財政を預かられている財務大臣としてはどのような対応をしていくのか、まずお伺いしたいと思います。

 

○加藤国務大臣

まず、今、デフレではない状況からいかにデフレを脱却できる、そういう、要するに後戻りしない状況にしていくのか、これが大変大事だと思っております。そういった意味においても、経済あっての財政という考え方に立って、まずは本格的な経済の成長に向けて取り組んでいくということ、これが政府全体としての基本だと思います。

 

その中で、委員御指摘は、多分、国債の管理政策のことであるとすれば、まさに日銀の一連の政策が変わっていく中で、これから国債をどう確実にかつ円滑に発行していくのか、また、その中で中長期的な調達コストをどう抑制をしていくのか、こういったところに配慮しながら国債管理政策を運営していく必要があるというふうに思っております。

 

金利の動向や投資家のニーズを見極めた上で、市場との対話、これを丁寧に行いながら、適切な国債管理政策の運営に引き続き、また、今おっしゃったように局面が変わってきたということもしっかりと認識しながら対応していきたいと思っています。

 

○中西委員

国債管理政策という点では、金利が低いうちになるべく長く調達するというのが基本になるということだと思いますので、それは今まで財務省もしようとしてきたということではないかと思います。

 

金利が変動する時代においては、やはり予期せぬ経済ショックに耐え得る財政運営が求められるだろうというふうに思っています。よく、財政健全化というのは何のために行うのということに対して、いや、財政健全化のためだという、何か、半ばトートロジーのような問答というのがございますけれども、私は、財政健全化というのはリスクマネジメントだというふうに常々主張しているところでございます。

 

何が起こるか分からないので、そのための財政余力というのは常日頃から持っていかなきゃいけない、それがリスクマネジメントだ、このように考えております。

 

今、少数与党ということになりました。折しも、フランスでは、少数与党が緊縮予算を作ろうとして、結局、内閣総辞職。その上で、ムーディーズがフランス国債を格下げするという事態にまで発展してきております。

 

市場の、内外の投資家などに聞きますと、やはり、これまで日本というのは、国民の担税能力というのは高い、これはよく分かっている、いざとなったら、もし財政が悪くなったら徴税を行うことができる、余力があるということで、格下げなどは避けられてきた、こういうふうに言われているわけですが、少数与党ということになると、その課税能力、徴税能力、こうしたものに対してもやはり注視して見ていかなきゃいけない、こんなことがよく返ってまいります。

 

今後の、こうした状況を踏まえながら、財政健全化についてどのように考えるのか、そして、それをどのように市場にコミュニケートしていくのか、そこら辺、財務大臣のお考え、お聞かせください。

 

○加藤国務大臣

先ほど申し上げましたように、まず経済あっての財政ということで、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日本経済を新たなステージへ移行させる。同時に、経済、財政健全化の旗は降ろさず、財政に対する市場の信認を確保し、将来世代への責任を果たしていくことが重要だ。

 

そうした観点に立って、予算編成においても、経済、物価動向等に配慮しながら、これまでの歳出改革の取組を継続する一方で、重要な施策の選択肢を狭めることがあってはならない、これは骨太の方針の2024に明記をされておりますので、これを踏まえて、真に必要な事業への予算の重点化など、めり張りの利いた予算編成を行っていきたいというふうに考えております。

 

そして、同時に、国債へ投資をされる海外投資家なども含めて、国債に対する信認、あるいは財政の動向、これをしっかり説明していくことは大事だというふうに思っています。

 

実際、財政の動向は、予算や、今お話があった税制に係る政策判断、また経済情勢によって大きく変化をしていくわけであります。そのために、経済財政諮問会議において、足下の予算を反映した歳出歳入両面の対応や、直近の金利動向も踏まえた中長期の経済財政の見通しとして、年二回、中長期試算をお示しをし、これを踏まえて、金利上昇の影響など経済財政運営についての議論を行っていただく。

 

また、財務省においては、財政制度等審議会において、各分野の予算の内容にとどまらず、長期的な財政の姿についても、例えば、金利上昇による利払い費の増加幅に関する試算をお示しするなどして議論をしていただいている。

 

こうしたことも通じて、また、国会においてこうしたやり取りをさせていただく中で、国民の皆さんに分かりやすい説明を努める中で、財政に対する信認、しっかり引き続きいただけるよう努力していきたいと考えています。

 

○中西委員

これは、政府のみならず、与野党問わず意識していかなきゃいけないことなんじゃないかと思います。

 

もし格下げというようなことになった場合には、為替が円安に振れるということも起こり得るでしょうし、あと、ドルファンディング、銀行の海外でのファンディングが非常に厳しくなるので、それは、ひいては日系企業のファンディングがきつくなるということになりますので、そこは与党、野党問わず意識していきたい、意識していくべきであろう、こういうことを付言させていただきます。

 

続きまして、外国人旅行者への消費税免税措置についてお伺いします。

 

外国人の友人からは、日本に来て、安い、安い、安い、こういうふうに言われます。余り気持ちいいものではないですから、だったら、消費税を払ってでも買物するかと聞き直します。そうすると、買う、買うと言うんです、する、すると。消費税を払ったって安いものは安い、こういうことを言います。

 

これは為替の影響だけじゃなくて、長い間デフレが続いてきたので、国内での価格づけが、日本の商品のみならず海外の商品についても安く設定されているということも大きいのだろうというふうに思います。

 

であれば、私は、いっそのこと消費税免税措置というのはやめてしまうべきだ、こういうことを党の税制調査会でも何度も発言をさせていただいていますし、近頃ブログを書いたんですけれども、そのブログをXに上げたところ、97万人の方が閲覧して、ほとんどの方がコメントで賛成だ、こういうことを書いてくれております。

 

まず、事実確認を幾つかしていきたいと思いますけれども、2023年、昨年の外国人旅行者の免税購入額をお伺いしたいと思います。

 

○小宮政府参考人

免税購入金額でございますが、輸出物品販売場が免税販売を行う場合に国税庁へ購入記録情報を随時送信することとされておりまして、これを2023年について機械的に集計いたしますと、免税購入金額は約1兆5855億円となります。

 

○中西委員

外国人の国内での消費額5兆3000億円に対して、1兆6000億円に近い金額が免税で販売されている。デパートですとかドラッグストアで販売されているということになりますけれども、その金額の約10%が消費税免税ということになりますから、1600億円をお返ししているということになります。

 

今年度、2024年についていうと、訪日外国人の消費額が8兆円になる、こういうふうに予想されていますので、三割近いということになると2兆円を超える。三割そのままだとすると2兆4000億円、そうすると2400億円もの消費税を免税としてしまっているということになります。

 

この制度がこれまでインバウンド消費拡大のツールと位置づけられているのは認識していますが、なくても買うんじゃないか、こんなようには思っています。

 

またお聞きします。一人当たりの免税購入金額1億円以上の出国者数と免税購入額をお伺いしたいと思います。

 

○斎藤副大臣 お答え申し上げます。

令和4年度から令和5年度、2か年における1億円以上の免税購入について申し上げますが、免税購入出国者数は690人、免税購入総額は2,332億円となっております。

これらの購入者に対する税関での検査状況でございますが、1億円以上の高額購入者の9

割近くが捕捉できておらず、捕捉できたとしても、そのまた9割以上が免税購入品を所持しておらず、免税購入品を所持していない者に対し消費税の賦課決定を実施したとしても、ほぼ全てが滞納という状況になってございます。

 

○中西委員

1億円以上の買物をする人が690人もいる。本当は、一日当たり、同じ場所では50万円しか買えないということになりますから、いろいろな場所で、何日にも分けて購入している。とても実需とは思えない金額です。

 

この690人の総額は、今あったとおり2300億円。一人に直して3億円以上購入しているということになります。そして、空港で捕まえても、結局お金は持っていないんです。この人たちはいわゆる買い子ですので、税は払えない、そのまま出国しているということになるので、こうした不正、消費税を払わないで国内で転売するという不正が横行しているので、今回、システム対応、今までのやり方を変えて、デパートで免税するのではなくて、空港で確認した上で還付するという方式に改めるということですが、

 

私はもう、そんなシステム対応をして、お金をかけて還付するということよりも、これは、航空会社などと話すと大変心配しています。結局、長蛇の列ができるんでしょう、そして飛行機に乗り遅れる、そんなことが起こるんじゃないのと。

 

そうしたら、日本は税金を返してあげようとしているのに、買物袋を提げた人たちに日本政府が罵られる、悪態をつかれる、こういうことが目に見えているのではないかとも思うので、私は根こそぎやめるべきではないかというふうに考えています。

 

もう一つお伺いします。外国人旅行者に対して消費税をかけない、還付するというのは国際的なルールなのか、若しくは何らかの租税協定に基づくものなのか、教えてください。

 

○斎藤副大臣

お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、リファンド方式へのルール改正ということが今検討されてございます。

 

この外国人旅行者向け免税制度自体につきましては、観光立国の実現に資する制度であると認識をしております。一方で、委員御指摘のとおり、不正利用の懸念があるということは事実でありますので、リファンド方式への見直しということをまさに今検討を進めているところでございます。関係各所と緊密に連携して対応していくことが重要と考えております。

 

もう一点、免税制度は国際ルールかというお尋ねもございました。

 

消費税も含めた消費課税全体につきましては、消費地で課税をするということが国際的に共通した取扱いでございますので、輸出取引については国際的に免税となってございます。

 

一方で、この外国人旅行者向け免税制度につきましては、条約等でその導入が義務づけられているわけではございませんが、今ほど申し上げました、消費課税は消費地で課税をするということを踏まえて導入をしているものと認識をしてございます。

 

国際的に見ますと、外国人旅行者向け免税制度を導入している国もあれば、そうでない国もあると認識をしてございます。

 

○中西委員

日本では輸出という整理で免税になっているんですが、私の知る限り、アメリカは昔から還付していません。そして、イギリスはつい最近、三年前に、VATの国であるにもかかわらず、還付制度を廃止いたしました。決めの問題だというふうに思います。

 

最後に、財務大臣にこの問題に関する御所見をいただきたいと思います。

 

○加藤国務大臣

外国人旅行者向け免税制度、一つは、観光立国という立場での議論がございます。昨年三月に閣議決定された観光立国推進基本計画で、その利用促進などによりショッピングツーリズムを推進すると示されておりますので、まさに観光立国の実現には資する制度だと思います。

 

他方で、今委員御指摘のように、制度の不正利用が起きているというのは事実でありますので、こうした不正利用には対応していく必要があります。税関での持ち出しが確認できた場合に消費税相当額を返金するリファンド方式に見直すこととしています。

 

ただ、新制度の実施に向け、今いろいろとトラブルもあるのではないかと御指摘がございました。免税店の事務負担軽減や、外国人旅行者の利便性の向上、空港等での混雑防止に十分配慮していく必要があると考えております。

 

引き続き、関係省庁、業界団体とも緊密に連携をして、具体的な実施に当たっていきたいと考えております。

 

○中西委員

終わります。どうもありがとうございました。

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